OTRとして働く上で必要になると思うものシリーズ2 ストーリーの分析

はじめに

OTRとして働くようになる前から、実際に今まで働いてきてから継続して必要だと思うものがいくつかあります。

その一つが、「ストーリーを分析する能力」です

今話題の「ごんぎつね」

小学校の頃、国語の教科書で読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。

知らない人のためにストーリーを引用しておきます。

いたずら好きなきつねのごんは、ある日兵十が病気の母親のために用意したウナギをわざと逃がしてしまいます。ところが、その後母を失って落ち込む
兵十を見てごんは反省、償いのために魚や栗を兵十の家に届けはじめます。しかし、そうとは
知らない兵十はごんがまたいたずらをしにきたのだと勘違いし、ごんを火縄銃で撃ってしまう。
そこではじめてごんが食べ物を運んでくれていたことに気付くというお話です。

今、とある小学生が書いたこの「ごんぎつね」という物語の感想文を巡って、話題が沸騰しております。

感想「ごんがわるい」

実は、某巨大掲示板に、姪っ子が書いた感想文が物議を巻き起こしているという趣旨の書き込みがありました。

その書き込みを巡って多くの人が、自分の意見を述べています。

ちなみに以下がその書き込みです。

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/08(水) 16:11:26.76 ID:0SLw7FB7O

全文まるまるは無理だから要点かいつまむ

・やったことの報いは必ず受けるものだ
・こそこそした罪滅ぼしは身勝手で自己満足でしかない撃たれて当たり前

勿論身勝手やら自己満足なんてワード実際に使っちゃいないぞ
文章読んで端的に言うとそういいたいんだろうってことな
特に二つ目が物議を醸しているらしい・・・

みなさんどう思われますか?

個人的感想

あくまで、ひろえもん個人の感想ですよ。

個人的には、ユニークな視点であり、尊重されるべきだと思いました。

確かに、あの物語の主人公は「ごんぎつね」であり、読者の感情もごんの視点に立ったものに偏りがちではないでしょうか。

安易にそのような視点に立つのではなく、見落とされがちな兵十の心理に思いを馳せることができている点で、非常に評価されるべきだと思います。

一般的な意見

ひろえもんのように、この意見を面白いという人もいる一方で、不快感をあらわにする人もいらっしゃるようです。

それは、この感想が自然に抱くようなたぐいのモノではないからではないでしょうか。

つまり、あれこれ考えるようなタイプの人間でないと浮かんでこない質の回答であるように思うのです。ここが引っかかる人は多いのではないかと思います。

もっと極端に言うなら、子供らしくない感想であるというところが問題なんだとおもいます。

冷静に考える

情動を優先するならば、感想は一択です。つまり、「ごんはかわいそうだ」となります。

基本的に、ごんに悪意はありません。

ほんの少しの出来心が大きな罪となってしまい、それを償うためにまじめに人知れずがんばっていましたが、それが報われるときには既にその命は終わってしまっているという、救いが無いような、悲しい話におもわれます。

しかし、逆に、感情よりも分析を優先したなら、論理を優先するなら、「顧みられるべきは兵十であり、ごんではない」となるのだと思います。

この意見は、論理的に正しく非常に鋭い意見で、論理的に反論の余地がないのです。しかしながら、その分、だからこそ人の感情を損なう可能性があります。

正しいからこそ気をつける必要があると思います。

OTRに必要な分析能力

さておき、思うことは、作業療法士として働く上でやはり、感情を抜きにした冷静なストーリー分析能力、つまりその場でどのようなことがどのように起こっていたのかについてまとめる能力が、絶対に必要であると言うことが1つ。

もう一つは、その能力は、思いもしなかったような視点、現実、構造を正確に浮かび上がらせ、それがいとも簡単に人を傷つけてしまうかもしれないということを知っておかなければいけないということが一つです。

OTRにとって必要な分析能力とは、分析そのものとその分析の結果をどのように運用するのかというところまで含めたモノと思います。

おわりに

自分は、まだ、きっちりと分析をするという能力自体も怪しいのですが、その分析の結果をうかつに運用してしまう可能性があると思っています。

真実が、人を傷つける場合には配慮が自然とできるようになっておきたいと思います。


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