経営的な「ムダ」と医療職である作業療法の持続可能性についての考察 その1

はじめに

「ムダ」をはぶくことによって効率を向上させることには大きなメリットがあるけれども、方法によっては顕在化しないリスクを抱え込むことになるのではないでしょうか。

そんな発想がおりてきたのでちょっとメモ。(のつもりが、書いてるうちに溢れてきて、長文に。読んでくださるみなさま、大変ありがとうございます…。

「「ムダ」の盲目的削減は、作業療法にとっては、必ずしも良いこととは言えないかも。」というアイディアとその理由について書いてます。

あらためて前置き

一般的に、ムダを省くことは仕事の生産性を向上させることに繋がると考えられています。それゆえ、企業の意思決定を行う経営者、あるいは会社組織の保有者である株主などからは、「ムダ」の削減が推奨されます。

たとえば、トヨタの「カイゼン」などが有名です。

では、医療職である作業療法に、その枠組みを持ってくると果たしてどうなるのかというアイデアがこの記事の出発点です。

昨今、うるさいくらいに利益追求を求められる現代社会において、作業療法もそのしがらみを逃れられないわけでして、病院経営と利益追求と作業療法のバランスを考えてみようとしたときに、いい題材なんじゃない?と思ったわけです。

カイゼンとは

本題に入る前に、カイゼンについての確認です。

カイゼンとは普段行っている業務の内容を、見直して、価値を生み出さない動きを減少させる考えとその実践のことです。

世界的な企業となったトヨタ自動車が、生産性を高めるために運用している手法として有名になりました。

カイゼンは、まさに、究極の利益追求のための手法といえます。

想定される結果

さて、カイゼンを行うと、その結果としてどんな効果が得られるでしょうか。

一般的には、業務に必要ない動きが減少し、生産結果に本当に必要な動きのみが追求されることによって、短時間かつ少ない労力で、実践前と同等あるいはそれ以上の成果を継続的に出すことが出来るようになると言われています。

これがカイゼン方式導入を薦める際によく語られる利点です。

今回の話の本質は、「利点だけに注目が集まりすぎではないでしょうか?」ってことと同じです。実は。

カイゼン的手法の落とし穴

このような手法による利点は、製造業の企業には非常に相性が良いです。

販売まで含めると話が複雑化するのですが、製造工程だけに的を絞って考えてみるとわかりやすいはずです。

製造業では、価値が単位時間当たりの質と量によって生まれます。

つまり、たとえば一年間で顧客が満足できる高品質な製品を安定してたくさん作り販売できる体制を整えることに価値があるわけです。

一方で、サービス業にこれを当てはめるとどうなるでしょうか?

実はそれを地でやろうとしているコンビニエンスストアが日本でありました。

導入したその後をきちんとフォローできていないので詳しい結果は参照していません。ですので憶測ですが、多分経営者サイドが狙ったほどの効果はなかったのではないでしょうか。

なぜなら、サービス業というのは基本的に、その質を高めようとすると結果として多様化することになり、画一化することによってかえって顧客離れを招く結果になることが多いからです。

サービスを利用する側の人間の心の機微をとらえて、それにふさわしい言動が行えるかどうかは、サービス業全般の「価値」にあたる部分といってよいのではないでしょうか。

とすると、必然カイゼン方式が不向きなことがお分かりいただけると思います。

不向きな理由は、カイゼン方式が「手順を結果に対して簡略化、簡素化することによって最短手順で結果を生み出すこと」を指向するプロセスであり、結果として顧客への対応を画一化、限定してしまうからです。

そして、このことが、サービス業である医療、ひいては作業療法にもあてはまるのではないかと思うのです。

他業種にみる効率化による歪み

サービス業にて、「ムダ」削減を徹底追及した例を見てみたいと思います。

わかりやすい例として、昨今ニュースで取り上げられることもあった、牛丼チェーン店のすき家や、ワタミグループなどを見てみたいと思います。

これらの企業は、時給を上げたのに求人に人が集まらないことがニュースになりました。

これらの業種は食品の仕入れや、利用顧客像、提供・接客の手順などを画一化することによって、低コストでのサービス提供を可能にしていました。

そして、低コストでそれなりのサービスや食事ができるという点で、サービスを提供される側の顧客から歓迎され、利用する人の数が増えたことによって利益が増加するというモデルで成長をしてきました。

しかしながら、問題がおこっています。なぜでしょうか。

それは本来抽象化するべきでない要素を抽象化していることによって、本来かけるべきコストが省かれてしまっているからと考えられます。

具体的には、外食産業を利用する実際の顧客は、一人ひとり嗜好が違えば感性もことなるものです。画一化された接客をしていても、きっと満足度は高まらず経営サイドが求める業績は達成できません。多種多様である顧客を満足させるために現場に要求されるコストは、経営サイドの見積もりよりもはるかに大きなものがあるはずです。

短時的な利益の追求を、画一化によって積み重ね達成した結果として、それが長期的かつ構造的なゆがみを生じ、いくら時給を積んだとしても仕事を選べる能力のある人々から選ばれない原因となっているようです。

このように外食産業においては、労働者の求人問題という形で、歪みが顕在化したわけです。

そして、この構造は医療職にも同様にみられるものです。とりわけ、これから保険点数がガンガン削られていく時代な流れがあるわけでして、この歪みは外食産業よりもっとひどいことになっていくかもしれません。

まとめ

先に述べたように、製造業にとってカイゼン方式(画一化による利益追求)は非常に相性が良いです。

それは、「ムダ」を質と量につながるかどうかという視点で、判断しやすいからです。

そして、そのような業種にとっては、画一化された尺度によって「ムダ」を省くことで生産性の向上を図る手法は非常に力を発揮します。

逆に、サービス業では人間の心理が価値の判断に大きくかかわるため、何が有効で、何が無効かという判断を直観的かつ客観的に行うことが困難です。

このことに鈍感だと先の外食産業での例にあるように、短期的な利益を追求していたはずが、いつのまにか長期的な損失を生むシステムになっていたという矛盾が生じてしまうわけです。

とりわけ、人間の心理を対象とするような仕事では、長期的な仕事においては最初無価値や無意味・無駄に見えた事柄が、後で重要な価値を持つようになったり、価値が発見されるということはよくあることです。

このように、画一化をするということは、ある結果に対する最短を選択するための手法としては非常に強力かつ有用なものですが、コンサルティングやマネジメントなど自分で問題を設定し、それを解決するための手順を決定する必要がある仕事においては、愚の骨頂とさえいえるのではないでしょうか。

おわりに

というわけで、作業療法には「徹底したカイゼン方式」は不向きです。

なぜなら、作業療法はこれから生活行為向上「マネジメント」を推進していくわけでして。結果として生じる画一化が、問題解決のために使えるコストや選択肢を制限することになり、それが中長期的な損失につながる可能性が高いからです。

画一化によって、短期的な利益の向上が認められるかもしれませんが、そのシステムは往々にして長続きしません。

長続きしないと、生活や実践に根付かないので、リハビリテーションとしてはナンセンスですよね。

導入する際には、どんな結果を追求したいのかというポイントを絞る必要性がありそうです。

「ムダ」と中長期の実践の関係について、書ききらなかったので、今度はそこらへんをちょっと書いてみたいと思います。

らしくもなく長々と書いてしまいました。

長文を読んでいただきありがとうございました。

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イマドキ!?作業療法士見習い学生であるOTSと指導する側としてのOTRの距離感と関係性の難しさ

はじめに

端的に難しいと感じたので。

自由度を高めると動けない学生が増えているように思います。

実は、自分もそのような学生でした。

おおざっぱに印象を含めて捉えたことを述べてみます。

うごけなさはどこから?

大きくは2つの原因ではないでしょうか。

まず、学生は自分が評価される存在であるという自覚があると思います。

そして、失敗することは良くないことであるという先入観があります。

自由度の拡大が与える影響

指導者側からすることが決定される場合、OTS(作業療法学生)はそれをいかにきちんと行うかということに頭を使えばいいことになります。

実習指導者も決められた枠内での指導を行えば良いので、指導の負担も軽減しOTSの評価を行いやすくなります。

逆に、自由度を高めた場合にはその反対の事態が発生します。

学生は、より広範な頭の使い方が要求されます。

まず自分がするべきことを見定めたり、何がしたいかを考えなければなりません。そして、次にそれを実行する為の具体的な手順やその実現可能性を検討することが求められます。

指導する側にも、決まった指導方針が無い分より柔軟な指導が求められるだけでなく、各OTSの特性を踏まえた実習内容をオーダーメイドで組み立てる必要があり、尋常でない労力が必要です。

根本原因

学生側と指導者側の視点に大きく開きがあることではないかと思います。

指導者側には、動く為に必要なものや働く為に必要なものが見えています。資格取得の先を見据えたOTRにとり、決められた枠内での課題は非現実的なものではなく役に立たないつまらない物にみえます。

一方でOTSにとって最大の関心は、自分が実習を無事に終えて卒業が出来るかどうかと言う点です。多分。

そこで、見ているところの差をお互いがどれだけ埋めることが出来るかと言う点が実習が有意義なモノとなるかの分かれ目では無いでしょうか。

立ちはだかる壁

学生と指導者が実習中のみの関わりになってしまいがちだと、どうしてもOTSはOTRに対して率直に心を開いたり、自分の言葉を伝えることが出来ません。

自分の言動が評価されるという意識があり、自分を良く見せたいという思いがあるはずだからです。そして、指導者の視点が見えにくいために、OTSは行動するまえにソレがどのように評価されるのかについて、あれこれ考えてしまい自分から行動することが難しくなっていきます。

そして、それは、指導者側からすると消極的な行動として映ります。

フィードバックが辛くなり、OTSは萎縮するという悪循環が生じてしまいます。

時間外での関わりがもてるか

OTRとOTSの理想の関係性は、何でも相談がツーカーで出来るような関係性だと思います。

昔は、OTRとOTSが実習時間外にさまざまな関わりを持つことが一般的でしたが、最近はそれが減っているようです。

学生の側にも、実習時間外での関係性づくりを負担と感じる人が多いようです。

しかし、上記の悪循環を積極的に解消するためには、評価の対象とならない時間にいろいろなやりとりが出来ることが望ましいのではないでしょうか。

おわりに

感じたことをつらつら書いたので、まとまりはないのですがいかがでしたでしょうか。

学生側のモチベーションの低さが問題と言い切ってしまえばソレまでの問題ですが、社会構造や価値観の変化にどれだけ対応するかということがOTR側にも求められる時代になっていると感じています。

働き始めてから、学生の実習内容は自由度が高くあるべきと考えるようにもなりましたが、その重要性を養成校でどの程度OTSが感じることが出来るかは疑問です。ソレを踏まえた指導が必要になるのではないでしょうか。

2年目なので、まだバイザーしなくても良いのですが、いずれはするんだろうってことで将来の自分のための備忘録として残しておきたいと思います。

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OTで一番大切なことは自分の仕事と、大切なこととの間に矛盾がないこと

はじめに

利潤の追求は、簡素化と合理化につながりやすい。

そうすると、人として大切なものを後回しにしてしまう。

喪失感はそこから生まれる。 と思います。

やりがいは?

いうまでもなく自、分の仕事にやりがいを持つことは、仕事を続けていけるかどうかの大きな要素の一つですようね。

そして、作業療法士にとってのそれが、お金であっても構わないと思います。

しかし、作業療法士の仕事をまじめにやってると、仕事内容に見合ったお給料なんてありえません。

その理由をネット上に書き込むことはできません。

しいていうなれば、経営について考えたときに、そろばんをはじいてみりゃわかるでしょうという話であります。

ですから、お金にやりがいを見出したい人には向かない仕事なんじゃないかと思うのです。

それ以外のところにやりがいはあるでしょうか。

自分が大切にしていることをどれだけ守れるか

ウォーレンバフェットという人をご存じでしょうか。

株の投資がとても上手なおじいちゃんですが、彼はとてつもない金持ちです。

そして彼がその資産を形成するに至ったのは、自分が決めたルールをしっかり運用したからと言われています。

作業療法士にとっての作業療法も同じだと思います。

自分自身がたいせつだとおもったことや、正しいと確信する理論や哲学に矛盾しない行動がどれだけとれるかというところが長期的な成果に結びつき、いつか結果や成果としてあらわれてくるのではないでしょうか。

短期的な成果を求めると、長期的に失敗してしまいがちなのが株式投資です。

まずは、自分に信念があるかと、その信念は貫くに足るものかという検証を日々行うことが大切と感じております。

検証

自分が「こうだったらいいのにな」と感じることと、していることの間にギャップがあるのはさほど問題ではないとおもっています。

向かっていく方向が間違っていなければ、いつかその差は自然と埋まっていくはずです。

問題なのは、「こうだったらいいのにな」と思うことと異なることをしていたり、それと矛盾する内容を実行していやしないかということです。

たとえば、「地域移行だ」「退院支援だ」といいながら、プログラムの内容が機能的訓練に終始したり、退院後の生活や本人の希望と全く関係ないようなエビデンスを集めるためだけの介入などがそれにあたると思います。

こうした矛盾が、日々自分が行っていることと自身の信念との間に生じていないかどうかを検証することが大切なのだと思います。

おわりに

矛盾があれば、それがひずみになり、自分自身の元気を削ぐ結果になります。

「医者の不養生」という言葉がありますが、作業で人が元気になることを支援する仕事をしている作業療法士が自分と仕事という作業のマネジメントもできないでは、まさにその言葉通りだと思います。

逆に、矛盾がなければどれだけ仕事がキツくてもなんだかんだ頑張れるものです。

そんなやりがいが自然と持てるような介入スタイルや信念、哲学を持つことが作業療法士としての仕事を続けていく上ではとても大切ではないでしょうか。

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「知らない」は死活問題。生活行為向上マネジメントを勉強してきました。

はじめに

生活行為向上マネジメント(MTDLP)は日本作業療法士協会肝いりの「作業療法の30センチ物差し」。

ですが、他職種も十分運用可能な代物。

はたしてその実体は。

先日研修会に参加してきて、ちょっぴり聞きかじった裏話のエッセンスもふまえ、問題ない範囲で共有したいと思います。

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生活行為向上マネジメントについて改めて

作業療法士がこんなことをしていますということを世の中に説明する為のツールです。

まえにこんな記事も書いたのでよかったらよんでみて下さい。

今日からはじめる生活行為向上マネジメント。意外と難しくない?存外面白いかも? ー 作業療法(OT)まとめブログ

MTDLPに対する、ざっくりとしたひろえもんの印象とかがかいてあります。

正直はんぶん「MTDLPどーでもいい」とおもっていました。恥ずかしながら。

が、研修を終えて大きく受け止め方が変わりました。

MTDLPは作業療法士の業務を表現する重要なツール

「作業療法士ってなにしてるの?」

という疑問は、他職種のみならず、日本の一般的な人々の自然な感想です。

ひろえもん自身、そうした意見があることを強く感じ「作業療法.net」を立ち上げました。

そして、日本作業療法士協会はその答えとしてMTDLPを作ったのだと思います。

つまり、MTDLPは、作業療法になじみの薄い一般の方々に対して「作業療法というものはこういう物ですよ」という説明をするための有力なツールという側面があります。

そして、作業療法士がMTDLPを知ることには、自身が作業療法の実践についての理解をふかめ、それを他者に伝える技能を高める事に直結すると感じました。

結論:作業療法士はMTDLPを知っておいた方が良い

使うも、使わないも自由です。

MTDLPは、結局フレームワークであり、ツールでしかないので、事例の全てに適応できるものではありますが、得意な事例と不得意な事例があります。

たとえば、自分の意志を言語化して伝えることが困難な、小児の事例などではCOPMと同様に運用にそれなりの困難が伴います。

ですが、とにかく知っておくことが必要です。

とくに、その枠組みについて説明が出来る程度に熟練しておくことが求められるようになります。

ぶっちゃけ、これはもう日本という国の大枠まで巻き込んでの、日本のOTの既定路線です。

個人的に「淘汰」という言葉は大嫌いです。

が、MTDLP知らないと日本でOTやっていけない世の中はもうすぐそこまできております。

先日たまたま日本のOTのリーダー伺った、臨床の世界だけでは見えてこない「裏事情」。

そこから、導きだされる結論から言えば、間違いなくそうなるはずです。

とにかく勉強しましょう。

MTDLPを学ぶには

研修会に参加するのが手っ取り早いです。

自分だけで勉強するよりも、いろいろな意見のやり取りを行う中で多角的に運用する方がMTDLPの効果をより強力に発揮できると感じました。

事業として各県士会レベルでの研修会はこれからどんどん開催されていくはずです。

時期を逃さずに参加しましょう。

資料はこちらからだれでも見られます。

生活行為向上マネジメントシート類 ー 一般社団法人 日本作業療法士協会

無料です。

MTDLPの課題

重複している項目が多く、運用上の不合理性を早急に解決することが必要と感じました。

ITを導入することも視野に、スピーディーに運用できるようにする事が必要と感じました。

また、適切な運用ができるようになるためには、なんどもMTDLPの枠組みを使って自分の物にする必要があります。

そのためには、トップダウン的な勉強会だけでなく、草の根的な勉強会が開催されるレベルまで周知されるようになる必要があると思います。

まだまだアップデートの最中ですが、それは実用性がどんどん高まっていることを意味しているとおもいます。今後も継続してフォローを行っていくことが大切かなとおもいます。

おわりに

MTDLPが巧く使える作業療法士が増えることは、日本の作業療法士のレベルを一定レベルで担保することにも繋がります。

対象者視点では「どーでもいい」政治的な課題を一番波風無く解決する上でも、非常に強力なツールです。保険制度の改正に向けてのエビデンスの提出を行うことができるようになります。

とにかく、まずは「知る」ことかなとおもいます。

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今日からはじめる生活行為向上マネジメント。意外と難しくない?存外面白いかも?

はじめに

ちょっと勉強する機会がありましたので、ファーストインプレッションがぼやけないうちに、記事にしてみます。

みんなで共有できたらいいなあなんておもったものですから。

生活行為向上マネジメントとは

まず、生活行為向上マネジメントとは何かからでしょうか。

作業療法士の自分も聞き慣れない言葉ですが。

もっとざっくり言うと、「誰でも作業療法が出来るようにする為のツール」と言ったところでしょうか?

そもそも、何処で切れるのかもわかりにくいですが。

「生活行為」「向上」「マネジメント」です。

seikatu-image.png

(画像:広島県士会HPよりパク...拝借)

生活行為は、作業療法士が使う「作業」って意味とほぼ同義みたいです。

そして、向上はより良くなるとか、賦活するとかそんな意味。

で、マネジメントはマネジメントです。把握と調節、コントロールと言った言葉で都度置き換えられるあのマネジメントです。

そして、生活行為向上マネジメントとは、その人を構成する日常生活をより賦活できるように、作業療法士だけでなくソレをツールとして使うだれもが、対象者を作業療法的な考え方の元でコンサルできるためのフレームワークです。

(うん、なんてわかりやすい説明だろう。)

率直に、作業療法士以外の人に伝えられるようになるには、自分には時間が必要そうだと感じました。

生活行為向上マネジメントの構成要素

まだまだ整理の途中かも(な印象)ですが、規定のプロセスはこんな感じ

  1. 聞き取り
  2. 状況分析
  3. 自己評価
  4. 実施計画の作成
  5. プログラムの実施
  6. 途中点検
  7. 結果評価
  8. 今後に向けて

この辺りは、ある程度具体的よね。

こうして見ると、いっつもやってるプロセスと何ら矛盾しないし、むしろ普段臨床で行っていることを説明してくれるありがたい枠組みかもしれません。

別名

MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance)らしいです。

はつおんでけへん。

マトダルプ?

母音がいっこもないのが苦しいですね。

もういっそ、愛称募集してはどうでしょう。

ついでに、ゆるキャラ化と擬人化もしてしまったらいいんじゃあなかろうか。

そしたら、バズる気がする。(無理か)

「生活行為」ってわかります?

「わかんないわー」

率直な第一印象はこれでした。

すこし違うかもしれませんが、そもそも、生活行為向上マネジメントと聞いて最初に思い浮かべたのは

「生活」「行為」「向上」「マネジメント」

で切れてるイメージだったんですよね。

生活行為って言葉になじみが無いので、一般の人にわかりやすいかというとあんまりそーいう感じもしないなあという風に思います。

「ライフワークマネジメント」位にしとけば、自分的にちょっと柔らかい感じがするんですが。でも、軽すぎですね。これじゃ、厚労省に提出できないですね。ごめんなさい。

話をもどしますと、このたびMTDLPで定義して言うところの「生活行為」の概念の理解、普及が一つのポイントになりそうな気がします。

生活行為とは

「人が生きていく上で営まれる365日24時間連続する生活全般の行為」

(作業療法用語集 23年改訂版)

ざっくりいうと

「やることなすこと」全部ってね。

そしてそのコンセプトは、

「人が当たり前のように行っていることを知覚、言語化、整理、理解、把握、操作、活用、etc… して、人生の充実に役立てましょう」

ってところにあるようなきがしております。

作業療法士はそのお手伝いをするわけですね。

しかし、用語を乱立させてるだけな気がする。

作業がだめなら、いっそ、オキュペイションでええやないかという気もしなくもない。

マネジメントとは

世の中では一般化しすぎて、色々な意味で用いられているこのマネジメントという言葉。

このたびMTDLPで用いられている意味合いは、いわゆる「プロジェクトマネジメント」の思想に最も近いような気がしております。

プロジェクトマネジメントに関してはwikipediaから引用してみます。

プロジェクトマネジメントプロジェクト管理英語Project Management)とはプロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のことである。これにはプロジェクトを構成する各活動の計画立案、日程表の作成、および進捗管理が含まれる。

システム開発を成功させるためには、プロジェクトを適切に管理することが求められる。

(中略)

プロジェクトの特徴
プロジェクト活動には以下の特徴がある
  1. 明確に定義された目標
  2. 必ず開始時点と終了時点がある
  3. 永続的でない一時的な組織が担当する
  4. 1人のリーダ(プロジェクトマネージャ)と複数のメンバーから構成される
  5. 目的達成のための予算が与えられる
  6. いくつかの工程から成り立つ
  7. ライフサイクルの各段階で必要資源が変化する
  8. 予期できない事態が発生することがある
  9. 後工程ほど変更・修正の困難度が増す
プロジェクトマネジメント活動が成功する条件
  1. 期限内に
  2. 予算金額内で
  3. 期待レベルの技術成果の元
  4. 割り当て資源を有効活用して
  5. 顧客が満足する状態で完了する

お分かりかと思われますが、MTDLPがそれを扱う人間に要求する業務遂行能力のハードルは相当高そうです。

個人的にマネジメントという言葉は、かなり強い言葉だと思います。

また、社会的信用、組織内での信頼関係の構築、対対象者とのラポール形成能力など、人間的にもかなり成熟している必要がありそうです。

うん。刺激的。

まとめ

勉強して損はないとおもいます。

支援の対象となる人の人生に対して、包括的な支援が行いたいと思う人にとっては、かなり使えるツールとおもいます。

現状、「ああだよ」「こうだね」ってのも、まだまだこれからとおもいますし、MTDLPができたてのうちに、あれこれやってみる楽しみもありそうです。

おわりに

生活行為向上マネジメント、なんだかよくわからない面白い響き。

使いこなすには、職業人としても、人間としても飛躍的な成長が要求されそうだという風に感じました。

継続的に勉強会に参加したり、使ったりして、その成果を公表するなどして、自分のものにしていく努力も必要そうだ。

参考

作業療法マニュアル57 生活行為向上マネジメント 日本作業療法士協会 著

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運転をやめない認知症の方に運転をやめてもらうには?その人の気持ちを支えることで問題を解決した事例の紹介

はじめに

とある作業が、本人のデマンドであっても周りからみて、さまざまな問題を引き起こしそうな場合なかなか、ソレそのものを支援するのは現実的ではない。

そんなジレンマを解決した、模範的な事例を見つけたので紹介。

事例

運転をやめない認知症男性がいます。

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どうしよう?

介入の方向性

認知症が進行すると、運転をすることのメリットよりもリスクが高まります。

大きな事故となる前に、運転をやめてもらう必要性があります。

しかし、運転のスキルはその人の社会性や、行動範囲と密接な関係性があります。車を運転できることで、郊外の店に買い物に出かけたり、旅行が出来たり。

運転の中止はそうした事が出来るという状態を禁止するわけで、対象者に強いストレスがかかること必至です。

その辺を含んだ介入が求められるはずです。

模範事例

今回の記事はこちらのツイートを参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

思ったこと

運転卒業式とはすばらしいアイディアだと思いました。

認知症になると、いろいろな事を忘れてしまいがちです。

しかし、多くの人を巻き込んでイベント化し、さらに写真や記念品、感謝状など「目に見えるもの」をたくさん残すことで、「運転してきた人生に区切りをつけた」という記憶の想起を強化しています。

また、イベントを導入することで、対象者のさまざまな感情を喚起することができ、それが記銘を強化することにもつながっています。

本人にとってネガティブな要素ともなりえる「運転の中止」に「楽しい想い出」というポジティブな要素を付加することで、心理的なリスクを低下させたすばらしい解決法だと感じました。

おわりに

こんなイベント企画ができる作業療法士に私はなりたい。

そのためには、色々な人とおつきあいし、その関係性をより良い方向に持っていけるようなマネジメントがデキルための人間的な成長が必須だと感じました。

ちなみに、大手ネット書店ではこんな本が人気みたいです。

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