すぐに出来るはず。「難しい」を簡単にする方法。

作業療法には、枠組みがある。

 

ひとが生活をするときに「なぜかうまくいかないなあ」「なんだかしんどいなあ」という思いを抱くことがある。

これは、そのひとが生活上の困難を抱えていることの表れである。

作業療法士の存在意義の一つは、

そうした思いを抱かせている状況その状況に対するその人自身の関わり方に対して積極的に関わり、

より良い方向に向けて本人と協働し、

改善方向への結果を出すことにある。

解決するためのもっとも有力な手段は、「学習」と「認知」を使うこと。

そして、作業療法での切り口は「生活に密着する行動」に焦点化すること。

困難を持つ人自身を全人的にとらえて、生活の環境などとの関連を見ながらその人が行う「生活に密着する行動」を紐解き、分析・整理して、相手には、「こうしてみたら少し楽になるかもしれません、いっしょにやってみませんか?」と具体的に行うべきことのみを伝える。(もちろん必要に応じて説明するけれど)

こうすることで、その人は、具体的な「行為」を通して「学習」し、その過程を自分自身を「認知」できるので、今後似たような問題に直面してもすでに学習したことを手掛かりにして、自分で解決できたり、またその糸口をつかむことができる。

この具体的な「行為」は、その人にとって思い入れがあったり、毎日必ず行う必要があったりして、とにかく思いが強いものであればあるほど良いと思う。

なぜなら、その「行為」を今以上にコントロールできるようになったと感じることが、人間にとって「できた!」という達成感や自尊心と切っても切り離せないものだから。

そして、達成感や自尊心が大切なのは、それがその人の生きる事へのモチベーションにつながるからであり、いわゆるQOLの向上にもつながるからである。

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と、まあ堅い文章になってしまいましたが言いたいのはつまりこういうことです。

まずは、大まかに状況と問題点を把握して、「どうしたらもっとラクだったり、楽しくなるかな」と自分のこととして考えてみることが大事

これは、経験年数やセンスによって精度や質に差があっても、誰にでもすぐに取り組めることのはずです。

提供する作業療法の背景にこうした枠組みがあれば、作業療法の対象となる方が持つ特性が、認知症でも発達障害でも、重度精神障害でも、高次脳機能障害でも、何でも関わりの時に迷わなくて済むなあ。

そんなことを再認識した、今週のお仕事でした。


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