リハビリテーション職が当事者も社会も元気にするために意識するべき必要なたった一つのこと

私自身、自分が作業療法士になってから、今までの間にいろいろと悩むことがありました。

その中の一つに、『どこを向いて仕事をしているのか』ということがあります。
病院の中で作業療法士は、少数派です。
看護師や介護士の方が多い職場では、作業療法士が共通認識として、当たり前と思ってること、いわゆる暗黙知の部分は、通用しないことが多いです。
当然、患者様のために働くべきなのです。
しかし、時と場合によってはそうでないことがあるのは、昨今の老健や特養での利用者の方への虐待に象徴されるように明らかであると思います。
それは、なぜ起こるかといえば、病院や施設の経営者の怠慢であり、医師をはじめとした責任者や管理職のマネジメント力の不足であり、実践者である現場職員の倫理観や実務能力の欠如であり、それらの総体としての資本主義優先体質にあると思っています。作業療法士の優柔不断さも。
個人の働き方や価値観は尊重されなければいけませんが、あんまりユルいとフリーライダーが増えたり、発言力のあるおかしな人がおかしなことをしても、それを誰も咎められないという、おかしなことが起こります。
そうなると、だんだんみんながどうしたら自分の立ち位置を守ることができるかということに苦心するようになり、本来の仕事とは関係のない所にエネルギーを注ぐようになってしまいます。
こうして生じる、ムリムダムラは、働き手からも、サービスを利用する患者様やその家族さんからも、元気を失わせることになりかねません。
働いて、その結果が、単に施設の儲けになって、おしまいというのではあんまりだと思いませんか?
私個人の話をすると、そういう現象がいくらか垣間見える時があって、落ち込んだりもしました。
きっと、多くの施設で真面目に利用者のために働きたいと思っている人にとって共通の話題ではないでしょうか。
こうしたモヤモヤ感、決まりの悪さ、違和感を解決するのは、やはりきちんとした暗黙知を形成できるかどうかだと思います。
この人はこう言う仕事をする人だ、こんなことをお願いしたら解決してくれる、という、そういう認識をどこまで持ってもらえるかということだと思います。
そして、その暗黙知のチェック体制を整えることだと思います。チェックは、患者様やその家族に行ってもらうのが一つ筋だと思います。
ですから、相手がキチンとチェック、評価ができるように『私たちはここを売りにして仕事をします』と、きちんと相手に明示しないといけないと思います。
そして、それが実際に行えているかどうかの確認、チェックは患者様や他のスタッフと一緒に行えたら良いと思います。
そうすることによって、自分がどこを向いて仕事をしているかが周囲に伝わり、周囲から要求されることも、一定の傾向がでてきます。
そうすることによって、ムリムダムラが減り、対象者の方のために使える時間が増えていくはずです。
もうお判りかと思いますが、ムリムダムラをなくして働くために必要なたった一つのことは、自分がキチンと宣言をして働くということです。
そして、それが、人と繋がり、協業するために必要不可欠だとおもいます。社会参加の実現にもつながっていくのではないでしょうか?
こうすることで、大変な面もありますが、自分のやりたいことやるべきことが整理されて、すっきりして働けると思いますよ。


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