なぜ「作業療法士でガンガンやってる人は、研修会を大切にする」のか

作業療法の世界で活躍していると目されている人は、作業療法士の本業と一緒に、研修会を主催したり参加したり、飲み会を企画したり、なんか色々やってますよね。

なんででしょう。

知り合いが増える

他の仕事でも一緒ですが、人との繋がりが活かせる仕事です。

外の人をどれくらい知っているかで、仕事の進捗が変わりますから、必然そのような場に行けるかどうかってのは非常に大きなポイントになるんだと思います。

後述しますけれど、知り合いが多いほど、その人から受ける刺激も多面的になり自分自身の成長にもつながりますし、逆に自分自身がスキルを発揮して、自分の活躍の場所を広げるきっかけを作ることにもなるのではないかと思います。

知識のアップデート

作業療法士の知識は、他の医療職がそうであるように更新しないと錆びます。

錆びるというのは、通用しなくなるということです。

以前、王道と言われていたやり方は、むしろ害のあるもので推奨されないということになることすらあります。

そういう情報は、現状研修会などで、先端の情報を持ってる人に接触しないと得難いというのが現状かもしれません。

お金になる

これは主催したり、主催者から読んでもらえる側の話になるのですけれども。

生活が成り立つまではいかないと思いますが、講演すれば謝礼がもらえるし、主催して人が集まるならば、その繋がりを生かして、新しい企画を進めたりもできるというわけです。

そのつながりで本を出版したりとかすれば、それで印税が入ってくるわけですよね。

お金ってのは、自分がやりたいことを貫くための原動力です。

やりたいことがたくさんある人は、そのことがわかっておられるのかなと思います。

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自分自身という人間の器を強化する

先ほどの卒後教育の話とも一部重複するかもしれませんが、一つの職場で必死になって仕事をしていると、視野が狭窄してしまいがちです。

幅広い視点を持ったりとか、柔軟性を失わないとかいった意味での、自分自身の人間としての器をより大きなものとする、またそれを維持するためには、新しい人との出会いや、新しい事柄への挑戦というのは非常に大切です。

リハビリテーションの本質は、変化に対する挑戦であり、作業療法の本質の一つでもあります。

だからこそ、職業人としてはもちろん、さらなる人間としての成長を目指して、仕事のできる作業療法士こそ、色々なところに飛び回っておられるんだろうなと思います。

自分の知見を広める

作業療法士としての仕事で一番難しいと感じるのは、自分の治療経験や体験を一般化して、他の作業療法士にうまく伝えたり、他の職種や家族に対して、適切な深さで説明ができることです。

新卒の頃に比べれば幾分かできるようになったという自己評価ですが、それでもまだまだ、「相手目線での説明」はできていないように思います。

自分の理解を、自分の言葉で整理し、それを他者に伝える。その人から帰ってきた意見を消化して、相手に伝わるように言葉を返す。

この繰り返しの中で、新しい気づきが得られたり、自分の知見を広めることになります。

これからの作業療法士にはこの能力を徹底して強化していくことが必要なのではと感じています。

コラム やっぱり人材不足

研修会のモチベーションの話とは少し外れますけれど、やっぱり大事な話なので作業療法士の人材不足、特に外に出ていく作業療法士の数は、やはりまだまだ足りていないというふうに感じますという話を書かせてください。

なぜかといえば、自分の周囲で作業療法士の活躍を、一般の人から見聞きすることがないからです。

作業療法士という職業について知っている人は、医療関係の仕事をしたことがある人が圧倒的に多いという状況は、私が就職してからの数年間全く変わっていません。

作業療法士自体の数は増えているにもかかわらず、です。

これは、組織の後ろ盾なくとも、社会に打って出られる水準の作業療法士の数が十分でないというふうに見るのが妥当です。

であるなら、もっと作業療法士は、色々な研修会に出ていく必要があると思っています。研修会に参加する人って結構同じ顔ぶれだったりするので、いくたびに違う人がいるってなると、その研修会自体も面白いし、職場の空気感も変わるかもしれないし、作業療法業界も変わるかもしれません。

その辺、全ての作業療法士がMTDLP(生活行為向上マネジメント)なんかをうまく使って繋がれればいいと思うんですけど、どうもそうなっていないのが現実です。

これはやはりサラリーマン作業療法士が多いことと、MTDLPの学習コストが高いことにあると思います。

便利なテクノロジーがたくさんあるのですから、その辺をうまく活用して、忙しい作業療法士でも手軽で安価に勉強ができるような環境を整えることで、必要な武器をしっかりと持って自信を持って地域にうって出ることができる、そういう作業療法士が増えたらいいな、と個人的には思っております。

そのためにこのサイトを活用してもらえたらいいなというのも個人的な思いですね。

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ライフワーク

研修会に参加するのが癖になっている人も、いるのではないかと思います。

抜けたくても抜けられない的な。

これも、一種の人材不足でしょうか。

 

総括

こうやってずらりと見てみると、やはり研修会への参加を検討するのは、「作業療法士として成長したい」という、何らかの思いがあるからではないかと思います。

そして、作業療法士として自信を持って活躍している人は、自信を持ってひとの集まるところに行ってますし、研修会は結局のところそのうちの一つでしかないということだと思います。

逆説的に、自信を持って作業療法士をやっていきたいと思うなら、ライフワークになるくらい、自分で研修会に関わっていくくらいのことが必要になるのかもしれません。

しかし、作業療法士として必要な技能の全てが研修会で補えると思いませんし、むしろそれらを追求するなれば、学術的な視点の外側から、作業というものをしっかりと突き詰める必要があるように思います。

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コラム 作業の「底」

「底」っていうのは、基盤ですね。

いろんなところで、いろんな遊びを具体的にやっておくという経験が作業の底になると思います。

とにかく、都市部で育つと遊びの幅が狭くなりがちなので、この底をどのように固めるかってのが、作業療法士として楽しく働くための、一つの鍵になると思っています。

まとめ

研修会に行っとけば、研修会に行かないよりは、作業療法士として成長できる。

しかし、作業療法士としての成長は研修会にいくのみにあらず。


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