【新人OT向け】「PDCAサイクル」の必要性は作業療法士こそ知れ

成長したい若手必読の記事です。

ビジネスマンとか、経営者とか、起業家であれば必ず知ってるのが「PDCAサイクル」です。

作業療法士でいうところの、ICFです。要するに知らないと、モグリ扱いをされてもおかしくない常識ということになります。

利益の世界の常識ですが、医療福祉の人が知っていて何らおかしいことではありませんし、むしろ知らないことは損失と考えますので、ご紹介させていただきます。

試行錯誤は重要だ

まず、「PCDAサイクル」の価値を知っていただくためには、試行錯誤の重要性を認識していただく必要があります。

試行錯誤とは、

目標設定のもとに

計画を立て、

実際にやってみて、

その結果を把握して

その評価をもとに方法論に修正を加え、

狙いとする結果が得られるまで繰り返すような行いのことです。

この試行錯誤の重要性は、前人未到の領域で重要性を発揮します。

その理由は、作業療法士が作業療法を行うときに、前人未到、つまり事前に参考とできる資料がない場合には、自分の実践によってどれだけ情報の蓄積を測ることができるか、そしてその結果からうまく推論を導き出すことができるかが、作業療法の対象者にとってより良い、質の高い作業療法を提供するために重要だからです。

要するに、地図のない土地を歩くには、実際に歩けるところを歩いてみて、その道が違ったのなら他の道をちゃんと行けるように、同じ道を歩かないように、自分できちんと地図を作っていかなくてはいけない、そういう話です。

そういうプロセスが無くては、作業療法とは言えません。

作業療法は科学的なだけではいけませんが、まあ、ありはしないと思いますが、どうも科学性のそれがないような介入の話も伝え聞こえてくる有様ですから、やはり試行錯誤は大事です。根拠なき実践はだめ絶対です。

「PDCAサイクル」とは試行錯誤のこと

ということで、なぜ試行錯誤の重要性を前置きしたかと言いますと、PDCAサイクルとは試行錯誤とほぼ同じ意味の業務改善の枠組みなんですね。

ビジネスの世界では常識で、もともと品質管理や生産管理などの管理業務をやりやすくするための考え方フレームワークになります。

PDCAサイクルはその有用性から、実は、いろいろな領域で応用されており、生産性を向上させるプロセスにはもちろん、業務上のリスクを取り除くための試みなどに応用されています。

そしてなんと、最近であれば、ITの分野でソフトウェア開発などでこれらが用いられるようになってきています。

つまり、非常に応用の効く考え方の枠組みということがお分かりいただけると思います。

PDCAサイクルの概要

Wikipediaからの引用です。

PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである。
Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
Do(実行):計画に沿って業務を行う。
Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。
Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。
wikipedia-PDCAサイクル

PDCAサイクルの有用性

このような枠組みはシンプルでわかりやすくて、つまり誰もがみんな使える点で優れていますし、誰がやっても改善する方向に持っていくことができるということは、時間さえかければどれだけ効率が悪くても、必ず改善することができるという点で非常に強力です。

そして、これは変化を肯定するツールでもあります。変化しないことに固執することによって、大した結果を残せないままにズルズルと日々の臨床をやり続けるよりも、しっかりと目標設定して業務改善をしっかりと行う方が、労働をする側の心理としてはいくらか健全です。

そして、PDCAサイクルは競う相手を想定しなくても良い時や、時間の制約がとてつもなく厳しい時などを除けば、とても有用です。

このサイクルを回していけば、人間は必ず進歩できるからです。

知らないで全く進歩できない作業療法士よりも、PDCAサイクルを知っててそれを回し続ける新人の方が、かなり使い物になります。個人的観測ですが、今のところ100%そうなので、多分そうです。ちゃんと大規模な統計で調査したら、同じような結果が出て有意差もでる可能性は高いはずです。

あとは、誰かになんらかの目標とその達成に向けた行動を促す時に、PDCAサイクルを元にした振り返りを行うと、次の行動の指針がわかりやすくて良いというメリットがあります。つまり、他者の指導にもってこいということです。

自分に後輩ができたり、作業療法の対象者の方に自発的な行動を促したい時などには、わかりやすいので非常にオススメできるフレームワークだと思います。

作業療法対象者の方に応用するPDCAサイクル

簡単に対象者の方が体験する作業療法のプロセスを記述すると、

目標設定をして

きちんと実践して

達成する

というこれだけのことなので、バッチリPDCAサイクル回せます。

つまり、

Plan

作業療法士と一緒に、リハビリテーションのゴールと中長期的な目標を設定する。

Do

目標に向けて、リハビリテーションとなる具体的なアクテビティ、活動、作業を行う。

Check

具体的活動の成果を、作業療法士と一緒に現状を確認し、過去や設定した目標と比較して評価する。

Act

必要かつ、可能な改善や修正を加え、計画や次の具体的実践に反映させる。

 

 

という感じです。

どうです、簡単でしょう?

ご覧の通り、MTDLPとか人間作業モデルとかの併用もバッチリです。やったことないけど、ADOCとかも行けるんじゃあないでしょうか。

シンプルなので、いろいろなものと併用するというか、別のものに組み込んで使うことができます。

作業療法を受ける対象者の方の治療過程とPDCAサイクルは、かなり相性がいいのがお分かりいただけたと思います。

作業療法士自身の成長に生かすためのPDCAサイクル

作業療法士の業務でサイクルを回してみましょう。

治療業務

治療に関する業務を分解すると、一人の対象者に対して作業療法士がおこなう業務は、以下のようなプロセスになるでしょう。

  • 作業療法のオーダー・作業療法開始
  • 情報収集
  • 評価・分析
  • 目標設定
  • 介入
  • 目標達成・作業療法終了

オーダーが出てから、作業療法の終了までに共通して必ず行うプロセスに関しては短時間でたくさんの成果を出すことができれば、より多くの時間をかけて作業療法対象者の方へ関わることができますので、対象者の方はより治療的に有利な状態になります。

つまり、何度もなんども繰り返すような業務に関しては、きっちりと改善しようとする姿勢が必要です。この改善というのは、同じような結果であればより短い時間で得られるように、そして、同じ時間を必要とするのならより多くの結果を出せるようにすれば良いということです。

上記のプロセスの中で言えば、情報収集は最も時間を削ることができるところだと思います。

最初に断っておくと、世の中にはどうあがいてもボトムアップ式でやらなければらならず、それこそ、目標設定すらどうしていいかわからなくてPDCAサイクルも太刀打ちできないような事例があるのは間違いがないので、そういう例外はあると知った上で、読んでいただきたいです。そういう場合は、情報収集こそが全てと言っても過言ではないくらいに、情報収集をすることになると思います。

さて、それを踏まえた上でも、最も削るのが情報収集というのは、おかしいと思いませんか。

情報がきちんと十分にできていなければ、介入なんて出来ようはずもないではないですか。

それなのに、情報収集の時間を短縮しろなんて、頭がおかしいと思いませんか?

思いませんか。思わない方は、きっと臨床派作業療法士だと思います。

そう、実際の臨床においては、介入しながら評価して、情報収集をするなんて身体障害領域ではザラですし、人手不足の現実を目の前にした時に老年期のデイケアやら入所施設やら病棟などでは、しっかりと個人個人に関わって丁寧に情報収集評価なんてしないのです。というか、できないと思います。

ひょっとして、どっかに入社してから初めて、その現実を知った人もいるのではないかと思います。ですから、臨床をよく知ってる作業療法士は、なんとか情報収集の時間を圧縮して介入の時間を作るのです。

では、PDCAサイクルがこの場合も無力かというと、実はそんなことはありません。

そう、PDCAサイクルはとりあえずやってみるという実践を、きちんとした正しい方向性、より良い方向性に持っていくためのフレームワークでした。

確かに、臨床経験浅いうちは、評価とその前段階の情報収集に時間をかけるべきでしょう。しかし、ちゃんとPDCAサイクルを意識して業務をこなしていけば、時間の端折り方が見えてきます。

少ない時間で、対象者の方の状態を把握し、どのような働きかけを行うと効果がありそうかということが、だんだんと見えてくるのです。そして、実際にその働きかけで効果があれば、あるいはなければ今はどのような状態なのか、より良くなるためにはどのようなものこと仕組みが必要なのかということがわかるようになります。

その他の業務

そのほか、精神科や老年期であればレクリエーション、行事の企画などプロジェクト系の課題に立ち向かわなければならないことも多々あると思われますが、きちんとプロジェクトとして扱うことは前提になりますけれど、プロジェクトとしてやることっていうのは、手順が決まってるのでPDCA回しやすいですから、業務改善しやすいですね。

新人作業療法士向け応用方

そのほか、テクニックとしては侵襲性の低い関わり、例えば自己紹介などの関わりを行い心理的な関係構築を行うと同時に、その際に事前にカルテや相談員などのスタッフから、事前に収集しておいた情報に優先順位をつけて、目標設定に役立てたりなどして、目標設定を早期に行い、その目標から逆算して必要な評価項目を設定するというトップダウン方式が有効です。

ですので、それをいかに効率よく行うかということにポイントを置いてPDCAサイクルを回すのも、最初の方はありなんじゃないかと思います。

そうしてできた時間が、新しいことを勉強したり、自分がやったことをきちんと振り返る時間に使われるのであれば、その成長が対象者の方にとって良いことですので、まずはその辺しっかりと狙って業務的な成長を狙ってみるのも良いかと思います。

最も、その業務改善が、自己目的化して、本来必要な作業療法の対象者の方への関わりが乏しくなってしまうことの無いように気をつける必要はあると思います。

応用方法無限大

このPDCAサイクルは大層な感じがしますけれども、

コンセプトは単純明快

つまり

きちんと一歩ずつ前に向かって進みましょう

ということです。

困難な事例においても、知っておくことでなんらかの新しい解決を見いだすことができるかもしれませんし、逆に簡単な日常の業務もさらによりよくすることができるかもしれません。

なんとなく、ダラダラと仕事をしてしまいがちな職場やら人にはもってこいのフレームワークだと思います。本当に。

人類に普遍的な考え方なので、他の職種とも共有がしやすいのも利点です。

ぜひ、明日から使ってみてください。

まとめ

PDCAサイクルは、よりよさを追求するためのフレームワーク

成長のための強力なツールなので、作業療法士は使いこなしたい。

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