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作業療法における理論とは何か

投稿者:ひろえもん 最終更新日時:2015年1月19日 01:59

結論から言うと

作業療法を理解するためのものであり、構造化し、言葉によって表現する試みのことです。

理論とは

wikipediaより引用すると

理論(りろん、英: theory, 独: Theorie, 仏: théorie)とは対象となる事象の原因と結果の関係を説明する一般的な論述である。自然科学、人文科学、社会科学などの科学または学問において用いられている。

です。

作業療法は大きなくくりでは、医学にカテゴライズされる事になる訳ですが、自然科学的な要素だったり、社会科学的な要素だったり、あるいは人文科学だったりの成果がそれぞれ何らかの形で応用されるものが作業療法です。

つまり作業療法における理論の役割や意義も何かを説明する事にあります。

理論の必要性について

なんとなく眺めたり体験したりすると一見シンプルすぎて何の要素も無いと思えるかもしれない作業療法は、実はとても混沌としています。

なぜならば、一見シンプルで具体的な介入の中にも、さまざまな変数、要素が含まれていて、さらに厄介な事に、それらが互いに密接に関係し合っており、独立な存在では無いからです。

多数の要素が混沌としているものの、作業療法士がなぜ対象者に作業を提供できるかといえば、そこにきちんと判断材料と、それを処理するための理論を持ち合わせているからです。

もちろん、理論ありきという訳ではなく実践が優先することも多々ありますが、対象者の作業療法の目的に応じた形で、適切な作業がうまく提供できために作業療法の理論はとても役に立ちます。

作業療法における理論は、ある目的という視点から作業を考えるのに役立ったり、OTRが提供する作業が妥当な物であるかどうかを検討したり、あるいは、アプローチの手法を中心にやっている事を説明するのに役立ちます。

フレームワークの概念に似てる

世界有数のコンサルタント会社である、マッキンゼー&カンパニーでは、問題を分析しその解決方法を考え、提案するときに、フレームワークと言われるものを利用しています。

フレームワークとは、たとえば、MECEと呼ばれるような、「もれなく重複なく分類(分析)する」といった考え方のルールのことです。

考え方や、実践にルールをもうけることによって、結果をシンプルにしたり、効率良くそれらが出来る用になります。

作業療法の理論でも同じメリットがあります。

理論を知っていることで、考え方をシンプルにしたり、臨床の現場である程度迷い無く行動できるようになる事も、知らない場合にくらべると増えます。

実践が第一

もちろん理論というものを知っているからといって、その理論が指す内容をすぐに高いクオリティで実現できる物ではありません。

実践の中で、その理論が指し示すところを、具体化していく事が必要になります。

ましてや、理論だけ知っていても何にもなりません。

理論の内容を、実践化する臨床家はそれを解釈し、具体化することが必要になります。

実践だけでもだめ

かといって実践だけでもだめだなあというのもまた事実です。

実践している内容について、人に説明できることがとても大切になります。それが本人、他職種や家族さんとの連携の基本であるやり取りに繋がる事になるからです。

自分がやっていることに対して興味をもってくれるひとにたいして、さっと説明できる方法をもっている事はとても大切なことだと思います。

そのためにも、自分の実践を理論化して、誰かに説明するための基本として、自分自身のオリジナルな理論やそれを記述した論文等を書いていく事もまた必要な事なんだろうなと思います。

自分が有意義なことをやっているのであれば、それをほかの人にも広める事が大切になります。論文は、そのための一つの重要なツールになると思います。

理論の問題点

作業療法を理解しやすくするためという目的とおなじく、理論にはもう一つ目的があります。

それは、物事を言語化し、厳密に記述するということ。

理論を発表する一つの形である論文には、そこに書かれている内容をよめばだれもが再現できるだけの内容が求められます。

そうすると、論文の内容は、出来る限り厳密に書きつけることになります。

厳密に記述して行くと、どういった事が起こるでしょうか。

そうすると、まず、論文を読むこと自体のハードルが上がってしまいます。具体的には、理論を読みこなすために、非常にたくさんの知識や勉強や経験が必要になってしまいます。

それが意味するところは、専門職しか理解できない論文や理論が生産されることになるということです。

さまざまな人と有機的に連携していくことが求められる作業療法という仕事にとってこれはねっくだなあとひろえもん個人としては思います。

一番良いのは、厳密な論文とわかりやすくする概念図や資料集の両方がだれもが利用できる形で一般的に公開されていることなんだろうなあと思います。

    
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