漫画「マギ」が、壮大な自己決定の話だった件

作業療法関係ない作業療法の記事。
漫画大好き。
漫画は、経験したことないことでも、ある程度の想像の余地を残しながらわかりやすく提示してくれるのでいいですよね。
この記事は、サンデーで連載中の漫画「マギ」の壮大なネタバレが含まれているかもしれません。
コミック派の人は注意してください。
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©︎小学館 / 大高忍
本日、発売のサンデーに掲載されている「マギ」がとてもいい意味で衝撃的だったのです。
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自己決定の話を重くなく、かる〜く、でも本質を抑えて提示していて素晴らしかった。

自己決定の重要性

先進的なリハビリテーションでは、当たり前に主張される「自己決定」の重要性。
特に、精神で強調されることが多いですが、作業療法やってる上では避けて通れない話題です。
それに関する本もいろいろ自分なりに読んで勉強したりとかもしてたりするんで、ちょっと詳しい自負はあるし、日々の臨床で常々ぶち当たる話題でやっぱり重要だなと思うんです。
自己決定。
自己決定重要。
これがないと、生活を見据えたリハビリテーションも、生活につながる作業療法も絶対にできないという確信があります。

自己決定の重要性を伝えるのは難しい

でも、自己決定についてのフランク(平易)な説明って難しいんです。
そもそも、自己決定って言葉がまず硬い。
ハードル高いと感じちゃう。
読んで字の通りで、自己決定とは
「自分で決める」
というそれだけのことなんですが、どうしてなかなか、
その重要性を論じる
となると難しい。

「マギ」は名著

こっからちょっと読み飛ばしていただいて構わんのですが、話変わって、あまり、そんなに名作だと思える漫画がないんですよ。最近の連載。
最近の漫画は、昔の漫画の焼き直しだったり、等身大によりすぎて何を描きたいのかがよくわからないテーマのぼやけた漫画ばっかりだったりするのです。
そんな漫画ばっかりの昨今において、ファンタジーものでここまで、普遍的かつ、重要な人間の特性を掘り下げた漫画はあんまりないと思ってます。
人間を描くのが、いちばん面白い漫画のあり方かなーと思うのですが、それができてるのが「マギ」だと思います。
少年漫画なのに、ダークですし、大人こそ読んでて刺激的だと思います。
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©︎小学館 / 大高忍

ストーリー

ついでに、ストーリーも。
ファンタジーです。
アラジンとアリババというダブル主人公が冒険しながら、人間的に成長する話。
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©︎マギ製作委員会、MBS 小学館 / 大高忍
最近は、世界の破滅から世界を守るために、いろいろするという話です。
「いろいろ」は、自分で読んでください。

以下、自己決定の話とネタバレ

文章力無いので、読んで面白く無いと思います。
読み飛ばしていただいて結構です。
最近は、
神というか、世界のルールを設定している管理人と喧嘩してます。
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©︎小学館 / 大高忍
意味不明ですね、はい。
読んでください。
で、その神が、シンドバットとダビデっていう人に書き換わってるんですが、その二人は「属性」として特異点という役割が与えられているんです。
「運命」が見える、という設定なんですね。
つまり、絶対預言者というか、「必ずこうなる」というのがわかるということです。
で、運命の言いなりになるのが嫌だっていうので、自身を特異点に設定している世界の枠組みをハックして、運命の枠組みから外れようとします。
運命をハックしたことで、「人類補完計画」が発動します。
よくある、世界から個々の人類が滅亡する流れですね。
ダビデさんの行動原理としては、鋼の錬金術師のホムンクルスのアレです。
自分が高みに登るためには、なんでも利用して、エネルギー源に変換してしまえというわけです。
で、その目論見の過程で発動した「人類補完計画」をストップさせようというのが、先々週までの流れ。
そして、その危機的状況を打破するために、一人の強力なリーダーを選出する方法論の提示があったのが先週。
ちなみに、神代理のシンドバットさんが直指名。
そのリーダーは、アリババくん。
以上がここまでのあらすじ。
ここまで読み飛ばして結構です。

以下が大事

そして今週、解答編。
強力な預言者に、リーダー指定されたアリババくん。
その指名を派手に蹴ります。
かなり、表現は変えてますが、
曰く
「もっともらしい意見だけを元にして、結論が不確定な状況で、結論決めつけてどうするの?そうならない可能性は、十分存在する」
「別の問題が起こった時に、自分で意思決定してなかったら、自分で決めなかったんだからしょうがないって思うだけでしょ」
「そろそろ、自分の言動は自分で決めません?」
「だから、リーダーなんて引き受けません」
要するに
「ちゃんと自分で決めろ」
って、主人公じゃない人々に促したところで、今週の話は終わりました。

自己決定はなぜ重要か

上記のアリババ氏の発言に、自己決定の重要性の全てが詰まっているように感じました。
結論を「偉い人とか、規則がそうだから」と飛躍させて、自分自身での決定をしないと、その人は自分で責任を取って生きるということができなくなるんですよね。
本来、人が生きるということは、自己決定の連続で、だからこそ、何か問題が起きてもその状況を自分のものとして引き受けて、新しい自己決定や行動につなげることができるんですよね。
あくまで、みんながそうというわけでなく、傾向の話ですけれど、輝いて生きてる人たちはやっぱりしてますよね、自己決定。

患者様とかに読んでほしい

作業療法士ベテランの皆様は、自己決定の重要性はわかっていながら、どうやったらそれが伝わるかに苦慮する場面もあると思います。
若い漫画好きの患者様には、わかりやすくていい教材だと思います。
患者様だけでなく、自己決定の重要性がいまひとつなひとにも是非読んでほしい。
自己決定の重要性がわからないと、人権の意味もイマイチピンとこないはずですし、でもその重要性ってイマイチわかりにくい。
わからないと、リハビリテーションや作業療法の破綻や、人権侵害にもつながる。
自分が決定することの大事さがわかれば、相手を尊重することの大切さや価値もわかりますから、人間関係ももっと円滑になるし、自分で自分の治療の選択に積極的になれるし、パターナリズムも無くなるし。
大事だなーと思います。
ファンタジーを読んでたつもりが、哲学書やら自己啓発本の中核的なエッセンスを不快感なく取り込める名著ですので、ぜひ読んでください。
あるいは、待合室に買ってください。
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