「褒める」を使いこなすことで、モチベーションを高めることができると言うことは経験上誰もが納得するところだと思います。
しかし、きちんとしたエビデンスを持ってそのことを主張できる人は少ないのではないでしょうか。そういった方に参照していただきたい記事です。
生理学研究所の「褒める」の有効性についての研究
生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授らの研究チームが、ほめることで人間のパフォーマンスが向上しうるという結果に至ったそうです。
研究チームは、右利きの成人男女計48人に、左手を使って決められた順序でパソコンのキーボードを打たせ、30秒間で早く正確に入力する練習を12回させた。
続いて、練習結果の優劣に関係なく、(1)自分が褒められる映像を見る(2)他の人が褒められる映像を見る(3)自分の成績をグラフで見るだけ―の3グループに分類。翌日に再びテストし、各グループで入力がどれだけ向上したかを調べた。
その結果、自分が褒められたグループは練習より約20%多く打てたのに対し、他の2グループは約14%の向上にとどまった。
より成果を高めるには「褒める」が重要
上記の研究結果は、「褒める」と発揮される実力が向上しうると言うことを示しています。
「褒める」は、人に何かをしてもらう時に、その成果を高める上で非常に重要であると言うことですね。
「褒める」を上手に行うには
褒められて悪い気がする人はいないものですが、人をほめるということは意外と難しいかもしれません。
頑張って褒めようとするあまり、わざとらしくなったり、結果としてやりとりがちぐはぐになってしまうかもしれませんね。
ですから、普段からそういった「褒める」視点をもっておきたいです。
より具体的には、ほめるためには、さまざまな基準を自分の中に持っておく必要があると思います。
例えば、「~と比べてすごい」という場合もあるでしょうし、「今日は~だね」と、いつもと比較したときの話しをすることもあるでしょう。
比べることは、説得力を増し、褒められる側の受け入れをよくします。もちろん、「普通に比べて」とか、そういう、対象をぼかしたほめ方もあります。要するに相手がやる気になるように褒めることです。
作業療法における「褒める」の重要性
作業療法の対象となる方には、自信を喪失しておられる方も少なくありません。
なぜなら、今までできていたことができなくなっているからです。
そうした方は病前だったり、周囲の人と単純に比較してしまっていることが多いのだと思いますので、違う視点を持ってもらうことが大切です。
例えば「前回のOTの時に比べると、ここがこんな風にできるようになっていますね」などです。
いずれにせよ、作業療法の場面で使うときには、キチンと褒める側の人間がどういうことを目的にしてほめるのかも大切です。自信を回復する一助となるための「褒める」ということ、実はかなり大切です。
自分が、作業療法を提供する際にも意識していきたいと思う点です。
コメントを残す