はじめに
老人は、デジタルデバイスと相性が悪かったというのは今は昔。
高齢者もどんどん、インターネットをはじめとしたIT技術を利用するようになってきています。
という記事の紹介
記事要約
- 記事は東京大学大学院情報学環教授の橋元良明氏へのインタビュー形式
- 橋元氏は、シニア層のインターネット利用に関する調査研究をしている。
- パソコンに全く触れたことが無い高齢者13人にパソコンを貸与し、パソコンの使い方、ネットの利用の仕方を教え、1年間継続的調査するフィールド実験を実施。
- 対象者の年齢は、60歳以上
- 全員が交流サイト「フェイスブック」を使うように
- ネットショッピングを利用することで「非常に生活が豊かになったように感じる」「自分が幸せになったような感じがする」という意見も。
- ネットを始めた高齢者は、交流の範囲が広くなって生き生きしている
- 橋元氏によると、高齢の方にITを教えるときは、順番通りワード、エクセルを教えるよりは、まず、好きな動画を見ましょうとか、こんな面白いサイトがありますよ、というところから始めるべき。
- インターネットを利用するシニア層の6割以上がネットショッピング。
- 3割の人がネットオークション。
- 5割近くがネットでチケット予約。
- ネットをやっているような人はいろいろなものをきちんと理解するリテラシー(読み書き能力、教養や常識)が高い。
記事の内容に触れて
「確かにそうだ」
と思ったのは、
「こんな素敵なことができますよ」
ということが直感的に実感できるサービスを、まずはじめに利用してもらうことの重要性でした。
実際、インターネットを利用したショッピングは、高齢者の生活スタイルや、現実に非常に即した物であり、相性が良いと感じました。
個人的には、退院後の生活を見据えた作業療法のリハビリテーションや、その選択肢の一環として、こうしたITの利用の提案なども考えていけたら面白いのだろうなと思います。
余談
素晴らしい記事でしたが、最後に、既存マスメディアに対する配慮がわざわざ書かれており、これは、余計だったかなぁと思います。
――いまはネット上の信頼できる情報のもとになっているのはマスメディアが集めた情報であることが多いですが、ネットばかりが重んじられると、マスメディアがこれからも信頼できるネット情報の供給源であり続けられるかが心配になります。
橋元 そうですね。新聞社、テレビ局の経営が傾くと、情報収集体制の維持ができなくなります。つまり、外国の駐在員の数を減らさざるを得なくなったり、国内の取材人員を減らさざるを得なくなったりして、ニュースが貧弱になってきます。ネットとマスメディアはバランスよく発展していく必要があると思います。
多分、消費者にとっては、今のテレビや新聞社がなくなったとしても、ネットメディアが新しい形で台頭するか、もしくは、資金余剰のあるグーグルやアップルなどの多国籍企業がメディア事業に展開する形となるので、特に問題ないでしょう。(その移行期に、不具合はあるかもしれませんが。)
本文とあまり関連性のない些末な問題を、一番最後に持ってきてたのは、「余計なこと言わなきゃいいのに」と、もったいないなあとおもいました。
おわりに
IT機器はこれからも、きっと、予想もつかない進歩を重ねるのでしょうが、いろいろな人が使えるモノであり続けてくれたらいいなと思います。
元記事:「高齢者はIT苦手」はウソ ネットが老後を充実 東京大学大学院情報学環教授 橋元良明氏 -日本経済新聞
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