はじめに
アルツハイマー型認知症は、現在社会的な問題として認知され、TVなどで日常的に取り上げられています。
作業療法士協会も、認知症に関する取組みをいくつか行っているようです。
さて、現在のところ、アルツハイマー型認知症は進行性の疾患で改善が難しいとされています。
そのいっぽうで、徐々に改善効果が期待できる治療法も登場しているようです。
ネットの記事で同時に2つ見つけたので紹介します。
一つ目:脳に『ペースメーカー』を設置する
情報源:‘Brain pacemaker’ may slow effects of Alzheimer’s – TODAY Health
このペースメーカというのは、厳密に言えば比喩的な表現なのですが、脳に電気的な刺激をコンスタントに与えられるように、外科的な手法を用いて機械を取り付ける治療法だそうです。
この機会の電気刺激によって、神経細胞の委縮や変性を防ぐことができる可能性が明らかになってきているようです。
アメリカの事例では、症状に確実な改善が見られたとのことです。
2つめ:アミロイドタンパクを酵素で分解
情報源:アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功:報道発表資料|2013年 プレスリリース|理化学研究所 (2022年9月24日現在 リンク切れにてよめません)
アミロイドタンパクが原因とされるアルツハイマー型認知症。このアミロイドを分解する酵素「ネプリライシン」に着目した治療法。
この酵素を産生する遺伝子を、ウィルスベクターを用いて神経細胞に取り込ませることによって、症状の改善を図るというもの。
そういえば、ウィルスベクターは、山中先生がノーベル賞を受賞することとなったiPS細胞の作成にも使用されていましたよね。
今回の発表において、画期的な点は、このウィルスベクターが神経細胞だけに働くようにすることによって、血管に投与するだけで効果が得られることです。これによって、以前のように外科的手法を用いることなく、標的とする脳神経、脳組織にのみウィルスベクターを働かせることが可能になると期待されています。
まだ、マウスを使用した実験段階ですが、コストや安全面の問題が解決されれば十分臨床応用が期待できそうです。
おわりに
現在は進行性のアルツハイマー型認知症。
その治療の常識が変わるその日が待ち遠しいですね。
効果の次第によっては、アルツハイマー型認知症に対する作業療法やリハビリテーション、福祉、行政の在り方も大きく変わるかもしれません。
追記:
こんなものもありました。
アルツハイマー型認知症の事前診断法についての記事です。
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