iPS細胞を使って、てんかんを細胞レベルで再現することに成功

はじめに

約一ヶ月以上前の話ですが、紹介しときます。

「iPS細胞がてんかん研究の推進力となる可能性」記事本文

てんかん 細胞レベルで再現と発表

2013年05月02日 (木)

全身がひきつるなどの発作を繰り返す「てんかん」の患者からiPS細胞を作り出し、細胞レベルで病気を再現することに成功したと、福岡大学などのグループが発表しました。
治療が難しいてんかんで薬の開発に役立つと期待されています。

てんかんは全身がひきつったり、意識を失ったりする発作を繰り返す病気で、患者のおよそ30%は現在の薬では発作を抑えられない「難治てんかん」とされています。福岡大学などの研究グループは、難治てんかんのうち、病気を引き起こす仕組みの解明が進む「ドラベ症候群」と呼ばれる患者の皮膚からiPS細胞を作り出しました。そして、神経細胞に変化させて調べたところ、これまでの動物実験の結果と同じように、神経のネットワークで電気信号を抑える働きが低下していることを確認できたということです。
ヒトの細胞で、てんかんが起きる仕組みを再現したのは世界で初めてだということで、研究グループは、この方法を使えば、さまざまなタイプの難治てんかんの発症の仕組みを明らかにできる可能性があるとしています。
研究グループの日暮憲道医師は「患者の脳の神経細胞を直接研究することは難しく、iPS細胞を変化させた神経細胞を使えば、治療が難しい重いてんかんの新薬の開発につながる」と話しています。

追記(2022年9月24日時点)

この記事の内容の論文がインターネットPDFにて公開されています。

017.indd (neurology-jp.org)

この研究の意義

脳の神経細胞に原因があると考えられているため、研究対象として脳の神経細胞を用いて実験をできるかどうかが、研究のスピードを大きく左右します。

一方で、生きた人間の脳を研究対象にすることは、できません。

iPS細胞由来のてんかん細胞であれば、いろいろな問題が発生しません。

患者様に侵襲性がない、iPS細胞があればいくらでも供給が可能、特定の病態の欲しい細胞が再現できる。

おわりに

てんかんの患者さんが、日常生活をより快適に送れるような薬が開発されれば、いいのになとおもいます。


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