はじめに
作業療法の分野の一つに老年期障害があります。
かつては、精神障害と身体障害の領域が作業療法士が関わる領域として大きかったんですが、ここ最近の高齢社会の現実が背景にありまして、次第に老年期作業療法に従事する作業療法士が必要とされるようになってきています。
病院の中には、認知症治療の専門病棟があるところもあります。
その運営と作業療法士の関わりを実際に見る機会がありました。
で、タイトルのような事を思いました。
二回に分けて書きたいと思います。
一回目は認知症そのものについて、ざっくりと見てみたいと思います。
内容について、誤りや気になる点などありましたら連絡お願いします。
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認知症とは
後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいう。
らしいです。
さて、この知能という言葉が何をさすと解釈するかというところの問題があり、非常に幅広い症例を含む事になる定義ではあるのですが。
まず、有名なのは、アルツハイマー型認知症ですよね。
これは、テレビなどでもよく取り上げられるもので、痴呆症とその昔呼ばれていた時代から典型的な物として、社会的にも認知されていた症状です。
他にも、レビー小体型、水頭症に伴う認知症など、認知症にもさまざまに種類があり、その一つ一つに対して必要とされる治療方針は異なります。
まずこの事が、まだまだ、社会的に認知されていないなあと感じます。
「あれ?」っとなったらすぐに病院へ
どこか、おかしいなと感じるところがあったら、以下のような理由から、ためらわずすぐに病院へいって専門家の診断を当てにしてもらいたいと思います。
理由1 早期発見へとつながる
なにもなければ、それで安心ですし、勇気を出して早めに診断を受けておくとその後の症状の進み具合や生活の質の確保が行いやすくなると思います。
認知症は、進行を送らせる事はできても、進行した症状を改善することは、一部の疾患をのぞいて難しいといわれています。
先ほどからあがっているような、アルツハイマー型認知症も、一度進行してしまうと、現在の医学では改善が難しい疾患ということになっています。
主には、薬物療法、いわゆるお薬の処方がメインになるのですが、人によってはこれで、進行が大分緩やかになることが期待できるそうです。
理由2 心の準備が早いうちにできる
認知症は、がんなどと比較したとき、治療期間が長いです。
当然、本人さんにかかる負担も大きくなります。この負担として、心理的負担はとても大きな物があると思います。
その負担を少しでも和らげるためには、仲間を持つ事が有効といわれています。認知症と診断されてから、どのような工夫によってうまく生活して来れているのかといった体験を聞いたり、なかなか家族に明かす事ができない自分の胸の内を同じ目線同士で交換し合ったりという事が、比較的クリアな時にできることには、その人の人生にとって非常に大きな意味があると思います。
また、家族にとっても、認知症が進行してからの対応を本人と話しあっておく事はその後の手助けのあり方に迷わなくてすむことにつながります。
理由3 利用できる制度について勉強できる
世の中に浸透していないけれども、調べたらわかる社会制度って結構あります。
また、事前にいろいろと書類などを準備し、申請をする事が必要なものもあります。
病院に行って、相談員さんに訪ねることによって、そういった制度を、いざという時にすぐに使う事ができるように、知る事ができます。
きっと、ご自分であれこれ調べるよりも、わかりやすく、役に立つ情報から優先的に知る事ができると思います。
とにかくおかしいなと思ったら病院へ
繰り返しになりますが、認知症の発見は早ければ早いほど、いいです。
絶対に、家族が抱え込んでどうしようもない状態になってから病院を訪れたり、緊急入院することになるよりは、いいです。
当事者と家族という、二者関係の間に、病院やデイケアなどの第三者があることによって、同じ入院という経緯をたどるような場合であっても、より望ましい形で、問題を解決していく事ができると思います。
おわりに
認知症について書くつもりでしたが、認知症を早期発見して、病院へ行きましょうという記事になってしまいました。
ですが、いちOTRとしての本音です。
なかなか、自分が認知症であるということを受け止める事はできないものだということがわかった上で、あえてこんな記事を書いてる事をどうかお許し願いたいと思います。
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