はじめに
自分の見識の狭さには、日々恥じ入るばかりですが、今日また勉強不足を感じる出来事があったので戒めのために記事にして残しておこうと思います。
実は、視能訓練士って国家資格を今日の今日まで知りませんでした。
恥じ入って調べたことをまとめてみます。
きっかけ
ふとwikipediaでoccupational therapyの項目を見てました。
すると、以前見たことの無かった項目が増えてることに気がつきました。
作業療法士(さぎょうりょうほうし、英語: occupational therapist、略称:OT)は、医療従事者(コ・メディカルスタッフ)の一員であり、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、視能訓練士(ORT)と共に、リハビリテーション職と称されるうちの一つである。厚生労働大臣の免許を受けて、「作業療法士」の名称を用いて、医師の指示の下に、「作業療法」を行うことを業とする者をいう。
最初は読み流してたんですが、「ん?」ってなったので、違和感の原因を調べるため読み直してみると、
「視能訓練士(ORT)」
なる項目が。
知らんぞ、そんな資格。
視能訓練士とは
「わからないことは、まずwikipedia先生に聞け」
ってことで、おなじくwikipediaより引用
視能訓練士(CO:certified orthoptist)の定義
「視能訓練士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、視能訓練士の名称を用いて、医師の指示の下に、両眼視機能に障害のある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行なうことを業とする者をいう。(視能訓練士法第2条)
視能訓練士(CO:certified orthoptist)の業務
視能訓練士法に基づき、医師の指示の下に、両眼視機能に障害のある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査、および(人体に影響を及ぼす程度が高い検査として厚生労働省令で定めるものを除く)眼科に係る検査(視力、視野、屈折、調節、色覚、光覚、眼圧、眼位、眼球運動、瞳孔、涙液などの検査、超音波、電気生理学、写真の撮影検査など)を行う。(視能訓練士法第17条)
よくよくみると、ここでは略称がCOになっており、まだその辺も曖昧なんだろうなってことがわかります。
wikipediaにはこれだけしか書かれていなかったのですが、とりあえず国家資格であることがわかりました。
ならばもっと詳しい情報があるはず。
さらに詳細に調べてみました。
職能団体発見
作業療法士には、JAOTがあるんだからと検索してみたら見つかりました。
通称 JACO
ジャコとよむ人もいるようです。
なんかかわいいですね。
本題とはそれますが、サイトを見てもらえばわかるのですが、とても網羅的かつ機能的なサイトです。サイトマップなんか見なくても直感的にいろいろな情報にアクセスできるのでいいなーと思いました。
日本作業療法士協会のwebサイトもこーいう作りにすれ…げふんげふん
さておき、とりあえずこっからいろいろ情報を抽出してみよう。
歴史
昭和46年に制定された「視能訓練士法」という法律に基づく国家資格。
平成になる前あから存在した資格らしいです。
本当に、
な ぜ し ら な か っ た。
▼昭和30年 2台のSynoptophoreがDr.J.R.Andersonより寄贈され、日本における斜視学がはじまる
▼昭和32年 視能矯正専門職誕生昭和35年斜視、および弱視の会、弱視斜視研究会発足、医療制度調査会委員発令
▼昭和39年 第1回ORT懇談会開催(名古屋)昭和40年厚生省に「ORT.ST等身分制度研究会」発足
▼昭和41年 視能訓練士講習会開催(大阪)
▼昭和42年 第1回ORTの会開催(岡崎)
▼昭和43年 日眼、視能訓練士認定試験の実施を決定、ORT部会意見書提出
▼昭和44年 第1回視能訓練士認定試験を施行し、85名が合格
▼昭和45年 国立小児病院附属視能訓練学院開校(平成13年に病院の統廃合で閉校)
▼昭和46年 視能訓練士法成立、第1回視能訓練士国家試験実施
▼昭和47年 日本視能訓練士協会発会式および第1回研究会開催(岡山)
▼昭和53年 第3回国際斜視学会(ISA)が京都で開催され、多数のORTが参加
▼昭和56年 国際視能矯正協会(IOA)に加入、日本視能訓練士協会創立10周年記念式典開催(東京)
▼昭和62年 第1回(通算28回)日本視能矯正学会開催(東京)
▼昭和63年 日本視能矯正協会解散総会社団法人日本視能訓練士協会設立総会および記念講演会開催(東京)事務局を東京千代田区に設置
▼平成2年 事務局を東京都杉並区に移転 東京でIOA代表者会議開催
▼平成5年 視能訓練士法改正
▼平成7年 国際視能矯正学会を京都にて開催 視能訓練士研修生受け入れ開始 (財)国際医療技術交流財団
▼平成9年 視能訓練士実習施設指導者等養成講習会開始 (財)医療研修推進財団日本医療技術者団体連絡会に加盟
▼平成13年 視能訓練士専任教員認定制度開始
▼平成14年 賠償責任保険制度加入
▼平成18年 元視能訓練士協会会長、川村緑氏 旭日小授章を叙勲 事務局を東京都千代田区に移転 視能訓練士生涯教育制度開始(新人教育プログラム開始)
▼平成22年 視能訓練士生涯教育制度 基礎教育プログラム開始
こんなお仕事
以下のような仕事をされているそうです。
眼科一般検査 … 視力検査などが含まれます。
視能矯正 … 機能回復訓練とそれに付随する検査
検診 … 3歳児健康診査など
リハビリ指導 … 補助具の選定など
視能訓練士の方は、主に眼科で働かれてるようです。
資格取得の手段
以下の3つのいずれかで受験資格を得た人が、国家試験を受験して合格すると視能訓練士としての資格を得ることが出来るそうです。
高校卒業後、指定された視能訓練士養成施設で3年以上必要な知識や技術を修得する。
大学や短大、または看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修したのち、指定の視能訓練士養成施設で1年以上必要な知識や技術を修得する。
外国の視能訓練士の学校を卒業し免許を取得した者は、する免許を受けた者で、日本の養成学校で学んだのと同等の技術があると厚生労働大臣が認定した者。
ってことは今の制度でいえば、作業療法士の資格を持ってる人は、一年プラスで養成校に通えば視能訓練士の国家試験の受験資格が得られそうですね。
生産性
どれだけ点数を稼ぎだせるか?
大体100万円/月くらいになるそうです。
年間だと1200くらいかな。
参考 http://www.jaco.or.jp/app/webroot/iin/seisan.html
おわりに
高齢になってくると、いろいろな機能が低下します。
その中には、視機能ももちろん含まれるわけです。
高齢社会と言いわれて久しい日本です。
作業療法士として働くキャリアの中で視能訓練士とも、密接な連携が求められる日はそう遠くないかもしれません。
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