はじめに
とある作業が、本人のデマンドであっても周りからみて、さまざまな問題を引き起こしそうな場合なかなか、ソレそのものを支援するのは現実的ではない。
そんなジレンマを解決した、模範的な事例を見つけたので紹介。
事例
運転をやめない認知症男性がいます。
どうしよう?
介入の方向性
認知症が進行すると、運転をすることのメリットよりもリスクが高まります。
大きな事故となる前に、運転をやめてもらう必要性があります。
しかし、運転のスキルはその人の社会性や、行動範囲と密接な関係性があります。車を運転できることで、郊外の店に買い物に出かけたり、旅行が出来たり。
運転の中止はそうした事が出来るという状態を禁止するわけで、対象者に強いストレスがかかること必至です。
その辺を含んだ介入が求められるはずです。
模範事例
今回の記事はこちらのツイートを参考にさせていただきました。
運転をやめない認知症男性。家族が運転卒業式を開催。「長い間安全運転ご苦労様でした」と孫から感謝状+記念品贈呈+写真撮影→床の間に飾る。車を譲渡、空いた駐車場にはご近所との歓談用ベンチ。「俺の車どうした?」と聞くたび妻は記念写真を指差し「そうだったな」と納得。参考例として。#認知症
— satomi inoue (@satomiot) 2014, 7月 3
ありがとうございました。
思ったこと
運転卒業式とはすばらしいアイディアだと思いました。
認知症になると、いろいろな事を忘れてしまいがちです。
しかし、多くの人を巻き込んでイベント化し、さらに写真や記念品、感謝状など「目に見えるもの」をたくさん残すことで、「運転してきた人生に区切りをつけた」という記憶の想起を強化しています。
また、イベントを導入することで、対象者のさまざまな感情を喚起することができ、それが記銘を強化することにもつながっています。
本人にとってネガティブな要素ともなりえる「運転の中止」に「楽しい想い出」というポジティブな要素を付加することで、心理的なリスクを低下させたすばらしい解決法だと感じました。
おわりに
こんなイベント企画ができる作業療法士に私はなりたい。
そのためには、色々な人とおつきあいし、その関係性をより良い方向に持っていけるようなマネジメントがデキルための人間的な成長が必須だと感じました。
ちなみに、大手ネット書店ではこんな本が人気みたいです。
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