はじめに
子供を塾に行かせたとして、たいてい親の期待を裏切るのは子供達が積極的に知りたいとか、モノにしたいとか思っていないからです。
作業療法として、何かを対象者と一緒に行う場合も同じで、どれだけ「できるようになりたい!」とか「ほしい!」とか思ってもらえるかで、時間の価値が大きく変わってくるはずです。
「意欲を見落とす」という落とし穴
対象者の意欲が大切なのは言うまでもありません。
学生時代に、そんなん当たり前じゃんとおもっていた事ですが、いざ自分が臨床の場に出るようになると結構ハマりがちな落とし穴です。
実践の中で、やるべきことばかりに頭を使っていたら、そっちまで頭が回っていなかったっていうのは、一年目に働いていたとき、結構在ったりしました。
「意欲を引き出す」は言うほど簡単じゃない
作業療法が、治療として実際にやらなければならないことや、そのための考え方自体は結構シンプルです。
本人が、興味関心のあることや、本人にとって大切なことの重要性を共有し、それを使ってできることをすれば良いだけだからです。
しかし、具体的に行う活動(アクティビティ)について、どんな風に対象者にメリットを感じてもらうかという部分、いわゆる「プレゼンテーション」の部分が一筋縄ではいかないなと思うのです。
「感じ方」の問題なので、あたりまえですが人それぞれ一人一人違います。
それに合わせて、同じ活動をどのように提供するかという提供までの道筋を変えていく必要があります。
逆に言えば、そこまでこぎ着けてしまえば後は、一年目の新人や学生でもこなすだけなら四苦八苦しながらでも成果を出せるくらいの難易度にはなります。
ひろえもんは、結構安直に「意欲を引き出す」という言葉を使っており、非常に反省するべきところです。
それはやっぱり、「意欲」というのは感性、感覚のモノであって理屈で捉えようとする傾向の強いひろえもんには、修行の必要な領域だと思うからです。
「意欲」的になるには、あるいはなってもらうには
「こうかな」「ああかな」「このひとこんなことをがしたいかな」と感覚的になれるのが一番ですが、理屈っぽい人にはどうにも苦手な部分だと思います。
そんなOTRにとって手っ取り早いのは、自分が嫌なことをどうやったら意欲的にすすめられるかなと、自分の問題としてとりこんで、その問題を解決するための具体案をあれこれ試してみることだと思います。
ためしてみて自分が意欲的に取り組めるようになったことがあれば、それを今度は実際の現場で対象者に再現してみると良いと思います。
「まず隗より始めよ」です。
おわりに
きっと学生さんにも、ひろえもんと同じような人はたくさんいると思います。
「感覚」「感性」大事です。
特に実習中の方はそのあたり見直してみると、プログラムの実施や変更を含めた介入が驚くほどすんなりできるようになるかもしれません。
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