はじめに
存続する中小企業をいろいろとながめて、その特性について考察してみると一つのポイントが浮かび上がってきました。
そのポイントって作業療法にも通じるところでもあります。
あるいは人生全体にも通じるところだと思います。
人生をどのように捉えるか
刹那的な生き方には、ひろえもんは個人的にすごく憧れます。
その時点での最良を選択できるように、努力する。
その結果として、最良の未来につながるという生き方。
そんな生き方ができるなら、かっこいいなとおもったりします。
でも、それで結果が出るのはとても才能に恵まれた人だけです。
ぶっちゃけ。
能力的に平均値付近だったり、そこから少し能力がある程度だと、最良の積み重ねが結果として停滞に繋がることも少なくないです。
企業に関しても同様で、たとえば百貨店なんかにしても、今までの成功モデルで最善を選択していったら、世の中に置いてけぼりを食らってしまったり。
普通の人が、より良い未来を選択するには、刹那的な視点だけでは不十分なのだと思います。
連続的な視点
普通の人が結果をだすためには、現在を将来に連続する物として線の視点でとらえ、色々な取り組み(準備)をしておくことが欠かせません。
そうすることによって、将来起こる問題を軽減したり、そもそも問題が発生し得ない状況をつくりだすことができます。
冷蔵庫の中に食べる物がなかったら、買い物に行くか、外食に行くかするしかないわけで、きっとそのために出かける準備をするとおもいます。
化粧をするなり、外出できる服装に着替えたり、車の鍵をとりにいったり、財布を準備したり。
そういった行為は、その時点で結果をもたらす物ではないですが、食事にありつくという結果のための重要な準備。
空腹という問題を解決するために、現状とのギャップをうめる視点が必要です。
それが、線で捉える視点だとおもいます。
意味のある線を描く為に
方向性を示す為には、点と点を結んで線を描ける必要があります。
そのためには何が必要でしょうか。
現在と言う点と結ぶ為の、具体的な将来像が必要です。
このあいだテレビに出演していた会社の社長さんは、中小企業の下請けとして部品を作っていましたが、価格決定件が無いうえに、商品の納入先となる会社が減少する状況にでくわしました。
で、どうしたかというと、自社ブランドを立ち上げて製品を作成し、それを直接売ることにしました。
これによって、じり貧な状況から脱却し、この社長さんの会社は利益を確保し続けることが可能になった訳です。
このポイントは、上記の現状の中での最善を模索するのではなく、違う枠組みを準備することが出来たこと。
現在の状況の先に、破産という結果が待ち受けているだろうことを予測して、それに至る前に新しいビジネスを開発したことによって、お金を稼ぎだすことが出来るようになりました。
その枠組みを準備できたのは、将来像がイメージできたからに他なりません。
しっかりと現状を踏まえるだけでなく、現在から線を結ぶ先となる将来像を見据えていくことが、価値ある仕事や人を育てていくことに繋がっているのだと感じました。
作業療法との関連性
さて、上記の内容ですが、どこかでみたことないですか。
これって、実は、評価と目標設定ですよね。
存続できる企業は、優れた現状分析と、未来予想、想定される問題とその解決の手段を持っています。
同様に、すぐれた作業療法士は、適切な評価とそこから導きだされる目標、それを達成する為のプログラムの立案が巧いということになるのではないでしょうか。
基礎となる力
評価と目標設定の基礎となる能力について、作業療法士個人のレベルで考えた時、それはいったいどのようなものでしょうか。
ひろえもんは、それらは、今の自分について把握する能力と、自分がこうなりたいという将来像を明確にすること、そのために自分がするべきことを実行する能力だと思うのです。
そしてそれは、簡単なことです。
たとえば、明日仕事に着ていく服が無い。だから、寝る前にちゃんと洗濯して干して、明日までに着ていけるようにする必要がある。
と言った感じで、日常生活の中で行っていることです。
あとは、それをちょっと意識に上らせて、きちんと言葉にしてみることだと思います。
少々、面倒くさいというか泥臭いですが、この繰り返しが臨床場面の実践できっと生きてくるはずです。
おわりに
上記のことは、企業のみならず、コンサルティングやマネジメントの基本とも重なるところがあると思います。
そればかりか、人生を豊かにするための技能でもあると思います。
そして、人を幸せにすることが出来る能力でもあると思います。
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