はじめに
有効なアプローチだったり視点だったりを、発表して他の人と共有するのって簡単なようでかなり難しいことだなあと思います。
いろんな先生の素敵な発表を見るにつけ、「こんなことが大切なんじゃないかなあ」と感じたことをまとめてみます。
コメント欄にて、突っ込み大募集。
まず「気がつく」こと
「あれ?」と疑問をもち不思議がってみることが大切なんだと思います。
自分なりの視点や考え方で、それを分析してみること。
時間がかかることなので、ついついとおざけてしまったり。
現状に満足してしまったり。
そもそも、言語化が困難な領域で仕事をしているせいか、ついついそんな状況に陥りがちです。
日常業務のふとした引っかかりを大切にして、きちんとその分析に力を入れることが公表するに足るネタを準備するためには必要不可欠だと感じています。
公表への「モチベーション」
自己顕示欲でも何でもいいのです。
とにかく、自分のアイディアや発見を誰かと共有したいという強い思いが必要です。
なぜなら、公表するための準備は、地味でめんどくさい作業が多いからです。
実習の成果とも言える、「評価レポート」について「二度と書きたくない」と言っているOTRの友人は多いですが、ひろえもん個人としてはそれが「地味でめんどくさい」作業だからだと思っています。
それを乗り越えるだけの「モチベーション」が必要です。
自分の何気ないところからのアイディアが他の人が困っているときに活用されて、それで誰かが幸せになれるって素敵なことですよね。
そんなことをモチベーションにしてもいいかもしれません。
推敲の遂行
人は話すときについつい自分の言葉を使ってしまうものです。
それは、相手にとってはよくわからないことばかもしれません。
自分にしかわからない言葉で発表することほどムダでむなしいことはありません。
極端に言えば、英語しか分からない人に、日本語で理屈を説明しても無意味なのと同じです。
せっかく頑張って、書いてまとめたのに、誰もその素晴らしさを分かってくれないとしたら、多分その次はないでしょう。
モチベーションが続きません。
自分自身の経験を振り返ってみても、分かりやすい言葉に置き換えたり、シンプルな文章にすることで自分自身気がつかなかったことがみえてくることもあるように思います。
魅力的な論文というのは、だれもが分かりやすい言葉をつかって書かれていたり、主張することがシンプルだったりします。
とにかく分かりやすいのです。
だから、推敲をがんばることが必要だと思います。
この段階で、他の人から違う目で意見をたくさんもらえるかどうかというところは、発表の善し悪しにずいぶん大きく関わるのではないでしょうか。
一般化をねらう
自分自身の具体的な内容を書くだけでなく、他の人が使えるように一般化することにはとても意味があるなと思います。
具体的な事例から、ポイントを抽出して抽象化すると、それはモデルになります。
次に、同じような構造の問題に自分が出会ったときに、すぐに解決の糸口を見つけることが出来たり、だれかとその糸口を簡単に共有できるようになります。
自分自身の実践の根拠ともなり得るので、この一般化までこぎ着けることが出来るかどうかはとても大切な視点ではないでしょうか。
疑問の解決方法を知る
この言葉を使ってしまうと、一気に取っ付きにくさが増すのであんまり使いたくなかったのですが、他にふさわしい言葉も見つからなかったので使わせていただきます。
疑問を解決するというのは、すなわち「研究」です。
研究と聞いて、「難しそう」という印象を持つことは仕方の無いことだと思います。
実際、疑問を解決するのは難しければ難しいほどに価値があると見なされます。
疑問を巧く解決するためには、その疑問がどういう構造の物なのかをきちんと分析し、適切な研究手法を選択する必要があります。
良く言われる大きな分類としては、「量的研究」と「質的研究」があると思います。
少なくとも、この二つの特性と違いはきちんと把握しておくことが、価値ある公開のネタを作れるかどうかの大きな鍵であることは間違いないと思います。
よくわからない場合には、大学とかの作業療法学の権威に聞いてみるのも手だと思います。
優秀な先生であれば、その辺の手法については、きっと丁寧に説明してくれるとおもいます。
おわりに
自分のアイディアや実践を公開まで、こぎ着けるのはかなり骨の折れる仕事です。
心も折れそうになることは多々あると思います。
ですので、やっぱり一番大切なのは、公開までのモチベーションをいかにして高い状態で維持し続けることが出来るかだとおもいます。
そういう意味では、著名な医学雑誌への掲載を目指してみるというのも、一つ有効な手だてかも知れません。
あとは、誰か仲間と協同研究するとか。
いずれにしろ、たくさんの賢いOTRやOTSの皆さんの面白いアイディアがもっともっと世の中に出回ったら、この世はもっと面白くなるんだろうな、そう思う今日この頃です。
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