8050問題
精神疾患関連の施設や病院で働いている方や、家族以外はあまり身近に感じられないことかもしれません。
認知症が大きく取りざたされている影で、精神疾患関連の関係者はみんな高齢化しています。その結果、昔から、業界人の間で予想されていた事態がとうとう現実のものになりつつあります。
障害者の方自身の高齢化、その方に取っての強力な支援者であった家族も高度に高齢化し、障害者の方の援助の担い手が不在になり、地域で生活出来なくなるというのです。
引きこもりである精神疾患の方を養う親が80歳、当人が50歳に差し掛かっているということで8050問題という呼び方をされています。
8050問題の今後
親などの援助者の高齢化に伴い、精神障害者の方への支援は、今後公的な団体などがになっていくことになると思います。
が、その移行がズムーズに行える環境は全く整っているとは言い難いです。
家族が、病気に対する知識がなく、また病気を近所や地域に秘匿することも少なくないのでしょう。
この辺りに、認知症と同じ匂いを感じます。
自分の弱みはオーブンにした方が周囲が助けてくれるという体験が、日本人には足りないのかもしれません。
それから、困った時にちゃんと知ろうとする姿勢も足りないのかもしれません。
そうなってくると、今後適切な支援に繋がれない方が増えて、そういった方は地域で暮らせなくなって、病院暮らしをする方が増えるのかもしれません。
国が目指す方向とは完全に逆ですが、そうなっていくのかもしれません。
ひょっとすると国としては、高齢化して施設に入ってしまえばいいやとすら思ってるのではと、そういう疑念すら抱いてしまします。
ギリギリまでがぞくが頑張れっていうのは、まず間違いなく思っているのでしょうが。
いち作業療法士としては
作業療法士としては、やっぱりアウトリーチが足りないがためにそういうことになっているという見方をしてしまいます。
ノウハウも人も、つまり質も量も不足しています。
病院関連の予算を削って、訪問看護やら、居宅支援サービスやらにしっかりと予算をまわしていくことが一つの手段だと思います。でも、根本的な問題としては、作業療法士の数自体が足りていないのでひょっとするとあんまり意味がないかもしれません。
なんでアウトリーチに人材が不足するかというと、作業療法士のやる気の問題もあるかもしれませんが、教育の体制や、広報の体制が整っていないからだと思います。
いきなり地域に出て、頑張れる人っていうのはかなり優秀な人材です。いわゆる即戦力です。
ああ、いっそ、そういう即戦力が集まるような、学生を集めるのもアリですよね。
終わりに
結構、対応待ったなしのこういう問題があることは、知っておいた方がいいのかなと思います。
間違いなく行政の力がないと解決できない問題ですから、多くの方に知っておいていただく必要があると思います。
公式ページ:http://www.nhk.or.jp/baribara/lineup/160501.html
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