作業療法士が用いる、「作業」ということば
作業療法士が用いる「作業」という言葉は普通の作業と意味が違うのです。
そういう説明をされても、しっくりこないと思います。
そこで、最近は「作業」を「生活行為」と言い換えたりしてます。ようするに「作業」という言葉は、「人間の行う活動」くらいのざっくりとしたイメージをもっていただければ、あたらずともとおからずです。
そこから、ちゃんと限定するとしたら、たとえば「作業」を行う主体である人自身にとって何らかの意味があることは「作業」になります。 そんな「作業」を、対象者の人がより良く生活できるようにうまく用いるのが作業療法士の仕事です。
うまく作業を行ってもらうには、把握しないといけない変数がたくさんあるので、本当にクオリティの高い作業療法をするためには感覚的な要素と論理的な要素の両方を高いレベルで統合できる必要があります。
要するに、頭デッカチでも、なんとなくでもだめです。
そういう、いろいろな要素をたくさん詰め込んだ言葉が「作業」です。
作業療法の実践には、 クリエイティブな発想と、実行力、マネジメント能力が求められます。
余談ですけれども、そうして必要な能力と比較した時の作業療法士が得られるお 給料は、全く割に合わない仕事だと思います。
そんな作業をもちいておこなう作業療法ですが、実践の内容からかけ離れたイメージを持たれてしまうことがあるようです。日常語としての作業という言葉が持つイメージが影響しているのは間違いありませんが、やっぱり仕事とか、単純作業とかそういうイメージによっていくところがあるのが残念です。
その辺もきっちりと作業療法士が実践を伴って、社会に対して説明をしていけるかどうかが大きなポイントになるのだとおもいます。