具体的な行動を切り取って、言語化して、自他共に確認できるようにして、次回の行動に活かす。
これが、本当の意味での「勉強」だと思います。
机の上で、行う勉強は「勉強」の一部でしかないと思います。
作業療法は、「それ」を支援するリハビリテーション技術です。
具体的な体験を通して、どうすればより良い結果になるかを、試行錯誤したり、考えていることを実際にやってみて、自分の頭の中のイメージとのズレを修正したり。
認知行動療法が話題になる前から、パイオニアの先生方の何人かはその効果に気がついて、介入の手段の有効な手立てとして、治療法を確立されてきました。
そこには、その先生方の人生の中の具体的な経験の蓄積が背景にあったわけで、加えて、そこに自分の経験を言語化して整理するという作業もあったと思われます。
若い世代の作業療法士は、人生経験が、作業療法の対象となる方よりも少ないかもしれません。
作業療法の強みを引き出すためには、まず、自分自身に対して、作業療法を行ってみるという視点が必要になると思います。
例えば、自分が苦手だと思っていることをなんとかしてできるようにするには、どうしたらよいかということを考えて、試行錯誤しながらそれなりにできるようになるまで、継続するとか、そういう体験です。
その中で、自分の中に沸き起こってくる感情をうまく処理しながら、効率的だったりモチベーションをうまく保った状態で、試行錯誤するためのノウハウを身につけていけたら、臨床で非常に役にたつと思います。
つまり、作業療法士にとって大切なのは、臨床を振り返って次に活かすことであり、その考え方を自分の日常でも使ってみて練習をしておくということなのではないかという、そんなお話でした。
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