名著の序より。
初めの書き出しには
作業療法の源流の初版が刊行されてから16年の歳月が過ぎた。あの本が出た1975年当時は理学療法士、作業療法士法が施行され、作業療法専門職の資格認定制度ができ、新しく誕生した作業療法士が、まだその数は少なかったが、我が国の医療施設で行われてきた旧式の、「患者作業」を改革するために苦闘を続けていた時代であった。
つまり作業療法と言う名前で現在とは異なる作業療法が行われていた時代があったと言うことです。
このことは作業療法の教科書に書いてあることではありますが、若い世代の作業療法士にはあまり興味関心を持たれておらずそうした事実を知らない作業療法士がいることも事実です。
しかしこのことが作業療法の保険点数間の時に大きな足かせとなっていたと言う事は、これから先の作業療法士と言う資格とその仕事について考えを馳せるときにいち作業療法士として知っておくべきことでしょう。
また現在理想的な作業療法として語られるのは次にあるような作業療法ではないでしょうか。
患者のニーズに見合った、きめの細かい、バラエティーに富んだ作業療法
これができたら、患者様はきっと笑ってくださることでしょう。
そして、作業療法のあり方について次のように述べています。
作業療法は今、すべての障害者の全人的リハビリテーションの専門分野としてその地位を確立したし、その守備範囲は施設から地域へと展開している。また作業療法士が病気や障害の医学的識別を超えてすべてに共通する作業療法の担い手として広範なリハビリテーションの領域で活躍している。
この動きが、より一層活発なものになれば良いと願わずにはいられません。
同時にまだまだその動きが不十分だと言う風にも感じています。
これから地域で患者様をあるいはその家族を支えていくと言う時代を迎えるにあたって作業療法士はもともと地域で働けるようにならなければならないと思っています。
そう言う意味で、非常に示唆に富むはじめ書きだとおもいませんか?
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