2017年の末、日本の作業療法(OT)は割と崖っぷちだと思う13の理由

今年までの経験の作業療法の上っ面で、若手風情がわかったようなことを勘違いして書いた記事です。ご無礼仕ります。

先が見えないと言う若い作業療法士が多すぎる

作業療法(OT)が発展するためには、若い作業療法士が、どの程度活躍できる余地があるかが大切だと思っています。

就職して3年すると、その仕事がどんな仕事なのかが見えてくるものです。

日本全体がそうですし、どの企業も将来が見えないので、作業療法だけがそうと言うわけではありませんが、しかし、3年勤めて作業療法がよくわからないと言う作業療法士多すぎませんか。

将来が見えないという作業療法士が多すぎませんか。

若い作業療法士も、将来に向かって自分でアクションを起こしていくことが必要だと思います。

そして、その仕事をより多くの仲間と共有する取り組みを始めるべきだと思います。

しかし、そうはなっていない。

そうなる気配がない。実際に始まっている取り組みが、若手の作業療法士に届いていない。

作業療法の臨床に限界を感じて教育へ行く人が少なくない

作業療法士のうち、教育を志す人の全員がそうではないことは断っておきます。自分の作業療法の研究のために、教育機関に身を置く人もいるでしょう。

しかし、能力の高い作業療法士がこぞって教育に行くのを見るとなんだかなあと言う気持ちになります。

作業療法士のキャリアプランとして、一番儲かり安定していて、将来性が見えるのが教育ってなっちゃってるのも大きいかもしれません。

しかし、業界の構造としてはよろしくないと思います。

人材の交通整備が必要です。

しかし、そのようにはなっていない。

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作業療法士の多くが働く病院のパイは縮小する

作業療法士は、病院で働いている人が多いです。

一方で医療保険も介護保険も、生活保護も、今後社会の中の労働人口が減少するので、削られることになると思います。

給料は絶対に増えないので、そのへんは多くの人がなんとなく重怠い雰囲気を感じているところなのかもしれません。

業界全体としては、病院勤務の人が多いので、あんまり元気がなくなって行くかもしれませんねん。

作業療法を必要とする人は、必ずいるにもかかわらず、です。

新しい提案をできる人が少ない

若い作業療法士も、中堅の作業療法士も、リスクテイクするのが難しい。

安定志向ではイノベーションは起こりようがありません。

危機的状況をなんとかすることができるのは、イノベーションだけです。

イノベーションとは新しい仕組みや人のライフスタイルを作り出すような新しい提案のことです

サラリーマンとして働いているのみでは、新しい挑戦は難しいと思います。

その挑戦は、新しい提案を社会に行うこととセットですが、その余裕がないように見えます。あるいは、作業療法士には血の気が足りないのでしょう。優しいですから。

ITへの依存が低い

作業療法士を結婚を境としてやめる人もいます。

そして、別の仕事をする人も。

残念なのは、積極的にやめる人よりも、後ろ向きな理由でやめる人がいることです。燃え尽き症候群と、職場の人間関係を理由とさるる人が多いですよね。

前者は、とにかく忙しさ。

書き物とか、書類とか、そう言う仕事で、疲弊する人が多すぎる気がします。

できること、仕事量、マンパワーに対して、実際の仕事が膨大であるならば、優先順位をつけて、できる限りITにぶん投げて本質的な仕事に集中することが必要だと思います。

本来的にやるべき仕事は、対象者の方の生活をより良くする可能性に賭けることであり、その他は本来オプションですから、自動化できるものはどんどん自動化するべきです。

後者は、職人気質がいきすぎてたりする場合でしょう。

「上の人が言うから、何も言えない」につながるリスクがあります。

これでは、作業療法対象者の利益を優先できないと思います。

若手のやりがいを削ぐ要因の最大のものがここにあると感じています。

組織の風通しを適度に良くするには、号令が重要ですし、合理化も必要でしょう。

そして、そのためのツールとして、ITは非常に強力なツールです。

資源の再利用性が低い

具体性が高いと言うことは、再利用性が高まれば、勝負ができると言うことです。

資源の再利用性が高まれば、大きなコストカットにつながり、顧客である作業療法対象者の利益が増えると思います。

子育て世代が仕事を気楽にできない

作業療法士は、女性の割合が多いのですが、仕組みが女性向きじゃない。

女性のライフスタイルに合ってない。

女性の感性に合ってない

であるからして、

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作業療法士の前に立つ女性が育成されない

女性の割合が多い組織なのに、上に立つための技術やスキルを身につけている女性が少ない。

トリッキーでユニークな男性ばかりが目につく現状。

パイオニアクラスの面白い女性の作業療法士はたくさんいるのです。

その先生がたのせいで、ハードルが上がりきってしまっているのかもしれません。くぐればいいのにね、

堅実な現場の結果が、きちんと上に上がっていかないことが、その原因ではないかと思います。堅実な結果を出している作業療法士はたくさんいるでしょう。それをきちんと表現することが十分でないと思っています。

そして、自己主張をすることは、悪いことではないのですが、性分ではないのでしょう。何分にも「人の組織」には合わない性分ということです。

作業療法士は言葉で語るより、背中で語る方が得意なので、そこをもっと補うような何かがあればいいのです。

「それ」がないのです。

現状、仕組みとして、学会発表という仕組みがあります。

が、そのためのコストも捻出が難しいというのが、今を生きる女性作業療法士の実際なのでしょう。

この辺の支援がないのがヤバいですよね。

今の作業療法は複雑すぎる

世の中がシンプルであれば、作業療法はシンプル。

今の世の中は、情報量が増えてどんどん複雑になる。

作業療法が世の中に焦点化しすぎれば、作業療法に必要なコストは際限なく上昇して行くことでしょう。

そうなれば、再現性はどんどん低下して行くこととなります。

学習コストが高いと、新しい人材は育ちませんゆえ、結構深刻な問題なり。

人間の本質は変わらない

焦点を当てるべきは、人間とはどう言う生き物なのかと言うプリミティブなところと言うところは、作業療法の原点とも言うべきところで、ぜったに動かしてはいけないところだと思います。

結局のところ、そこから意識が遠のいていると、作業療法は力を失うでしょう。

エビデンスとは、何に対するエビデンスなのか、そこが人間の本質に結びついていないと、作業療法はとんでもない危機に瀕する、でしょう。

確かに、社会経験の少ない新人類が、作業療法士になると色々大変なので、上の世代の中堅作業療法士はつくづくそんな世代だなあと思いますが、それでも人間の本質は変わらないと言うことを若手が悟るまで粘り強く育てるしかないでしょう。

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作業療法のエビデンスは一定の複雑さよりもシンプルにはならない

これは、作業療法にとって一番致命的なところでしょう。

作業療法に関わる多くの人が感じているところではないでしょうか。

観測も記録も、分析も一筋縄ではいかない。

因果関係はおろか、相関関係の証明にすら、非常に多くのコストを必要とする。

さらに、そうして時間をかけて出したエビデンスを理解するにも、一人一人に多くのコストを必要とする。

この仕組みをなんとかしないと、いけないと思います。

ここがなんとかできることが、作業療法を次のステージに進めるポイントになると考えています。

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作業療法が変われる兆候がない

作業療法は、もっと劇的に変わらなければならないと思います。

それは、今後社会が劇的に変わって行くからです。

しかし、人間の根源的なもの、感情や情緒にスポットライトを当てつづける不断の試みこそが作業療法には必要です。

変化と堅持の、そのバランスがうまく取れないで苦しんでいるのが今の作業療法です。

だからこそ、今の作業療法のより良い変化に向けた歩みは、もっと加速しなければなりません。

作業療法士が「時代の次の先」を読めない

作業療法は、

今、この時点と

作業療法の対象となる方が観ることができる少し先の未来を

取り扱う

とするならば、作業療法士の仕事はそのさらに先の未来を読み解くことが、専門職としての責務なのではないかと思います。

これから、未来は変わり続けるでしょう。

どんな風に変わるでしょうか?

例えば、いずれ、車の自動運転が当たり前になる世の中がくるでしょう。

自助具は、当たり前のように生活を自在に変えるでしょう。

おそらく、義手や義足の方が、人間の手足よりも便利になる世の中がくるでしょう。

そんな未来で、作業療法士ができる、仕事は、かなりたくさん増えるでしょう。

しっかりと作業療法士が将来を見据えた勉強や研究を重ねて行くことができれば、です。

そう言う勉強がシンプルにできるようになれば、

そして、そういう未来がいずれの現実のものとなると、

そのように思います。

そういう勉強が次の時代を形作る原動力となると確信しています。

しかし、あまねく日本中でそのような勉強ができるようなインフラが整っていないことが、最も

「やばいな」

と思いマす。

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まとめ

逆に、上記の理由をなくせば、

作業療法の未来は明るい。

それに気づく人が増えれば、

作業療法の対象者の方の利益は増える。

それが、大事なこと、です。

 

来る年はそのための1年としたいと思います。


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