大相撲の初場所で、白鵬がさすがの勝利を見せて、「ああ、やっぱり強いな」と思った次第です。土俵際でも、落ち着いて冷静に裁くだけの余裕があるなあということで、冷静に対処するってのはやっぱり安心と信頼と実績につながると思いました。
さて、そういう安心と信頼と実績において、作業療法士にとってはその裏付けとなるのが、臨床での安定したアウトプットであり、その実績を論文にして書き留め公表共有することです。
さて、作業療法士が書くこの論文は、英語で書くべきでしょうか?
結論:英語で書くべき
私は、作業療法士は論文を英語で書く方がいいと思います。
実は、この話題について、論文雑誌「作業療法」2017年8月において、巻頭言で日本のOTのパイオニアの一人である清水一先生がご意見を述べておいでです。
ちなみに詳細は各人読んでいただければと思いますが、清水先生は「別に英語じゃなくてもいいじゃない」というご意見です。
ちなみに先生は、英語バリバリできる人です。
経歴みていだければと思いますし、本の翻訳とかもやってますし。
そんな先生が作業療法士は、別に論文発表は日本語でも良いじゃないのって言ってるのに、英語で書くべきと主張するのはかなり勇気がいるのですが、多分大事にしてることは一緒なんだと思うので、思うまま書きます。
作業療法士は、論文を英語で書くべきです。
理由:英語を扱えるメリットがでかいから
英語ができるメリットは、情報を扱う仕事をしている人にとっては、非常に意義が大きいのです。
例えば、英語がわかれば、海外の論文を英語で読めますよね。
英語で論文を読むことができたら、どうだというのでしょうか?
日本語で読めるのとなにが違うでしょうか?
もうお分かりと思いますが、例えば、情報が手にはいるスピードが圧倒的に違います。
具体的には、海外のOTが書いた本の翻訳版が出る前に原書を読むことができます。あるいは、海外のOTが書いたブログを読んで、向こうの動向を日本にいながらにして知ることができます。
量も違います。英語の論文の方がはるかにたくさんの、それもエビデンスレベルの高い論文があります。
メリットはあげればきりがありません。
デメリットはありません。
英語で論文書けるようになるためには
英語で論文を書けるようになると、海外の作業療法士に自分の論文を批判してもらえるメリットもあります。
英語で論文を書けるようになるには、いろいろな方法があると思います。
おすすめなのは、英語の論文を読むことから始めることです。
読んでいくと、繰り返し出てくるフレーズやらパラグラフの構造なんかが見えてくるので、それらをパk…参考にさせていただくと書きやすいと、こういうことでございます。
マネから始めるのは、王道であり基本ですね。
とはいえ、最新の論文とかは、結構統計のオンパレードで、英語もさることながら、内容自体が難しいという悲しい現実もあります。正直、簡単な論文と難しい論文の見分けもつかないと思います。
では、論文読めるレベルの英語を身につけるにはどうしたらいいでしょうか?
そのためには、自分が論文を書くことを意識しながら、それに関連するキーワードを検索して翻訳しながら読んでいくのが良いと思います。
つまり、自分が書きたい分野の論文を読んでいくということです。
昔に比べて、いちいち辞書を引くことなく、英文を読むことができる環境が整っている今、英語の勉強をしないのは、もったいないと思います。
要するに、習うより慣れろなところはあると思います。
英語が必要かどうかは人それぞれ
ここまで書いておきながらなんですけれど、英語が必要かどうかは、人それぞれです。
作業療法士が、要するに世界と繋がりたいと感じるかどうかだと思います。
世界レベルの情報を取りにいきたいと考えるのであれば、やはり英語は必須アイテムです。
ですが、作業療法士として、自分の臨床を自分の中の基準でじっくりやっていきたいと考えるのであれば、英語の優先順位はそんなに高くないといえます。
むしろ必要なのは、検証可能性を向上させるための、日本語での論理的な思考能力と、それを何らかの形で人と共有し、チェックを受けることだといえます。
もし、英語が自分にとって必要だと思った作業療法士は、やはり英語でものを書く、読むを習慣化させる必要があると思います。
逆に、いらないと思うなら、いらないと思います。それよりももっと大切にするべきことがあると考えているからだと思います。そして、こういう人に向けてのメッセージが、清水はじめ先生の先の巻頭言ということになるのだと思います。
英語を勉強するためのツール
とはいえ、いきなり論文を読み出すと心がおれる人がほとんどだと思いますので、段階づけにこんな素敵な本がありますので、活用を考えてみてください。
Amazonで買うだったら、今日現在残り一冊らしいのでお早目に。
まとめ
作業療法士としての広がりが欲しいなら英語で論文を書いた方が良い。
作業療法を深めたいなら、英語よりも論理的な思考力を大事に。
参考
清水先生が英語できる証拠とか
この本の最新版とか
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