作業療法は、
「これをするのが作業療法である」
というものがありません。
目次
作業療法は複雑さを扱える
作業療法は、かなり自由度の高い枠組みの中で、実践されています。
これは、単純なアプローチでは結果が出にくいような方々も作業療法の対象とすることができるからです。
作業療法は、領域によっては長期間行える
また、短期間では結果がでないような方々への長期的なかかわりが念頭にあるからです。
そして、その人自身や生活そのものに視点をあてて行きたいという哲学があるからです。
作業療法は対象者の強みを見る
また、作業療法士は、時に問題点を改善するだけでなく、よりよく生きるために、その人の生きがいやその人らしさ、やりがい、その人の強みに焦点をあてることもします。
「その人が生きいきと、主体的に生活するにはどうしたらいいだろう」
という問題をも扱うことに特徴があります。
これはいわゆる、「ストレングスモデル」の考え方です。
問題解決型のアプローチはもちろん重要なので、並行して取り扱います。
ですが、問題解決型のアプローチのみでは、問題が多岐にわたるときや、その問題が解決不可能な時にその人の生活はそこで立ち止まってしまうのです。
たとえば、認知症になった方のことを考えて見ましょう。
その方の問題点が認知機能の低下だとして、その認知機能を回復することに時間やマンパワーを投入することは、現場レベルでは、今のところ大きな効果を上げるにはいたっていません。
機能回復のみに執着して、どんな方策を試したところで、その間にも病は進行してしまいます。
そうであるならば、むしろ、残されている機能、昔の記憶やそのひとの尊重されるべき人格などにスポットをあてていくべきという考え方もあります。そのひとが持っている強みを引き出していくことが、その人の人生を輝かせることにつながると、作業療法では考えます。
作業療法はQOL(人生の質)に寄り添う
そして、その実践を通してICFで言うところの活動や参加を向上・改善することによって、対象者の健康の度合いやQOLを高めていこうとするのです。
そのためには、何をやってもよいというのが作業療法の自由度であり、反面きちんとした理論的な裏づけや説明ができないのになんでも作業療法と称してしまうのは、ほんとうにおかしなことです。
作業療法は個人に寄り添う
作業療法は、ひとが行う作業や人と行う作業を通して、そうした生きがいをどれだけ作り出し、そのひとの主観的な健康状態に寄与できるかということにポイントがあります。
そこに向かってアプローチに自由度が保障されているのが作業療法の特徴であり、作業療法士の腕の見せ所でもあると思います。
まとめ
自由度は作業療法の
最大のストロングポイント