COVID-19が5類になるとどんな事が起こるのか

重要そうな話題があると、一応ピックアップして継続記載してきましたが、今回の話題はどう取り扱ったらいいのか、正直にわからないので、自分の勉強のために、自分の疑問に対する一問一答形式で情報を整理してみます。

そもそも5類ってなんだ

5類は、日本の「感染症法(通称)」上の分類。

感染症法については下記参照。

感染症法 – 作業療法大百科事典OtWiki

5類変更のメリットはなに?

行動制限が緩和される。いろいろな方が「自分ではどうしようもない理由で、それぞれがやりたいことができない」という作業剥奪の状態が解消される

一般国民からすると、唯一にして最大のメリット。

作業剥奪については、下記参照。

作業剥奪 – 作業療法大百科事典OtWiki

いろいろな成長機会を、COVID-19以前と比べるとどうしても制限されていた若い世代の人たちからすると、今よりはやりたいことがやりやすい環境になっていくと思われる。

企業活動は活発化するか?

社会経済活動の基本は、それを求める人の存在、つまり需要があるかどうか。

やりたかったけど、なかなかできなかったことをやれるようになる人が増えると、その余裕をねん出するために、代替サービスを利用したり、より多くの時間働こうとするようになる。

人間の活動が、社会の中で比較的活発になれば、時間上の制約などの要素からいろいろな需要が生まれてくるので、GDP値は向上するものと思われる。そうなると、その需要に対応する消費を自社の売り上げにつなげたいと、意欲的に考える企業活動は、ある程度活発化すると思われる。

財政再建につながるか?

そう祈るよりほかにない。

昨今日本では、大した儲けもないのに、脱原発してみたり、コロナ対策費用を打ち出したり、補助金乱発してみたり、お金がないので国債を印刷して、そうしたら国債のイールドカーブがゆがんでるものだから2023年1月26日現在、ヘッジファンドなんかにいろいろな揺さぶりをかけられているこの状況で、日銀総裁の任期がどうやらこうやら。

ウクライナとロシアの戦争によって、エネルギー安全保障問題は、より切迫感のある問題になっている。貿易赤字の大きな要因となっていて、円安を大いに誘発した。それがさらに赤字を生み出し・・・という、財政的にパッ、とするニュースがない中で、企業活動が活発化するということになれば、税収は増えるし、エネルギー価格が高騰している中において高まっているスタグフレーションリスクを後退させることができる。

スタグフレーションは、本当にヤバいし、もし財政再建できないと過去のイギリスのように現実化してしまうリスクが高まるので、景気回復からの財政再建につながることを祈るしかない。

スタグフレーションについては、下記参照。

スタグフレーション – 作業療法大百科事典OtWiki

年金制度や保険制度は維持できるか?

年金制度も保険制度も、金融商品としては多少質は悪くなった。けれども、公的保険に関しては5類になると保険制度からの支出は減る。将来世代の方のことを想えば、そして制度維持にとっては、悪い話ではない。

年金制度に関しては、正直平均寿命に与えるインパクトがあるかないかということになり、おそらくみんななんだかんだでおおよそお元気に過ごされるので、制度維持はできるけれども、将来それのみで生活できるほどではない、ということになろうかと思う。

そもそも、たかだか2類から5類になることが、そこまでのインパクトを持つようなものでもなく、根本的に出生率が改善しないと、難しい。

出生率は改善するか?

戦後の日本みたいなベビーブームはおそらく来ないが、後述するようにマスクをしなくてよくなった、ということになれば、それが一定数に、「春」を運んでくる可能性は無きにしも非ず。

2023年1月26日現在でも、家庭内ではしていないという家がほとんどだろうし、そのあたりの影響を受けるのは、学生さんや、企業活動をする人々、はたまはた商業活動中の接客など、ということになろうか。

何とも言えない。

そのほかのメリットは何?

受け入れができる可能性のある医療機関が増える。

現在、受け入れをしている医療機関は、受け入れ態勢を整えるため、相応の配慮が必要になる。

すべての医療機関で受け入れが可能になるため、ひっ迫度の軽減が期待される。ただし、現実問題としては、「受け入れ拒否する」かどうかは各医療機関にゆだねられており、帰って受け入れ拒否が増えるのではないかとの懸念が払しょくできない。

ほかにはどんな変更点があるの?

マスク着用の見直しが検討されている。おそらく、「日常を取り戻す」という政治的メッセージ、雰囲気作りが大きい。

2023年1月26日現時点でも、屋外でマスクをする必要性はないが、している人がほとんどである。心理的な問題もあるだろう。

ただし、屋内外で都度、つけたり外したりということを意識して徹底できる人は少ないと思われるので、みんなが外すようになると、これまでの傾向と同様のことが起こる前提立てば、感染は当然拡大することになる。

なぜ政府は5類に位置づけ変更することにしたの?

5類にしてほしい、という要望は、もともと経済団体の意向・要望にあった。(https://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2022/0714.html)

感染対策などで財政支出は増えているが、経済活動が縮小したままでは、財政財源問題が一向に改善する糸口が見えない(https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html)

日本円建ての国債であるからして、紙幣を印刷しさえすれば直接の財政破綻はない。けれども、それを行う時点で日本人が世界から相対的に価値が認められていなければ、日本円は紙くずになる。

概要は、下記に詳しい。

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/94518.html

5類にするにあたっての行動制限に関するデメリットはなに?

病院や介護施設といった、感染症対策最前線に要求される行動制限と、市中の人々の行動制限が大きく異なることになる。作業剥奪の乖離が大きくなる。これは、職員目線では、転職すれば解決する。そのため、現在の給与水準では、一定程度の能力水準を超える職員の確保がますます難しくなる。

行動制限の乖離については、下記を参照のこと。

COVID-19#支援者側の作業剥奪-作業療法大百科事典OtWiki

そのほかのデメリットは?

保健所が介入しての調整業務をおこなう法的根拠がなくなる。現実問題発生する患者数がそうそう急には変わらないので、患者になったときの立場としては、最悪、入院先を自分で探す必要性が出てくる。

また、公費で負担されている医療費やワクチン接種に関する自己負担が発生する。

ので、受診控えが発生して、死亡するひとが増えたり、ウイルスが変異して感染力が向上かつ強毒性となったタイミングで再び、爆発的に流行して、医療リソースを逼迫する・・・かもしれない。

空港などでの検疫体制はどうなるの?

2023年1月26日現在において、現状、日本に入国するためには、「ワクチン3回接種」か「72時間以内の陰性証明書」が必要。

全ての外国人の新規入国について、日本国内に所在する受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)における申請を求めないこととなることに加えて、外国人観光客の入国について、パッケージツアーに限定する措置も解除されました。

令和4年10月11日午前0時(日本時間)より、オミクロン株(B.1.1.529 系統の変異株)が支配的となっている国・地域(「水際対策強化に係る新たな措置(27)」(令和4年2月24日)における「オミクロン株以外の変異株が支配的となっていることが確認されている国・地域」以外の国・地域)からの全ての帰国者・入国者について、原則として、入国時検査を実施せず、入国後の自宅又は宿泊施設での待機、待機期間中のフォローアップ、公共交通機関不使用等を求めないこととなりました。また、全ての帰国者・入国者について、世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに掲載されているワクチンの接種証明書(3回)または出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書のいずれかの提出が求められることになりました。

新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について-外務省

その法的根拠となっているのが、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)抄」「検疫法(昭和26年法律第201号)抄」を、指定感染症に準用することに寄っている。

詳細は下記参考

日本における水際対策–作業療法大百科事典OtWik

5類となたとして、仮に指定感染症解除、となると、現在行われている水際対策を行う根拠がなくなり、空港等での検疫は行えない。

国外から、新しい強毒性の株がやってきたとしても、気が付いた時には国内に蔓延している状態を想定する必要がある。

2023年1月26日現在の今後の予定は?

2023年1月20日の首相会見では、今年の春にということで、検討中。早ければ同27日にでも、日程が正式に発表される。予定。

そもそももっと前から5類へという話があったんでは?

はい、ありました。ちゃんと動画がのこってます。

つまり、一年以上前から、そういう話はちゃんとあったんですが、課題は明確に筋道をつけられないまま時間ばかりを浪費してしまったようです。

介護報酬2.27%引き下げと、幼稚園就園奨励費にみる国家の方針

注目していた介護報酬の引き下げ幅は2.27%でした。

国としては、カネを投下してリターンの発生する(プラス成長の見込める)部分にお金を投下する傾向が見えたようにおもいます。

財政の不健全な状況と少子高齢化という、動かしがたい現状があることを考えるときわめて現実的な政策といえるとおもいます。

現状をざっくりと整理してみたいと思います。

まず、今後、ますます介護が必要な高齢者が増えることは間違いありません。

そして、それに必要な人材が今以上に増えることによって、現場に必要な人間の数はますます不足すると考えられます。

もしも、国が高齢者が安心して過ごせる社会をきちんと目指すとして、今以上に質と量の両面でサービスの拡張を目指すとします。

そうするとなると、人材の拡充が欠かせないですよね。

さらにお金が必要になります。

 

一方で、日本の人口ピラミッドを見てみましょう。

スクリーンショット 2015-01-11 20.58.43.png

見ていただいたら分かるように、現時点においても、とても恐ろしい形になってきています。

働き盛り世代が少ない傾向は今後も継続すると仮定すると、どう考えても現在の水準をたもったままで医療福祉の規模を拡大していくことは現実的ではありません。

この論を支える数字は、国の統計をあさればいくらでも出てくることでしょう。

このどうしようもなさが、日本が昏いというイメージを人に与えている根源であると考えています。

ですから、きちんと解決しようと思うと、この人口ピラミッドをなんとかしないとどうにもならない訳です。

人口ピラミッドをなんとかするというのは、要するに若い世代があれこれ考える間もなく、子供を作るような世の中にしないといけないということです。

つまり、まず子供が増えるような政策に余剰を費やしていくことになるでしょう。

もしくは、移民の受け入れが現実になるかもしれません。

あるいは、逆転の発想として、高齢者を国外の施設に移転するような政策が現実のものとなるかもしれません。極限まで、財政的に追いつめられれば十分現実実を帯びてくるでしょう。

(もっとも、自分たちが介護を受けるくらいの時代になっての話だとは思っていますが。)

いま、そんな未来が到来しないような方法、イノベーションが期待されています。

削減できるコストを削減していくということは、余裕がなくなるということでもあります。

その方法とはちがう、革新的な方法が現れることを2015年、願ってやみません。

以上、未だ独身のひろえもんでございました。

介護病棟および老人保健施設とマンパワーの問題の根本的解決法は無いんじゃないかという

はじめに

結論としては、「量が質」だが、量が増えることは無い、という話。

長いですし要領を得ないので、要点だけ読みたい人は、下記の「現場のマンパワーが不足する本質」だけ読んでみて下さい。

就職してから、精神科だけでなく老人保健施設系への関わりもできました。

働く中で、社会的な構造の問題で、今の方法では今後必ず対応困難になるという思いを強くしたので、その解決法を思案してみました。

しかしながら、解決が出来そうにないという考えに至りましたので、そんな考えになった考えの道筋を書いてみたいとおもいます。

ちなみに、この文章は、誰かに否定してもらう事を期待して書いている文章です。

割と。

認知症と精神病院

認知症の症状は、正常発達した知能の低下と言われます。

その症状は大きく中核症状と周辺症状の二つに分類されます。

二つの症状が進行し社会での生活が困難になると、患者さんとして精神病院に入院することになります。

病院に入院すると、基本的には薬物療法とか作業療法にて加療を行いながら、入院の直接的な原因となった症状の緩和や環境や人的資源、社会的な資源の調整などが行われます。

ある程度、病院が問題ないと、医師や家族が判断した時点で自宅や施設へ退院となります。

寝たきりの発生

認知症が進行すると出来ない事が増えます。

認知症の症状として徘徊などを思い浮かべられるかもしれませんが、次第にそういったものも消失し、やがては無為自閉的な傾向が強まり、自発的な表出が見られなくなっていきます。

つまり、日常生活に多くの促しが必要になっていきます。

その促しが十分に行われず、あるいは促しの量が現実的に困難な程度になると、必要以上の介護が行われるようになり、結果として活動量がどんどん狭まります。

そして、その先には、寝たきりの生活が待っています。

認知症になったからといって、必ずしも寝たきりの段階に至るとはかぎりませんが、そうでない場合と比べると最後に寝たきりに至る可能性は高いと考えます。

必要な資源の試算

ここで、生活のほぼ全てに介助が必要なレベルの患者様ばかりが入院されている病院、あるいは病棟を想定してみたいと思います。

そういった病院あるいは病棟はまれかもしれませんが、高齢者がふえ、認知症がふえる日本社会においては、これからどんどん増えていく事でしょう。

簡単のため病床数50床としたいとおもいます。

そして、人件費を社会保険料などもトータルして1人頭以下のように仮に考えてみます。

介護士 20万円 /月人

看護師 25万円 /月人

医師 100万円 /月人

んで、病棟に介護士が5人、看護師が5人、医師が1人で回すとすると、ひと月あたり最低でも325万円ものお金が必要になる計算です。

と、すると患者様一人当たりに換算すると、最低でも約6万円のお金が必要になることになります。

これからたとえば、65歳以上の認知症有病率が10%で、そのうちの半分が寝たきりになったとすると2050年には、

4000万人 × 0.1 × 0.5  = 200万人

んで、1人が最低6万として

200万人 × 6万円 = 1200億円

が月々必要な計算になります。

2050年の働き盛り世代は3000万人とすると

1200億円 ÷ 3000万人 = 4000円

を月々負担すれば良い事になります。

あれ?

意外と行けそうですね。

んでも無理な現実

色々なコストを省きに省いてのこの結果でさえ、4000円と考えるのが妥当です。

土台無理な試算を行った結果でも4000円は必要ということです。

実際、病棟スタッフがそんなに少ない訳はなくて、ひと病棟あたり、看護介護合わせると質的に十分な医療を行う為には、20人は必要です。(算定上は必要ありませんが。

そこまで雇わないにしても、職員は、労働基準法上公休と有休の消化が必要ですから、のべ人数の1.5倍の人数を雇用する必要があります。

さらに、医師不足の昨今ですので、も少し高そうです。

さらに病院側は、年金や社会保険料などの国に納めるお金の分もコストに含める必要があります。

それらは本人と折半なので、さらに1.5倍くらいすればいいでしょうか?

なので、ざっと計算すると

4000円 × 1.5 × 1.5 = 9000円

ですね。

でもホントは、職員のおボーナスとかも計算しないといけないので、もっとふえます。

12000円くらいでしょうか?

で、さらに、マンションで言うところの共益費というか、維持管理費用が必要です。

これが意外とするので18000円くらいでしょうか。

施設の増築や、地域支援のあたらしい拠点を作る為の設備投資も必要かもしれません。

21000円。

さらに、経営サイドへの報酬。

26000円。

とまあ、いろいろあります。

利用者サイドの不利益に繋がっている部分に関しては、国が積極的に監査をいれてって欲しいなあと思うところではありますが、現状のシステムだとたぶん1人あたり40000円でもキツいとおもいます。

経営者の立場になると

そこの実際の理念がどうかというところに大きく左右されることは間違いないです。

お金儲けが好きな人が経営しているのか、医療を全うするところに力を注いでいるのかという、その理念の違いが大きいです。

利益追求にいとまがない病院の場合は、まず人件費を削ります。

病棟には算定基準というものがありまして、職員の人数がそれを満たしていさえすれば算定ができるので、できるだけその人数ぎりぎりでまわせるほうが、経営者としては美味しい訳です。

お金儲けは悪いことではないですが、そちらに偏りすぎるとスタッフが疲弊してモチベーションが低下し、結果として質が下がります。

仕事の絶対量にたいして、マンパワーが不足しているので、個人がどれだけ100%の力を出しても追いつかないからです。

ですので、その病院や介護施設の質を見るには、算定基準よりも多い人数が働いているかどうかが一つ有効な基準として使えると思っています。

優秀な経営者とは

お金が自在にコントロール出来る人だと言えるとおもいます。

そして、お金儲けに力を注いでいる経営者は、お金をたくさん持っているのでその能力が高いです。

結果として、優秀な経営者に占めるお金儲け優先理念の経営者の割合はどうしても高くなる傾向にあるのではないでしょうか。

つまり、全国的には私立の施設であれば、お金儲けを考える経営者の方が割合的に高い方が自然です。

コレは、ある種、日本が資本主義社会として成立している以上、仕方の無いことです。

現場のマンパワーが不足する本質

以上から

1.寝たきりの人が増えるので需要が増加すること

2.利潤追求の経営者が世の大勢を占めること

という二つの理由で、現場のマンパワーは不足します。

構造の概要はこうです。

需要は高いので、その気になれば病院や老健のベッドは常に満床にできます。

その一方で、経営者は病棟あたり、もしくは施設あたりの人間を必要最低限にとどめます。

結果として、質は低下しますが、1の理由から需要が過剰な状況なので、質の低下に関係なく顧客は確保できます。

さらにその結果として、経営者はそのまま必要最低限の状態を維持します。

つまり現場のマンパワーの慢性的な不足が持続します。

以上が本質です。

おわりに

これは、国が医療と福祉の充実を民間の力を借りて行っている以上、どうしても避けられない現象だなあと思います。

唯一できることがあるとすれば、算定上必要な人員の数を今よりも増加させることかもしれません。

そうすれば、経営者サイドとしてはマンパワーの確保に動かざるをえません。

しかし、それをすると人員が確保できずにつぶれてしまう病院がたくさん出てくることになるはずです。

先に述べたように、国は、民間に頼っているという構造があるので、強気にはでれないはずです。

となるとやはり、根本的な解決法は存在しないのではないかと思います。