COVID-19が5類になるとどんな事が起こるのか

重要そうな話題があると、一応ピックアップして継続記載してきましたが、今回の話題はどう取り扱ったらいいのか、正直にわからないので、自分の勉強のために、自分の疑問に対する一問一答形式で情報を整理してみます。

そもそも5類ってなんだ

5類は、日本の「感染症法(通称)」上の分類。

感染症法については下記参照。

感染症法 – 作業療法大百科事典OtWiki

5類変更のメリットはなに?

行動制限が緩和される。いろいろな方が「自分ではどうしようもない理由で、それぞれがやりたいことができない」という作業剥奪の状態が解消される

一般国民からすると、唯一にして最大のメリット。

作業剥奪については、下記参照。

作業剥奪 – 作業療法大百科事典OtWiki

いろいろな成長機会を、COVID-19以前と比べるとどうしても制限されていた若い世代の人たちからすると、今よりはやりたいことがやりやすい環境になっていくと思われる。

企業活動は活発化するか?

社会経済活動の基本は、それを求める人の存在、つまり需要があるかどうか。

やりたかったけど、なかなかできなかったことをやれるようになる人が増えると、その余裕をねん出するために、代替サービスを利用したり、より多くの時間働こうとするようになる。

人間の活動が、社会の中で比較的活発になれば、時間上の制約などの要素からいろいろな需要が生まれてくるので、GDP値は向上するものと思われる。そうなると、その需要に対応する消費を自社の売り上げにつなげたいと、意欲的に考える企業活動は、ある程度活発化すると思われる。

財政再建につながるか?

そう祈るよりほかにない。

昨今日本では、大した儲けもないのに、脱原発してみたり、コロナ対策費用を打ち出したり、補助金乱発してみたり、お金がないので国債を印刷して、そうしたら国債のイールドカーブがゆがんでるものだから2023年1月26日現在、ヘッジファンドなんかにいろいろな揺さぶりをかけられているこの状況で、日銀総裁の任期がどうやらこうやら。

ウクライナとロシアの戦争によって、エネルギー安全保障問題は、より切迫感のある問題になっている。貿易赤字の大きな要因となっていて、円安を大いに誘発した。それがさらに赤字を生み出し・・・という、財政的にパッ、とするニュースがない中で、企業活動が活発化するということになれば、税収は増えるし、エネルギー価格が高騰している中において高まっているスタグフレーションリスクを後退させることができる。

スタグフレーションは、本当にヤバいし、もし財政再建できないと過去のイギリスのように現実化してしまうリスクが高まるので、景気回復からの財政再建につながることを祈るしかない。

スタグフレーションについては、下記参照。

スタグフレーション – 作業療法大百科事典OtWiki

年金制度や保険制度は維持できるか?

年金制度も保険制度も、金融商品としては多少質は悪くなった。けれども、公的保険に関しては5類になると保険制度からの支出は減る。将来世代の方のことを想えば、そして制度維持にとっては、悪い話ではない。

年金制度に関しては、正直平均寿命に与えるインパクトがあるかないかということになり、おそらくみんななんだかんだでおおよそお元気に過ごされるので、制度維持はできるけれども、将来それのみで生活できるほどではない、ということになろうかと思う。

そもそも、たかだか2類から5類になることが、そこまでのインパクトを持つようなものでもなく、根本的に出生率が改善しないと、難しい。

出生率は改善するか?

戦後の日本みたいなベビーブームはおそらく来ないが、後述するようにマスクをしなくてよくなった、ということになれば、それが一定数に、「春」を運んでくる可能性は無きにしも非ず。

2023年1月26日現在でも、家庭内ではしていないという家がほとんどだろうし、そのあたりの影響を受けるのは、学生さんや、企業活動をする人々、はたまはた商業活動中の接客など、ということになろうか。

何とも言えない。

そのほかのメリットは何?

受け入れができる可能性のある医療機関が増える。

現在、受け入れをしている医療機関は、受け入れ態勢を整えるため、相応の配慮が必要になる。

すべての医療機関で受け入れが可能になるため、ひっ迫度の軽減が期待される。ただし、現実問題としては、「受け入れ拒否する」かどうかは各医療機関にゆだねられており、帰って受け入れ拒否が増えるのではないかとの懸念が払しょくできない。

ほかにはどんな変更点があるの?

マスク着用の見直しが検討されている。おそらく、「日常を取り戻す」という政治的メッセージ、雰囲気作りが大きい。

2023年1月26日現時点でも、屋外でマスクをする必要性はないが、している人がほとんどである。心理的な問題もあるだろう。

ただし、屋内外で都度、つけたり外したりということを意識して徹底できる人は少ないと思われるので、みんなが外すようになると、これまでの傾向と同様のことが起こる前提立てば、感染は当然拡大することになる。

なぜ政府は5類に位置づけ変更することにしたの?

5類にしてほしい、という要望は、もともと経済団体の意向・要望にあった。(https://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2022/0714.html)

感染対策などで財政支出は増えているが、経済活動が縮小したままでは、財政財源問題が一向に改善する糸口が見えない(https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html)

日本円建ての国債であるからして、紙幣を印刷しさえすれば直接の財政破綻はない。けれども、それを行う時点で日本人が世界から相対的に価値が認められていなければ、日本円は紙くずになる。

概要は、下記に詳しい。

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/94518.html

5類にするにあたっての行動制限に関するデメリットはなに?

病院や介護施設といった、感染症対策最前線に要求される行動制限と、市中の人々の行動制限が大きく異なることになる。作業剥奪の乖離が大きくなる。これは、職員目線では、転職すれば解決する。そのため、現在の給与水準では、一定程度の能力水準を超える職員の確保がますます難しくなる。

行動制限の乖離については、下記を参照のこと。

COVID-19#支援者側の作業剥奪-作業療法大百科事典OtWiki

そのほかのデメリットは?

保健所が介入しての調整業務をおこなう法的根拠がなくなる。現実問題発生する患者数がそうそう急には変わらないので、患者になったときの立場としては、最悪、入院先を自分で探す必要性が出てくる。

また、公費で負担されている医療費やワクチン接種に関する自己負担が発生する。

ので、受診控えが発生して、死亡するひとが増えたり、ウイルスが変異して感染力が向上かつ強毒性となったタイミングで再び、爆発的に流行して、医療リソースを逼迫する・・・かもしれない。

空港などでの検疫体制はどうなるの?

2023年1月26日現在において、現状、日本に入国するためには、「ワクチン3回接種」か「72時間以内の陰性証明書」が必要。

全ての外国人の新規入国について、日本国内に所在する受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)における申請を求めないこととなることに加えて、外国人観光客の入国について、パッケージツアーに限定する措置も解除されました。

令和4年10月11日午前0時(日本時間)より、オミクロン株(B.1.1.529 系統の変異株)が支配的となっている国・地域(「水際対策強化に係る新たな措置(27)」(令和4年2月24日)における「オミクロン株以外の変異株が支配的となっていることが確認されている国・地域」以外の国・地域)からの全ての帰国者・入国者について、原則として、入国時検査を実施せず、入国後の自宅又は宿泊施設での待機、待機期間中のフォローアップ、公共交通機関不使用等を求めないこととなりました。また、全ての帰国者・入国者について、世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに掲載されているワクチンの接種証明書(3回)または出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書のいずれかの提出が求められることになりました。

新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について-外務省

その法的根拠となっているのが、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)抄」「検疫法(昭和26年法律第201号)抄」を、指定感染症に準用することに寄っている。

詳細は下記参考

日本における水際対策–作業療法大百科事典OtWik

5類となたとして、仮に指定感染症解除、となると、現在行われている水際対策を行う根拠がなくなり、空港等での検疫は行えない。

国外から、新しい強毒性の株がやってきたとしても、気が付いた時には国内に蔓延している状態を想定する必要がある。

2023年1月26日現在の今後の予定は?

2023年1月20日の首相会見では、今年の春にということで、検討中。早ければ同27日にでも、日程が正式に発表される。予定。

そもそももっと前から5類へという話があったんでは?

はい、ありました。ちゃんと動画がのこってます。

つまり、一年以上前から、そういう話はちゃんとあったんですが、課題は明確に筋道をつけられないまま時間ばかりを浪費してしまったようです。

アメリカにおける精神疾患と医療関係と製薬会社の密接な関係について からの 日本の話

はじめに

精神疾患と医療と製薬会社は、金銭的に非常に強い結びつきがあります。

今回紹介するのは、アメリカの話ですが

ソース

ADHDは作られた病であることを「ADHDの父」が死ぬ前に認める

この記事は、タイトルが悪いですね。別にADHDという疾患の存在は否定してません。

アメリカの精神医療はどんな感じなのかなあ、がぼんやりと見える記事だと思います。

日本の話

実は日本もおんなじかも知れません。

日本でも、製薬会社が医者を接待したり、はたまた逆に、病院側が製薬会社に何かしてあげたりは、たとえば、芦屋とか新宿の知人から聞いたり聞かなかったりします。

もっとも、今はめっきりと減ったらしいですよ。

昔と比べれば、ですが。

持ちつ持たれつになる理由

消費者目線からだと、なぜ、病院が顧客たる患者の不利益になりかねない事をしてしまうのか、不思議に思われる方も多いと思います。

しかし、経営者目線からだとその理由は単純明快です。

病院も、製薬会社もその多くは、民間の営業するところです。

となると、公企業ではないので、利潤を出さないといけません。

たとえば、利益が出る月と出ない月がぱらぱらとあるようでは、見通しが立たないので困る訳です。

しかも、組織が大きくなればなるほど、安定した利益を稼ぎだす事が要求されます。(出ないとシステムが回らないです。)

と、なると、この収益安定化というモチベーションが病院と製薬会社の双方にあることを考えると、なぜ、病院と製薬会社が「癒着」と言われても仕方が無いほどにずぶずぶになってしまうのか、よくわかると思います。

非常におおざっぱではありますが、経営者視点だと、こんな感じの理解ができると思います。

その蜜月で損するのは誰か

仮に、治療目的というよりも利益のために、診断名をつけて速攻で薬をドカドカ出すような医療が提供されたとして、その犠牲となるのは何かを考えてみます。

するとまず、①医療費のほとんどを負担する国庫、次に、②医療費の3割から1割、あるいは0割を負担する患者

という事になると思います。

最近では、国はここら辺の引き締めを積極的に行ってるとかいないとか。

消費者として対策できる事

自分にあう薬を、適量消費することができれば、無駄に薬を購入しなくて良いわけです。

ですから、たとえば、その薬が必要かどうかについてのセカンドオピニオンなどあるといいかもしれません。

というのも、精神疾患の場合は、薬の量などは、様子をみながら変更することが多いのですが、主治医の方針によっては投薬量や投薬する薬が変わることもあります。(主治医の方針が変更すると、治療内容も変化するのはどこでも同じですが)

なので、いろいろなお医者さんの意見も聞いてみて、その中からしっくりくるものを選んでみるのは、一つの方法だと思います。

ほかに何かいい方法があれば、教えていただけると幸いです。

おわりに

その病院の経営がどんな感じなのかは、経営者および病院の経理決算をやるような人間じゃないと知りません。

ルートがあれば別ですが。

なので、消費者としてはなかなか、病院の経営から見抜く事も難しいです。

特に、精神疾患は、薬の調整が難しいところなので、話がなおいっそう難しいなあと思います。

iPS細胞を使用しての創薬を日本政府が後押しするようです。

はじめに

世の中は山中教授の思惑通りに動いているような気がします。

ソース

50難病、iPS使い新薬…国主導・産学連携で

政府は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、患者数が少ない難病の新薬開発を加速させるプロジェクトに乗り出した。

パーキンソン病など50以上の難病が対象で、2016年度までに治療薬の候補物質を探す共同研究体制を整える。基礎研究から薬の実用化までをにらみ、企業を加えた国主導のiPS細胞プロジェクトは初で、産学の連携で日本発の難病治療薬を送り出す構想だ。

(中略)

iPS細胞の技術を使うと、難病患者の皮膚や血液の細胞から、神経や筋肉などの患者自身の病気の細胞を作り、生きたままの状態で増やすことができる。難病の研究に使えば、原因を調べたり、薬の効き目を確かめたりする研究が、飛躍的に進むと期待される。

 おわりに

今後、標的細胞に対してのみ効果を発揮する薬剤の開発を行ったり、並行して病理の解明などを行うという視点においても、iPS細胞が非常に重要な役割を果たすことは間違いないですね。

倫理観が不断で求められるようになることも間違いないですね。

鳥インフル「パンデミック可能性否定できず」 from NHK NEWS

はじめに

きわめて重要性が高いと思いましたので、恥知らずですが、全文引用です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130420/k10014056471000.html

引用記事

中国で感染者が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザウイルスについて、国立感染症研究所は「ヒトへの適応性を高めており、パンデミック=世界的な大流行を起こす可能性は否定できない」とする初めての評価結果をまとめました。

国立感染症研究所はH7N9型の鳥インフルエンザウイルスについて、感染した人たちの経過やウイルスの特徴など、これまでに集めた情報を分析し、国内での対策の基礎資料となる評価結果をまとめました。
それによりますと、現時点で、ヒトからヒトへの感染は確認されていないものの、ヒトへの適応性を高めていることは明らかで、新型インフルエンザとしてパンデミック=世界的な大流行を起こす可能性は否定できないとしています。
その根拠として、ウイルスはヒトののどや鼻に感染しやすく変化している可能性があるうえ、症状が現れない鶏や野鳥、それにブタに広がってヒトの感染源になっている疑いがあることなどを挙げています。
また、抗ウイルス薬の効果が期待できることから、早期の治療によって重症例を減らせる可能性があるとしたうえで、国内での対策としては、当面、中国から帰国して、発熱などの症状がある人に積極的に検査を行う必要があるとしています。
国立感染症研究所は今後も1週間から2週間おきにH7N9型の鳥インフルエンザウイルスのリスクについて評価を行い、公表していくことにしています。

おわりに

元記事には動画もあります。

鳥インフルエンザに関しては、理屈上では、パンデミックが起こり得る可能性がいろいろな所から指摘されていますので、今後も注視していく必要があると思います。

インフルエンザワクチンが開発されると、多少は安心なのですが。

とてもとても便利な技術は、それを享受する生活やサービスにおける快適さの差を広げる。

はじめに

これをよんで思い出したこと。

じーさんばーさんとタッチパネル - 24時間残念営業

内容は、タイトルまま。数ヶ月前の話。

5分くらいで読めます。

とある都会の飲食店にて

とある日の午後のお昼時のことでした。

突然、猛烈に肉が食べたくなり、ふらりと知らない焼き肉店へ。

店の規模としては牛角などと変わらない広さがありました。

その店のユニークなところは、食べ放題メニュー飲みしか存在しないというところと、注文は机の上に置いてある注文専用のタブレット端末から、注文をする所でした。

iPadユーザなひろえもんにとっては直感的にわかる注文プロセスだったので特に問題ありませんでした。

そして、とくに問題を感じませんでした。

とある老夫婦が、入店されるまでは。

大混乱

見た目70代後半から80代前半な感じの老夫婦でした。農家をされているとのことでした。

旦那さんは控えめな感じで、奥様はその人の世話が生きがいという感じで共依存的な臭いを感じなくもない。(別に旦那さんがいろいろなことを自分でできないわけではなく、奥さんが次々と先回りしてやってしまうので結果として自分でできないという感じ。)

で、おくさまが、イニシアチブを発揮して、旦那さんにあれこれ聞きながら注文しようとした段になって、大混乱となりました。

まず、食べ放題のシステムが理解できない。

次に、タッチパネルを使用しての注文のやりかたがわからない。

奥さん、旦那さんに「おとうちゃんおさけは?」と聞いて、注文しようとするのはいいものの、全然注文ができない。

やり方がわからないのです。

奥様、仕方がないので店員にどうやって頼んだらいいのか教えてもらいました。

それはもう、懇切丁寧に、画面の切り替え方法から、数量指定の方法、注文確定の画面の出し方、その一連の流れについて、ゆっくり確実に店員さんが教えていらっしゃいました。

でも、結局その老夫婦は注文の方法に確信が持てないままでした。

結果、最後まで、自分たちだけで注文できませんでした。

実は、その店は、自分が店に行ったごくごく最近になってそのシステムを取り入れたらしく、以前にその夫婦がこの店を利用したときには、店員に対して普通に注文するシステムで、メニューも食べ放題以外のモノがあったそうです。

以前のような注文システムを想定していたために、老夫婦の混乱の具合も増していたのだと思います。

さておき、とにかく、注文の方法や料金体系について一つ一つについて確信が持てないため、一つ注文するごとにああでもないこうでもないと、非常に迷った挙句にきちんと注文ができないというそういう事態に陥っておりました。

つまり、一つ注文するたびに確信が持てないので、不安になっておろおろとしてしまうという、非常にストレスフルな状況下に置かれていたわけです。

食事を楽しむために飲食店に来ているにもかかわらず、非常にイライラとした時間を過ごされていたようでした。

その状況をなんだかなあと思いながら見ていました。

お手伝い

本来であれば店員の仕事なんでしょうが、機械導入に伴って接客専門の店員の数を削減したようで、ホールにはほとんど店員がいませんでした。

ので、老夫婦のサポートがろくにできないわけです。

ですから、仕方がないので、自分がサポートさせていただきました。

そしたら、奥様は、旦那さんに注文伺いをするごとに、こちらに注文の方法を尋ねてこられるようになりました。

つまり、「おとうちゃん、お肉は?」⇒「おにいちゃん、お肉はどうたのんだらええの?」の繰り返しです。

この質問は結局、注文の方法が慣れないものであることからくる不安が大本にあるものなので、何回注文の方法を丁寧にお教えしても、絶対にこっちに質問が来ました。

まとめて注文するという機能もあったので、それを使って注文をある程度まとめることで注文の回数を減らしましたが、結構、お構いさせていただいたようにおもいます。

店のサービスが残念だなぁと思うと同時に、文明の利器は凶器にもなりえると思った瞬間でした。

別の50台後半あたりの夫婦の話

さらにその隣の席に、今度はまた別のご夫婦が座られました。

その方たちは、さすがに、食べ放題のシステム自体は問題なく対応してらっしゃったのですが、やはりタッチパネル式の注文様式には非常に戸惑いを感じていらっしゃったです。

ですが、この方たちは、注文の方法について何回かご助言差し上げると、特に問題なく操作ができました。

操作性に確信が持てたからだと思います。

このことから学んだこと

大きくは以下の二つです。

  • 自分がサービスを提供するときは、自分にとって、とても便利なものが他の人にとっても便利であるとはかぎらないということを考えて提供すること。
  • 想定外のことが起こった時に対応ができるだけの、人的、金的、時間的余裕を以ってシステムを構築しないと、想定外に対応できない。

昨今の医療では、医療費が足りないという事が頻繁に言われておりますし、それは作業療法においても例外ではありません。

だからこそ、上記二つの教訓は、きっと今後の人生で生きてくるだろうなとおもってます。

おわりに

考えたこと、もうひとつ。

便利なものを便利に使うためには、どんなコトが必要か。

便利なものが沢山ありあまるほどにある昨今においては、こういう視点をもって、いろいろな道具について考えてみることも必要なことかもしれません。

【3Dプリント】最新3D技術が、医療の常識を根底からくつがえす?【凄い】

はじめに

想像以上に3Dプリンターの医療への影響は大きいのかもしれません。

身体障害領域、特に整形外科領域で働く作業療法士はじめ、作業療法士もこの技術と無縁ではいられないのではないでしょうか。

つい先刻、こんなつぶやきをしました。

3Dプリンターが、ちょっと目を離した隙に、いろいろなところで使われて、どんどん新しい試みが出現しています。

このトレンドはしばらく続くと思ったので、3Dプリントが活躍している例を紹介します。

 

活用用法

耳をつくる

Bioengineers print ears that look and act like the real thing

片耳を損傷したり、あるいは、先天的に、片方の耳だけが無いといった人には、すごく耳寄りな情報です。

なんと、正常な方の耳の形をスキャンし、それをプリントアウトすることによって、いとも簡単に耳が作れるんだそうです。

侵襲性も極めて低く、コストもかからず、短期間で制作できる。

凄くいいことづくめ。

頭蓋骨換装

Man Has 75 Percent of His Skull Replaced with a 3D-Printed Implant

タイトルで分かると思いますが、頭蓋骨の75%を、3Dプリンター製のものに置き換えましたよという記事です。

何を言ってるのか、わからないと思いますが、ひろえもんにも分かりませんでした。

骨折したから、ボルトを埋め込むとかそんなちゃちなもんじゃぁだんじてねえぜ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

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いつの間にか、時代に置いてけぼりにされる、そんな感覚。

脳波で動く義手(3/17追記)

十代の若者が脳波で動く義手を3Dプリントで製作

しっかり、義手の制作にも生かされておりました。

ちなみに、各所で話題を呼んでいるそうですが、その義手は独学で作り上げたそうです。

凄すぎる。

おまけ

「3Dプリンター銃」が米国で物議、規制推進派からは反発の声

実際に発砲できる拳銃を、3Dプリントを使ったら簡単に作れてしまうよねという、なんともアメリカらしいマッチョな話題。

素晴らしい技術も、使う人によってこうも差が出るものですね。

日本ではあまり「脅威だ」という話題はききませんが、これは、弾丸の入手が困難なためと思われます。

おわりに

非常に、3Dプリンとは、データさえ用意できてしまえば、なんでも作れてしまうので、非常に応用範囲の広い技術です。

3Dプリント技術については、以下のブログが詳しかったので、よろしければご覧ください。

3Dプリンターについて「クローズアップ現代」の7分42秒では伝えられなかったこと

3Dプリントでモノづくり。なんだか、楽しそうですね。

追記:

3Dプリントについて非常にわかりやすい記事がありました。

これさえ読めば絶対分かる! 話題沸騰中「3Dプリンター」の秘密 – デジタル – 日経トレンディネット (公開期間が終了したため現在参照できません。)

余命を告知することで、訴えられたらしい。

以前書いた記事の終わりの方で、告知する方がスタンダードになってきているという事に触れました。

関連:「人間」とは何か? TVアニメ「まおゆう」第9話のメイド姉の演説のかきおこし

しかし、今回、逆に、告知をしたがために、訴えられたパターンがあったみたいです。

ひろえもん個人といたしましては、遺族と、医療関係者との間に十分なコミュニケーションが取れていなかったという、ありきたりなところに原因を求めてみるのが現実的なきがしていますが。

余命告知で治療できず死亡 遺族が徳島大提訴

医師から余命告知をされた母親が精神不安定になり、がん治療を受けられず死亡したとして、遺族が4日までに、徳島大病院を運営する大学に慰謝料など約4500万円の損害賠償を求め、徳島地裁に提訴した。

訴状によると、2011年3月、徳島県内の70代の女性が余命数カ月と診断され、徳島大病院に入院。子どもたちは余命を知らせないよう病院側に申し出たが、医師が本人に「このままだと数カ月。完治することはまずない」と伝えた。

女性は深夜徘徊など精神的に不安定になり、病院にいる方が危険だと医師が判断。通院で治療を続けたが、十分な治療を受けられず12年4月に死亡したとしている。

2013/03/04 18:06 【共同通信】

しかし、余命数ヶ月という統計値と比べると、長く生活ができていた点を考えると、十分な治療ができていなかったとは言い難いと思うのですが、告知をした後に女性が家に戻って生活をしていたみたいですから、家族が相当な苦労をしていたのかもしれません。わかりません。あくまで推測です。

しかし、4500万円とはまた巨額。

病院が新しい訴訟対策マニュアルの策定に取り掛かるのも時間の問題かもしれません。

いずれにせよ、より詳しい情報が出てきたら、また追いかけてみたいと思います。

町内会という組織 ~過ちに気が付いた、十年前の五十代と、ある種の諦め~

はじめに

今日は、地域に関する話題。
飲食店でのおばちゃん(初老)のお話を聴いて、考え知られたこと。

なかなか衝撃的だったので、ご紹介いたします。

状況

おひるごはんを食べました後、飲食店で少し参考書を読みながら過ごして居ました。
すると、集中力が途切れてしまいました。

そして、長居していたおばちゃん四人組のお話が耳にとまりました。
その内容は、地域に関することでした。

それはそれは考えさせられるものでした。

内容の詳細

まとまりに乏しいですが、具体的には、次に記すような内容です。

ご存知の方も多いと思いますが、地域には、大体町内会があります。
そこで、ある程度の役割があり、助け合いを行っているという背景があるようです。

しかしながら、働き盛りの世代は、全くそのような仕事を引き受けることが無いとのこと。
「仕事があり、そちらが忙しいので、町内会の仕事までできない」
と、いうのが主な理由です。

そして、自分の親が、介護などが必要になったりして、地域の助けがないと生きていけない段になってから、にわかに町内会の仕事をしたり、ご近所づきあいを始める人が多いとのことでした。
つまりに、必要性に迫られるようになってからご近所づきあいをするようになる人が多いとのこと。

それが、おおよそ60才前後。
いまの60代は確かに若い。元気。

だけど、いかに若いと言っても、40代くらいの助けがないとできないことも、実際には、割とある。
しかし、そういった人たちは、町内会の仕事を引き受けてはくれない。

そして、自分たちだって、引き受けてこなかった。
だから、何も言えない。

いまは、まだやれている。
町内会の仕事も何とかまわっている。
だけども、あと10年、あるいは、15年立った時に、きっと、今のままでは、町内会という組織はなくなっているのではないか。

まだ、その土地で、大きくなった人は、町内会や地域に対して関心を持ってくれることもある。
しかし、よそから引っ越してきた人たちは、そんなことに見向きもしない。

まあ仕方ないよね。
でも、どうなるんだろうね。

そんな内容です。

自分を振り返ると

実は、自分は、そういった、町内会関係の役割や、活動とは無縁のまま大きくなりました。
人によっては、信じられないかもしれませんが、町内会の仕事とか全く手伝ったことありません。

なので、実のところ町内会とは、どういった組織で、どのような役割があるのかということについて、ほぼ知識がありません。
おそろしいことに、割と代々その土地にて、暮らしている家なんですけど、こんな感じです。

あまり、新しく人が引っ越してくるような土地柄でもないんですが、ごくごくまれに、引っ越してきた人とのかかわりは、本当に道ですれ違った時に、あいさつをする程度です。
これは、実は、とんでもなくまずいことなのかもしれません。

そして、リハビリテーション的観点からみると

作業療法でも、 「これからは、地域だ」などといわれている。
病院で面倒を見るだけの、医療費を維持することは、人口ピラミッドとかを見ても、明らかに不可能です。
だから、当然、できることなら地域で暮らしていこうという発想になるのだと思うのです。

でも、ひょっとすると、その基盤となってくれるはずの、地域というものが、単なる幻想にすぎないのかもしれないという、そんなことを考えさせられました。
そんなわけで、おばさまたちのお話は自分にとっては、相当興味深いものでした。

このおばさま方のしていた会話は、凄く日本の構造的な問題をズバッと言ってるなあと思う処がありました。

「帰る場所」であるはずの、地域というものが、そもそも、存在しない、そういう未来が、もう、目の前に迫っているのかもしれません。

おわりに

このままでは、良くないことが、きっと将来起こるんだろうなということは、間違いないと思います。

難しいことはよくわかりませんが、地域というものを、もう一度、見つめなおすような、そういう社会全体としての動きがひつようかもしれません。

ひろえもん個人としては、必要だと思います。

「今の日本人にはないかもしれないもの」。あるいは、豊かさと引き換えにして、失ってしまうかもしれないものについて。

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はじめに

今日は、中国のニュースの紹介とそれについて、です。
まず、紹介しようと思った理由について簡単に。
まず、内容について、純粋に「凄い」とおもったこと。
そして、「もし、自分が、両親の立場だったら?」とおもったこと。
あるいは、「日本では、どういう解決を見るだろう?」と考えたこと。

などなど、いろいろ思うところがあったということが、ご紹介いたします理由です。

ニュース概要

冒頭でも紹介したように中国での出来事です。
かいつまむと、

・主人公は夫婦
・息子は、オートバイの事故で、自発呼吸困難
・経済的な理由から、病院には入院できず
・そのため、なんと、二年間も、人力で、手動のビニール製ポンプをつかって呼吸を介助
・負担を減らすために、作成した、自家製人工呼吸器も、電気代節約のため、日中は使用できない
・介護は24時間必要
・息子は意識清明

なかなか、衝撃的です。

もし自分が両親の立場だったら

正直、息子の介助をすることをためらうかもしれません。
もちろん、子供の命が、たとえどんな形であっても、永らえることは、それは、親として無上の喜びです。
しかし、自分の子供が、たとえば、「もう死にたい」といったとき、自分はどうするだろうと、考えた時、結局答えは出ませんでした。
きっと、その時になってみないとわからないのだと思います。

しかし、実の息子とはいえ、これだけの介助を二年間も続けた、それはすごいことだと思います。

もし日本だったら

きっと、即、病院でしょう。
そして、必要に応じて、呼吸を介助するための装置が、保険によって、準備されると思います。
きっと、多くの場合は、電気代を気にすることもないと思います。

また、介護疲れが、ニュースになったりするように、ここまで頑張ることはできないと思います。
家族をフォローするための、何らかのサービスが必要とされるでしょう。

今回ご紹介したニュースで、夫婦が、そうしたサービスを利用できない背景には、こんな事情があるようです。

 中国当局はこの10年間で健康保険制度を広く拡大し、農村部もその対象になっているものの、給付額は少なく、重症患者や慢性疾患の患者は医療費を家族に頼らざるを得ない。

AFPBB News

経済規模を拡大しているとはいえ、中国でこれです。
国際社会と比べると、日本は、恵まれすぎているくらい、福祉が充実しているのだという現実にぶち当たった感じがしました。

さいごに

いろいろすごいと思いましたが、こういうセリフが、言うことが、一番すごいなあと思いました。

夫の敏足さんは国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に、夫婦共々「あきらめようと思ったことなど1秒たりともない」と語った。「わずかでも生きるチャンスがある限り、わが子の命をあきらめる親などいないでしょう」

AFPBB News

人として、生きる上で大切な観点を、教わったと思います。
こういう気持ちって、豊かな生活をしていると、そうでない場合に比べて、意識することが少ないような気がしています。

あとは、バイクをはじめとした、交通事故の恐ろしさも、意識するべきだなあと思いました。

参考:自家製呼吸器で息子の命支える中国の夫婦 - AFPBB News 

続・生保患者診たくないんで、内科医やめる。と言う増田。

以前こちらで取り上げた、お医者様の増田の続編がありましたのでご紹介いたします。

患者様に対して、医者をはじめとした医療職は基本的に攻撃的な態度を取ることはありません。

その人が、いくら社会的に間違った行動をとったとしても、それをことさらに取り上げることは、しないことが多いはずです。

ひどい人の場合には、きちんと警察に通報するようなマニュアルもあったりしますが、それが活用される状況というのは極めてまれだと思います。基本的には、通報まで行かずに、病院側で対応することになるのでしょう。

そして、そういった状況が社会的に公表されないでいると、結局現場が疲弊してしまうのでは無いかと、この記事を読んで感じました。

以前にも書きましたが、本当は医療的な措置が必要なのではなくて、他の何かを求めて生活保護の方は病院を受診することが多いのだと思います。

それに対する対応を、行政主導でもなんでも構わないので、とにかく誰かがやっていかないと、一生懸命働いている人が働く気をなくしてしまいます。

これは、社会的な損失だと、自分は考えます。

よく言われるのが、医者を一人育てるまでに必要になっている社会的なコストですが、実際には医者の資格をとってからの経験や、学習などそういった面も考慮すると、1人の有能な人間がその現場で働けなくなると言うことは、非常に大きな損失だと、自分は思います。

他の医療の職種にしてもそうです。医療スタッフは、基本的に患者様と問題を起こすような発言をすることがなく、患者様によっては、どうしてもそのような医療スタッフに依存してしまう方もいらっしゃいます。そういった特性を、きちんと見抜いて、治療的に応用するということができればそれが最善なのですが、なかなかそこまで実践できる人はいないのでは無いでしょうか。また、そういった高度な対応を行うためには、気持ち的にも体力的にも余裕が必要で、日常的に激務の中で働いているような、人間にはなかなかイレギュラーというか、普段行っていることと違うことをいきなりやるエネルギーは無いのではないかと思います。

つまい、そういった対応を専門的に行ってくれるような職種がいると、全体の構造としては安定するのではないかと言うことです。そして、OTは結構そういうところが得意なのではないかと、個人的には思うのです。

その人を全体的にじっくりと評価して、ICFに基づいて瞬間的な判断をして、相手と関わるというのには相当な熟練が必要だと思います。こういったことが、日常的に行われているOTは、生活保護の人が抱える心理的、あるいは、習慣的な問題にも結構アプローチが行える強みがあるのでは無いかと思います。

以下、元の文章より引用です。

http://anond.hatelabo.jp/20121123003130

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■続・生保患者診たくないんで、内科医やめる。
http://anond.hatelabo.jp/20121121194852
の元増田です。思いのほか反響があり、びっくり。
個別の質問には答えないけど、いくつか代表的な意見に関して補足を。

タイトルについて

「色々あって内科医やめる、つうか生保うざい」とでもしたほうが正確だろうね。
どうあれ、これまで俺が感じてきたモヤモヤの多くにからむのが生保患者問題であり、辞めるにあたっても最後に背中を押したのは間違いない。

非医師だろという意見に対して

これでどうかな。http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3652048.jpg.html
テキスト類は職場じゃなく家に転がってたやつだから、ちょっと古いね。
まあ別に謝る必要ないです。ていうかこっちがすまんね。ディテールをぼかし、抽象化して書いたのは俺なんで。

創作、釣りだろという意見に対して

これは証拠出すの無理。まさか一件一件カルテの中身を張るわけにいかないし。m3.comであったね、医療訴訟のカルテを掲示して問題になったことが。
ところで、福祉事務所に生保の行動を通報するためにカルテを抽出することは問題なのかな?俺が今考えてることなんだけど。

なんで患者の保険の種類が分かるの?

これは電子カルテ化されてるので簡単。数秒もかからない。例えばスズキさんで検索するとこうなる。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3652050.jpg.html
何個か代表的な苗字でやってみたけど、生保は地域住民に占める割合とそう変わらない。
紙カルテの病院ならば、表紙(1号用紙とよぶ)に保険の種類が書いてある。そして、紙だろうが電子だろうが危ない患者の見分けはつくようになっている。
紙の場合は表紙の隅を塗るとかね(例:赤は要注意、黒はブラックリスト)。最近病院で俺の扱い違わね?と思ったら自分のカルテ表紙をよく見るとよい。

この文章主観だよね?

その通り。生保の受診行動についてきちっとしたデータを出すなら、保険の種類をマスクした上で、マナーやら服薬コンプライアンス、
アドヒアランスを定量化して、保険その他患者属性と一緒に多変量解析なんかしてみるといいのかな。それを多施設で。ちょっと無理な気もする。
この文章はほとんどが俺の主観にすぎない。でも医療関係者なら大なり小なり感じてることだと思うんで、近くにいたら尋ねてみるといいかもね。

科を変わるのがそんなに簡単なわけがないだろ?

誰がすぐいっぱしに働くと言ったか。修練を最初からやり直すという意味だ。
俺はまだ若手だしね。認定医とって、自分の外来持って数年。専門分野は勘弁してくれ。身バレしてしまう。
転科すると給料はまた修練医レベルに落ちてしまうが、これまでの業務で感じた苦痛に比べたら大したことはない。

その病院だけ辞めれば?内科諦める必要なくね?

当直や救急のない病院に行けばいいのか。そうもいかない。俺は今、大学医局の所属だ。
大学医局が用意する民間病院のポストは中核病院がほとんどだ。当直や救急のない病院などない。つまり悪質生保の来襲も避けられない。
そして若手ごときが医局人事に逆らって関連病院を辞めるといったら、それは医局を辞めるってこと。
いや実際もう辞めると言ってきたんだけど。院長よりも教授に事情を説明するのが大変だったな。
さて、今後医局人事外の病院に就職しても、それなりの病院で修業しようと思ったら生保周りのいざこざは避けられない。
こんな生活を50や60になるまで続けられる?続けてなんになる?と思った時に、足が前に進まなかった。
かといって検診医・バイト医になって内科っぽいことを続ける、というのも先が暗いと思った。
自我崩壊せずに生きていくためには、もっと自分に合った分野でキャリア構築を最初からやり直すしかない。
科が変わると、元の内科仲間の前では働きにくいかもしれないって?他の地方に行けばなんということはない。
俺、地元を離れた出身大学になんとなく残ってしまったクチなんで、単に戻ればいいだけなんだ。
もう言っちゃうと、放射線診断医になることにした。地元の病院に今度専門医になった同期がいて、「うちで修業しろよ」と誘ってくれてる。
元々学生の時から画像診断と内科で進路悩んでたしね。
そうそう、臨床検査科についてだけど、技師だけじゃなくて医師もいるよ。少ないけど。
病理と臨床検査は、どっちもずっと大学べったりじゃないと修練できないから、やめた。

生保って病院経営的には優良顧客では?

そうだとしても、彼らの素行がスタッフの士気に与える影響の方が問題で、生保患者の多量取り込みは中長期的には予後不良であると考える。
あと、勤務医は自分の病院が経営的にヤバイことに関しては無関心。事務がどう思ってるかは知らんけど。
部長クラスになると「おたくの部門回転率低いよ」みたいな突き上げがあるが、本質的に、勤務医には病院そのものに対する忠誠心はない。
望む医療を実現したいとか、先輩のようになりたいとか、偉くなりたいとか金が欲しいとか、自分自身の価値観に拠って立つ人がほとんど。
どうせ医局人事で転々とする身だしね。究極、働こうと思ったらどこでも働けるし。「逆に考えるんだ、病院がつぶれちゃってもいいやと考えるんだ」
一般の患者には気の毒なことになるけど、日本はまだ病院多いからなんとかなるだろう。

お前も食わせてもらってる立場だよね?

まず税金で食ってると思ったら間違いで、病院の収入イコール人件費のメインは健保から。
社会保険も広義の税と解釈しても、保険診療があるおかげで国際水準より安く医療を提供できて(させられて)いる。
だから感謝しろと増長するつもりはないが、逆立ちしても食わせてもらっているという意識にはならない。
現行の保険制度が崩壊したほうが病院の儲けは増えるよ。施設間の格差は広がるだろうけど、全体として医療費が増える。
そこのところ、心に留めておいてほしい。

生保患者なら慎ましくしろというのか

まあその通りっていうか、当たり前だと思うのよ。せめて普通にしろと。
俺は五体満足だし普通に教育受けて医者にもなれて、友達もいるし二親揃って元気だ。自分が幸運なほうだと自覚している。
これがもし困窮した身になったら、生まれた環境が悪かったら、と想像すれば、そりゃ助け合いは大事ってことくらい分かる。
そんな時に生保みたいな制度があったら、ああ、ありがたいなあって思うだろうよ。でも現状の生保患者の態度は、何ですかあれ。

自身の労働環境問題と生保問題を混同している

そうかもね。内科だけでなく、この国で前線部門で医者やるには色んな問題があるって、働いて分かった。
日本では一次救急が機能しておらず、二次救急病院で〇.一~二.五次救急まで対応していること。
本来は精神救急主体の症例まで一般病院に運ばれてしまうこと。薬出すだけ出して救急対応しないクリニックの存在。
応召義務の理不尽さ。当直明けで普通に働かされてること。これらはそれぞれに解決しなければならない問題であると思った。
でも俺は頑張ってたよ。誰かのために役立ちたいと本気で思ってた。嬉しい経験も、充実感も使命感をおぼえることも一杯あった。
その裏で、いつも生保患者様がボディーブローを一発ずつくれていった。今じゃもう、何をしてもあいつらの顔がちらつくんだ。
俺は最前線ではもうやっていけない。ここからは俺じゃない誰かが頑張ってください。全ての善良な国民の健康を祈ってます。