変形性膝関節症の作業療法の基礎知識概要

精神疾患の方って、薬の影響や生活習慣などで、肥満の方がわりとおられます。

ということで、膝への負担が高く、結果として変形性膝関節を患っておられる方も少なくありません。

昨今、高齢化が進んでますますポピュラーになりつつあるこの疾患について改めて整理して見たいと思います。

変形性膝関節症とは

そもそも変形性膝関節症とは、(変形性関節症:osteoarthrits=OA)は、膝関節を構成する組織に慢性の退行性変化と増殖性変化が起こり、関節の形態が変形してしまう疾患です。

簡単に言うと、関節の構造が変化して、問題が起こる疾患です。

ということで、膝関節の正確な解剖学の知識が必要になりますね。

膝関節の構造

膝関節は、骨・軟骨・筋肉・靭帯・その他から成り立ちます。

膝関節を構成する骨は、大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨です。

軟骨

半月板があります。

筋肉

・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
太ももの表側の筋肉群。大腿直筋(だいたいちょくきん)、外側広筋(がいそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、内側広筋(ないそくこうきん)の4つの筋肉の総称で、主に膝を伸ばす働きをする

・ハムストリングス
太ももの裏側の筋肉群。半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)の3つの筋肉の総称で、主に膝を曲げる働きをする

・腓腹筋(ひふくきん)
ふくらはぎの筋肉。膝の裏側で大腿骨とつながっている。つま先を上げるように足首を曲げる働きをする

・膝窩筋(しつかきん)
膝の裏側にある小さな筋肉で、大腿骨の外側と脛骨の内側を結んでいる。膝の後方外側の安定性を守り、膝関節を伸ばしたり、内側から外側にひねる(内旋(ないせん))機能をもつ

靭帯

膝関節を構成する靭帯は、

  1. 外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)
  2. 内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)
  3. 前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)
  4. 後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)

の4つがあります。

組織

半月板(はんげつばん)
ひざ関節の左右に1対ずつある三日月状の軟骨組織で、それぞれ外側半月板(がいそくはんげつばん)、内側半月板(ないそくはんげつばん)という。半月板の上部は凹の形をしており、凸の形をした大腿骨の先端と合致する受け皿のようになっている。膝関節を安定させる働きと、ジャンプした時などの膝への衝撃をやわらげるクッションの役割をもつ

・軟骨(なんこつ)
関節を構成している骨の表面(先端)をおおう4~5mmほどのツルツルしたクッション材。コラーゲンが主成分でスポンジのような構造をしている。軟らかく弾力性があり、骨と骨が直接ぶつかるのを防ぎ、関節のスムーズな曲げ伸ばしを実現している。関節軟骨に圧力が加わると潤滑液がしみ出し、圧力が減ると関節液が吸い取られ関節液中の栄養が軟骨に補給される

・関節包(かんせつほう)・滑膜(かつまく)・関節液
「関節包」は関節を包む袋状の組織。その中には透明で粘り気のある「関節液」が入っている。
関節包の内側(関節腔)には滑膜という組織があり、関節液を分泌して関節の動きを滑らかにする。また、滑膜は関節の軟骨に栄養を供給する。関節液(滑液(かつえき))はヒアルロン酸を主成分とする液体で、その量は数ccと微量だが、関節がなめらかに動くための潤滑油として重要な役割を果たす

膝関節の分類

膝関節は細かく、「」と「」に分類されます。

変形性膝関節症の分類

  • 膝蓋大腿型
  • 混合型
  • 内側型
  • 外側型

という、損傷部位に基づく分類と

原因がわかっているかどうか(一次性:原因不明、二次性:外傷や、炎症)による分類があります。

統合失調症に遺伝子の突然変化との相関関係を発見 名大研究

精神科の作業療法士にとっては身近な病いである、統合失調症に遺伝子を切り口にした新しい視点が発見されました。

統合失調症は未だに謎の多い病い

統合失調症は、謎の多い疾患です。

症状に対して名前をつけているだけなのか、それともそうした症状が見られる方々に共通する原因があるのかどうかも、いまひとつ明確になっていません。

ある遺伝子の変異と統合失調症の発症の相関が発見された

そうした中で、名大の研究によって統合失調症の方と遺伝子の突然変異との間に関連性がある可能性が示唆されました。

統合失調症患者の9%に、発症に関係するとみられる遺伝子の突然変異があることが、名古屋大大学院医学系研究科の尾崎紀夫教授(精神医学)らのグループの研究で分かった。突然変異の割合は健康な人の約3倍多く、今後、ゲノム(全遺伝情報)解析を、統合失調症の診断に生かせる可能性があるという。(室木泰彦)

上記の発見の影響は

統合失調症の原因が明らかになれば、よりターゲットを明確にした治療薬が開発できる可能性が高まります。

研究は始まったばかり

あくまで、新しい切り口の可能性が示されたというものです。

とはいえ、上記でも述べたように、今回の研究が統合失調症の方全員に当てはまるというものでもないことを考えると、まだまだ解明の途中です。

作業療法士としては、統合失調症の方がよりよく生活できるように、そっと支えるということが今までもこれからも重要なミッションであり続けることは変わりなさそうです。

参考

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20160621142249417

 

 

いよいよ第50回日本作業療法学会の事前登録開始。なんと3000円もお得。

事前登録受付開始

北海道なので思い切りが必要ですが、第50回日本作業療法学会の事前登録が6月15日から始まっております。

トップページのお知らせからも入れますが、一応リンク貼っておきますね。

第50回日本作業療法学会の事前登録

事前登録で、12000円ですが、当日登録に比べると、3000円ほどお安くなるようです。

支払いは、銀行振込または、クレジットカードということです。

今回、自分は日程的な制約もあり、参加できるかどうかは正直微妙なのですが、参加できる方が羨ましい限りです。

もし行けたら、とりあえず、北海道の海の幸をたくさん食べつつ、いろいろな方の発表をしっかりと聞きたいですね。

抄録集の取り扱いの変更

ちなみに、今回の学会から、毎回送られていた抄録集のCDの配送が無くなったそうです。

正直、使ったことがなかったのですが、そういう方が多かったのかもしれませんね。

代わりに、インターネットから閲覧・ダウンロードするようになったようです。

抄録集のダウンロードは、まだできないみたいですね。

紙媒体の方も、当日配布ということになったそうです。

世の中はいろいろ変わってますね。

それぞれの作業療法士がそれぞれの作業療法の定義を持っているのがいいと思う理由

作業療法の定義については、当サイトでも掲載しています。

ふと、あらためて定義について見つめなおしてみようと思いました。

先行する作業療法のイメージは手工芸?

ひょっとすると、作業療法のイメージが手工芸が強いかもしれません。

しかし、作業療法の範疇とするものは、その人の生活全般をふくむものです。

特養や老健では具体的な活動をその人の活動性やその人らしさを引き出すための手段として手工芸を用いるのは非常に理に適っているし、生活の場を支援するはずの訪問介護で手工芸に偏っていたらそれはなんだか違和感がある。

全てに共通する作業療法の定義は難しい

ですから、すべての作業療法士に共通する作業療法の定義は、どうしても抽象的にならざるを得ないですね。

それぞれの作業療法士が現場で実践している作業療法の具体的内容には、非常に幅がありますし。

ですから、「ひとがおこなうこと」をつかうリハビリテーションはすべて作業療法と定義してしまっても問題ないのではないかとすら思います。

必要なのは作業療法士各個がきちんと作業療法を説明できること

そのかわり必要なのは、どうしてそれが必要なのかについての説明責任をきちんとはたすことができるかどうかです。

大切なのは、それぞれの作業療法士が、「だから、これは作業療法です」と胸をはって、当事者とその周囲の人々、同僚に説明ができることだと思います。

そして、そのための作業療法の定義を、日々の実践の中で浮き彫りにして形にしていくことが、大切なのではないでしょうか。だから、それぞれの作業療法士がひとりひとり作業療法の定義をしっかりともっていることが必要になるとおもいます。

そして、作業療法士は、作業と人と社会をつなぐ触媒のようなものでありたいですね。

(✿╹◡╹) 〜 全文引用

はてなブックマークで、話題になっていた投稿が作業療法っぽいなと思ったので、引用してシェアします。

(✿╹◡╹)あなたのしあわせは なんですか

(✿╹◡╹)わたしのしあわせは なんだとおもいますか

(✿╹◡╹)きょうのよるごはんは おいしかったですか

(✿╹◡╹)おふろにゆっくり つかりましたか

(✿╹◡╹)あしたは おやすみですか

(✿╹◡╹)それとも おしごと がっこうですか

(✿╹◡╹)よふかし しますか

(✿╹◡╹)にどね なんかいもしてみますか

(✿╹◡╹)はやおき してみますか

(✿╹◡╹)ここちよいあさひをあびて

(✿╹◡╹)すこしあついひざしをうけて

(✿╹◡╹)あしたも あなたがしあわせでありますように

(✿╹◡╹)あしたも あなたがえがおでいられますように

(✿╹◡╹)きょうも いちにち おつかれさまでした

(✿˘◡˘)すこしはやいけど おやすみなさい よいゆめを

ほんわかしますね。

ふとした日常が、大切にできること。

やっぱりとても大切ですね。

引用元:

http://anond.hatelabo.jp/20160617213313

リハビリテーション職が当事者も社会も元気にするために意識するべき必要なたった一つのこと

私自身、自分が作業療法士になってから、今までの間にいろいろと悩むことがありました。

その中の一つに、『どこを向いて仕事をしているのか』ということがあります。
病院の中で作業療法士は、少数派です。
看護師や介護士の方が多い職場では、作業療法士が共通認識として、当たり前と思ってること、いわゆる暗黙知の部分は、通用しないことが多いです。
当然、患者様のために働くべきなのです。
しかし、時と場合によってはそうでないことがあるのは、昨今の老健や特養での利用者の方への虐待に象徴されるように明らかであると思います。
それは、なぜ起こるかといえば、病院や施設の経営者の怠慢であり、医師をはじめとした責任者や管理職のマネジメント力の不足であり、実践者である現場職員の倫理観や実務能力の欠如であり、それらの総体としての資本主義優先体質にあると思っています。作業療法士の優柔不断さも。
個人の働き方や価値観は尊重されなければいけませんが、あんまりユルいとフリーライダーが増えたり、発言力のあるおかしな人がおかしなことをしても、それを誰も咎められないという、おかしなことが起こります。
そうなると、だんだんみんながどうしたら自分の立ち位置を守ることができるかということに苦心するようになり、本来の仕事とは関係のない所にエネルギーを注ぐようになってしまいます。
こうして生じる、ムリムダムラは、働き手からも、サービスを利用する患者様やその家族さんからも、元気を失わせることになりかねません。
働いて、その結果が、単に施設の儲けになって、おしまいというのではあんまりだと思いませんか?
私個人の話をすると、そういう現象がいくらか垣間見える時があって、落ち込んだりもしました。
きっと、多くの施設で真面目に利用者のために働きたいと思っている人にとって共通の話題ではないでしょうか。
こうしたモヤモヤ感、決まりの悪さ、違和感を解決するのは、やはりきちんとした暗黙知を形成できるかどうかだと思います。
この人はこう言う仕事をする人だ、こんなことをお願いしたら解決してくれる、という、そういう認識をどこまで持ってもらえるかということだと思います。
そして、その暗黙知のチェック体制を整えることだと思います。チェックは、患者様やその家族に行ってもらうのが一つ筋だと思います。
ですから、相手がキチンとチェック、評価ができるように『私たちはここを売りにして仕事をします』と、きちんと相手に明示しないといけないと思います。
そして、それが実際に行えているかどうかの確認、チェックは患者様や他のスタッフと一緒に行えたら良いと思います。
そうすることによって、自分がどこを向いて仕事をしているかが周囲に伝わり、周囲から要求されることも、一定の傾向がでてきます。
そうすることによって、ムリムダムラが減り、対象者の方のために使える時間が増えていくはずです。
もうお判りかと思いますが、ムリムダムラをなくして働くために必要なたった一つのことは、自分がキチンと宣言をして働くということです。
そして、それが、人と繋がり、協業するために必要不可欠だとおもいます。社会参加の実現にもつながっていくのではないでしょうか?
こうすることで、大変な面もありますが、自分のやりたいことやるべきことが整理されて、すっきりして働けると思いますよ。

突然の不調 いつもの日常をどのように支えるか

突然患者さんが不調になった。

ということは、よくあります。
が、それって本当に突然なのかなー、と思うことがあります。
実は、患者さんは自分なりになんらかのサインを発していて、それを単純に見逃してしまっているだけではないかとおもうことがあるのです。
自分の話をするとなんとなく、調子がわるくても、それって自分の心の持ちようでは、と思うとなんとなくそれを周りに伝えることができないことってあります。
それは、心配をかけまいとする思いだったり、自分のことを話して相手を面倒な気持ちにさせてしまわないだろうかという、周囲からの拒絶に対する不安だったりします。
「こんなこと人に話すことじゃないな、自分でなんとかしないと」
という、そういう思いにとらわれて、なんとなく周囲に直接言葉にして伝えることができないことってありますよね。
私たちは、自分のことを相手にきちんと言葉にして伝えることをついついためらいがちです。
それは、患者さんもきっと同じだとおもうのです。
もしかしたら、障害によって傷ついている分それ以上かもしれません。
あるいは、うまく言語化できなくて、なんとなく心地悪い感じがしていても、きちんとそれを表出できなかったり、知覚して整理することができないかもしれませんね。
そういう人が、小さな不調が積み重なっていつしか目に見える大きな不調が生じることはよくあることなのではないでしょうか。
ともすると、セラピストと患者さんの関係性が悪化する事態にもなりかねませんし、そうすると作業療法士として高いパフォーマンスを発揮して働くことは難しいんですね。
そうならないよう細やかな配慮が、必要です。
そのためには、何が必要でしょうか。
そういう不調の波に思いを馳せて、自分のこととしてわかろうとする努力が必要です。
そうすれば、患者さんが突然不調になることは少なくなるはずです。
小さな不調に気がつくことができるからです。
そして、その関わりの中にうまく作業を使えたら、作業療法士として言うことは無いのだと思います。
そして、常に気軽に話せる関係性が必要です。
そこでも、作業をどんどん使いましょう。
一緒にいることで、互いが安らぐ関係性が作れたら最高ですね。