2017年の末、日本の作業療法(OT)は割と崖っぷちだと思う13の理由

今年までの経験の作業療法の上っ面で、若手風情がわかったようなことを勘違いして書いた記事です。ご無礼仕ります。

先が見えないと言う若い作業療法士が多すぎる

作業療法(OT)が発展するためには、若い作業療法士が、どの程度活躍できる余地があるかが大切だと思っています。

就職して3年すると、その仕事がどんな仕事なのかが見えてくるものです。

日本全体がそうですし、どの企業も将来が見えないので、作業療法だけがそうと言うわけではありませんが、しかし、3年勤めて作業療法がよくわからないと言う作業療法士多すぎませんか。

将来が見えないという作業療法士が多すぎませんか。

若い作業療法士も、将来に向かって自分でアクションを起こしていくことが必要だと思います。

そして、その仕事をより多くの仲間と共有する取り組みを始めるべきだと思います。

しかし、そうはなっていない。

そうなる気配がない。実際に始まっている取り組みが、若手の作業療法士に届いていない。

作業療法の臨床に限界を感じて教育へ行く人が少なくない

作業療法士のうち、教育を志す人の全員がそうではないことは断っておきます。自分の作業療法の研究のために、教育機関に身を置く人もいるでしょう。

しかし、能力の高い作業療法士がこぞって教育に行くのを見るとなんだかなあと言う気持ちになります。

作業療法士のキャリアプランとして、一番儲かり安定していて、将来性が見えるのが教育ってなっちゃってるのも大きいかもしれません。

しかし、業界の構造としてはよろしくないと思います。

人材の交通整備が必要です。

しかし、そのようにはなっていない。

作業療法士の多くが働く病院のパイは縮小する

作業療法士は、病院で働いている人が多いです。

一方で医療保険も介護保険も、生活保護も、今後社会の中の労働人口が減少するので、削られることになると思います。

給料は絶対に増えないので、そのへんは多くの人がなんとなく重怠い雰囲気を感じているところなのかもしれません。

業界全体としては、病院勤務の人が多いので、あんまり元気がなくなって行くかもしれませんねん。

作業療法を必要とする人は、必ずいるにもかかわらず、です。

新しい提案をできる人が少ない

若い作業療法士も、中堅の作業療法士も、リスクテイクするのが難しい。

安定志向ではイノベーションは起こりようがありません。

危機的状況をなんとかすることができるのは、イノベーションだけです。

イノベーションとは新しい仕組みや人のライフスタイルを作り出すような新しい提案のことです

サラリーマンとして働いているのみでは、新しい挑戦は難しいと思います。

その挑戦は、新しい提案を社会に行うこととセットですが、その余裕がないように見えます。あるいは、作業療法士には血の気が足りないのでしょう。優しいですから。

ITへの依存が低い

作業療法士を結婚を境としてやめる人もいます。

そして、別の仕事をする人も。

残念なのは、積極的にやめる人よりも、後ろ向きな理由でやめる人がいることです。燃え尽き症候群と、職場の人間関係を理由とさるる人が多いですよね。

前者は、とにかく忙しさ。

書き物とか、書類とか、そう言う仕事で、疲弊する人が多すぎる気がします。

できること、仕事量、マンパワーに対して、実際の仕事が膨大であるならば、優先順位をつけて、できる限りITにぶん投げて本質的な仕事に集中することが必要だと思います。

本来的にやるべき仕事は、対象者の方の生活をより良くする可能性に賭けることであり、その他は本来オプションですから、自動化できるものはどんどん自動化するべきです。

後者は、職人気質がいきすぎてたりする場合でしょう。

「上の人が言うから、何も言えない」につながるリスクがあります。

これでは、作業療法対象者の利益を優先できないと思います。

若手のやりがいを削ぐ要因の最大のものがここにあると感じています。

組織の風通しを適度に良くするには、号令が重要ですし、合理化も必要でしょう。

そして、そのためのツールとして、ITは非常に強力なツールです。

資源の再利用性が低い

具体性が高いと言うことは、再利用性が高まれば、勝負ができると言うことです。

資源の再利用性が高まれば、大きなコストカットにつながり、顧客である作業療法対象者の利益が増えると思います。

子育て世代が仕事を気楽にできない

作業療法士は、女性の割合が多いのですが、仕組みが女性向きじゃない。

女性のライフスタイルに合ってない。

女性の感性に合ってない

であるからして、

作業療法士の前に立つ女性が育成されない

女性の割合が多い組織なのに、上に立つための技術やスキルを身につけている女性が少ない。

トリッキーでユニークな男性ばかりが目につく現状。

パイオニアクラスの面白い女性の作業療法士はたくさんいるのです。

その先生がたのせいで、ハードルが上がりきってしまっているのかもしれません。くぐればいいのにね、

堅実な現場の結果が、きちんと上に上がっていかないことが、その原因ではないかと思います。堅実な結果を出している作業療法士はたくさんいるでしょう。それをきちんと表現することが十分でないと思っています。

そして、自己主張をすることは、悪いことではないのですが、性分ではないのでしょう。何分にも「人の組織」には合わない性分ということです。

作業療法士は言葉で語るより、背中で語る方が得意なので、そこをもっと補うような何かがあればいいのです。

「それ」がないのです。

現状、仕組みとして、学会発表という仕組みがあります。

が、そのためのコストも捻出が難しいというのが、今を生きる女性作業療法士の実際なのでしょう。

この辺の支援がないのがヤバいですよね。

今の作業療法は複雑すぎる

世の中がシンプルであれば、作業療法はシンプル。

今の世の中は、情報量が増えてどんどん複雑になる。

作業療法が世の中に焦点化しすぎれば、作業療法に必要なコストは際限なく上昇して行くことでしょう。

そうなれば、再現性はどんどん低下して行くこととなります。

学習コストが高いと、新しい人材は育ちませんゆえ、結構深刻な問題なり。

人間の本質は変わらない

焦点を当てるべきは、人間とはどう言う生き物なのかと言うプリミティブなところと言うところは、作業療法の原点とも言うべきところで、ぜったに動かしてはいけないところだと思います。

結局のところ、そこから意識が遠のいていると、作業療法は力を失うでしょう。

エビデンスとは、何に対するエビデンスなのか、そこが人間の本質に結びついていないと、作業療法はとんでもない危機に瀕する、でしょう。

確かに、社会経験の少ない新人類が、作業療法士になると色々大変なので、上の世代の中堅作業療法士はつくづくそんな世代だなあと思いますが、それでも人間の本質は変わらないと言うことを若手が悟るまで粘り強く育てるしかないでしょう。

作業療法のエビデンスは一定の複雑さよりもシンプルにはならない

これは、作業療法にとって一番致命的なところでしょう。

作業療法に関わる多くの人が感じているところではないでしょうか。

観測も記録も、分析も一筋縄ではいかない。

因果関係はおろか、相関関係の証明にすら、非常に多くのコストを必要とする。

さらに、そうして時間をかけて出したエビデンスを理解するにも、一人一人に多くのコストを必要とする。

この仕組みをなんとかしないと、いけないと思います。

ここがなんとかできることが、作業療法を次のステージに進めるポイントになると考えています。

作業療法が変われる兆候がない

作業療法は、もっと劇的に変わらなければならないと思います。

それは、今後社会が劇的に変わって行くからです。

しかし、人間の根源的なもの、感情や情緒にスポットライトを当てつづける不断の試みこそが作業療法には必要です。

変化と堅持の、そのバランスがうまく取れないで苦しんでいるのが今の作業療法です。

だからこそ、今の作業療法のより良い変化に向けた歩みは、もっと加速しなければなりません。

作業療法士が「時代の次の先」を読めない

作業療法は、

今、この時点と

作業療法の対象となる方が観ることができる少し先の未来を

取り扱う

とするならば、作業療法士の仕事はそのさらに先の未来を読み解くことが、専門職としての責務なのではないかと思います。

これから、未来は変わり続けるでしょう。

どんな風に変わるでしょうか?

例えば、いずれ、車の自動運転が当たり前になる世の中がくるでしょう。

自助具は、当たり前のように生活を自在に変えるでしょう。

おそらく、義手や義足の方が、人間の手足よりも便利になる世の中がくるでしょう。

そんな未来で、作業療法士ができる、仕事は、かなりたくさん増えるでしょう。

しっかりと作業療法士が将来を見据えた勉強や研究を重ねて行くことができれば、です。

そう言う勉強がシンプルにできるようになれば、

そして、そういう未来がいずれの現実のものとなると、

そのように思います。

そういう勉強が次の時代を形作る原動力となると確信しています。

しかし、あまねく日本中でそのような勉強ができるようなインフラが整っていないことが、最も

「やばいな」

と思いマす。

まとめ

逆に、上記の理由をなくせば、

作業療法の未来は明るい。

それに気づく人が増えれば、

作業療法の対象者の方の利益は増える。

それが、大事なこと、です。

 

来る年はそのための1年としたいと思います。

複数スタッフでのレクリエーション運営は、目的を明確化しないと齟齬が生じる

集団レクリエーションを行うときに、最近またあらためて感じるようになったことがあるのです。

それは、何人かで協力してレクリエーションを運営するときに、わかりやすく直感的にコンセプトや価値を示せるかということがとても重要だということ。

活動の面白みを明確にして、具体的な実践で感じてもらうということです。

 

そして、もう一つ大事なのが、そのコンセプトなり価値なりをきちんと言語化して感覚を言葉にして表すこと。

そうしないと、その場を共にした人の間でその時は共有できたことも、次回に行うまでの間の時間でズレが生じてしまいます。

そのズレは、レクリエーションの不全感「なんだかうまくいかないなあ」という感覚として自分のところに帰ってくることになり、やがてそれはモチベーションの低下につながります。

 

コンセプトや目的は、簡単な言葉で表現できればそれが一番良いと思います。

たとえば、面白いことをするというコンセプトがあるとしたら。

言葉や提案の仕方によって、なんの変哲もないような活動がどうやったら面白くなるかを追求します。

その活動の目的が、たとえば対象者の人をいかに笑わせるか(気分転換・精神的リフレッシュ)にあるとしたら、その効果を実際に本人に聞いてみて、面白かったかどうかを尋ねてみればいいわけです。

最初にその辺りが明確になっていれば、具体的な取り組みに関して振り返って検討しやすくなり、その内容が今後に生かしやすくもなるのではないでしょうか?

 

その具体的な取り組みについて言語化して、論文なんかにまとめることができたら、より多くの人にその経験を伝えるkともできますし。

きちんと情報化を試みる、だれかに伝えられる形で情報を保存するというのは大切なことなんだろうなと思います。

臨床にて仕事でぐったりしてしまったときほどやるべきこと

「作業療法士の仕事は多岐に渡ります」を地でいく今日このごろ。

最近担当が変わって、仕事が終わったらぐったりしてます。

が、意識してることがあります。

ふりかえり。

次に実践すること、狙うことの明確化。

この2点の確認だけしておけばオッケー。

新しい場所で新しいことを始めるのは大変なことだけれども、いずれ慣れるはず。

慣れれば、枝葉末節は楽にこなせて、本当にやるべきことに集中できる。

その見極めができるようになるためには、やっぱり反省によって実践を情報化することが欠かせないですし、次にやることが明確になっておけば、事前準備でばたつかない。

そうすれば、今度は同じようなぐったり感を味わわなくても住むわけで。

次は、違う事でぐったりしてたとすれば、それはきっと、素晴らしいことなんだろうなと思います。

作業療法士が勉強会をするときには、実施前に狙いたい結果を目標設定として掲げるべき

勉強会が始まる前に、「この勉強会の目的って何ですっけ?」と尋ねるのが良いかも分かりません。

作業療法士が複数人いる職場ではよく、部署内研修といいますか、事例検討会みたいなことをすることが多いとおもわれます。(ひろえもん調べ

ちなみにうちの職場にもあります。

カンファレンスがなんとなーく情報を上げて検討するだけの場所になってるとしたら、もったいないなあと思いながら、この文章を書くことにしました。

自分のことなんですけどね。

勉強会にもいろいろな性質の物がありますよね。

対象者の方に対するプログラムや介入の切り口を検討するものであったり、

現在行っているプログラムの効果や結果について検討するものであったり、

はたまた、あたらしい概念や知識を勉強してみるためのものなのか

そして、そこには、勉強会の主催者が狙っている目標や、目的というのがきっとあるはずです。

自分が勉強会をさせていただくときには、かならず、「今日はみなさまとこんなことを共有したいと考えています。」というメッセージを語ってから本題に入るようにしています。

ですが、そうでない勉強会もあるにはあります。

とりあえず始まって、いつの間にか終わっている。

手渡された資料を眺めているうちに、いきなり「こんなことについて話し合って下さい」と言われる。

などなど。

そんなときには、話が何処に向かってるのか分からずに迷子になってしまうことも多々あります。

「まるで、痴話げんかをする男女のように」

といったら言い過ぎかとは思いますが、お互いイメージすることが違いすぎて噛み合ず、いたずらに時間を消費するだけになってしまうこともあるように思います。

そうならないためには、その勉強会で全員がどんなことをして、その結果としてどんな成果が得られることを狙っているのかということについて、やはり明確にしておくことが大切なのではないでしょうか。

作業療法士がプログラムを立案するときには、きちんとゴールを明文化するはずです。

多分それと同じプロセスが、作業療法士の勉強会にも必要ではないでしょうか。

きちんと結果のでない勉強会をするくらいなら、1秒でも多く患者様に関わっていた方がマシですから。

もちろん、きちんと目標設定していたとして、狙っていたことと違う結果が得られる事自体は何の問題も無いし良いことだと思います。

以上。

書類をためないためにするべきたった一つのこと

書類たまるんですよ、ひろえもんは。
ためてるつもりはないのですが、いつの間にか山積み。
それの締め切りが迫ってきて、日常業務を圧迫し出すという。
そもそも、書類が貯まる理由ですが、日常業務と平行してるから。
というこの悪循環。
抜け出すには、隙間時間を見つけるのが有効だと思います。
が、見つけただけだと意外と貯まるんですよね。
何でかなーと思ってあることを試したらうまく行きました。
それは、メモすること。
やること専用のリストを作ること。
いわゆるTODOメモってヤツです。
これを常に携帯しておくと、もれなく忘れることもなく隙間時間にコツコツと、書類をやっつけることが出来ました。
やってみての感想ですが、何でも応用が利くなあと思いました。
基本的なことで、今更感はありつつも、その有効性を感じたので、記事にすることで共有したいと思います。

大手企業が使ってるビジネスの世界のノウハウは作業療法でもつかえるかも?

もちろん、マイナーチェンジやカスタマイズは必要だとおもいますけれど。

でも、正解の確かめ様のないフィールドで結果を出す為のノウハウってのは

ビジネスの世界にはたくさん在って

それってきっと、

答えの無い世界で日々もがいているわれわれ作業療法士にも

きっと役に立つ物なのではないかと思うのです。

たとえば、トヨタのカイゼン方式、

あるいはセブンイレブンのアルバイト教育システム

非常に参考になるなとおもいます

最近良く話題になる「PCDAサイクル」についてもそうですよね。

これって、作業療法士が普段業務中にやってることだったりします。

自分たちがやってることと、

世間一般のビジネスマンがやってること

共通点が見つかれば、説明もしやすいと思いませんか。

ビジネスモデルとか、

ミニマルな経営学とか

そういう一見取っ付きにくそうなところにも

作業療法に役立つ内容が転がってるのではないでしょうか?

「生活行為向上マネジメント」って何?よくわからないのでいち作業療法士が調べてみた結果

最近、作業療法界隈で、

「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」

という言葉を最近よく耳にするのですが、正直「???」でしたので調べました。

追記:2017/12/24 加筆修正

はじめに

なんとなく、現在進行形の概念なんだなあということは、知っていたのですが、積極的に関わる事の無いまま現在まで来てしまいました。

が、とある本の著者に実際にお会いしまして、「これ(生活行為向上マネジメント)を積極的に活用しないなんて!!」という趣旨の発言を頂きました。

ひろえもん、いち作業療法士として、個人的に何となくショックでした。

ので、勉強してみることにしました。

以下そのまとめです。

「生活行為向上マネジメント」とは

作業療法士の取り組みを説明する新しい枠組み

の一つということになるそうです。

そもそも、このあたりから全くわかっていませんでした。

要するに、

「生活行為向上マネジメント」という概念は、

『作業療法のプロセスを表すツール』

らしいです。

また、

「作業療法の標準的な形を一般の人に示すための物である。」

とのことです。

いわば、作業療法士でないと今ひとつピンと来ない「作業療法」という概念について、世間一般に積極的に発信をしていくために新しく作り出されたツールであるようです。

生活行為向上マネジメントの概要

概念図は以下の通りです。

seikatukouikoujomanejiment.png©︎日本作業療法士協会

人間の生活が、「生活行為の連続」によって成り立っていることを示す図ということになるそうです。

この「生活行為」という言葉は、作業療法におけるいわゆる「作業」の意味と等価だそうです。

「作業」という言葉だと、誤解や認識の齟齬が発生する可能性が高いので、新しく「生活行為」という言葉を作り出したと、こういうことになるようです。

MTDLPにおける生活行為の構成要素

生活行為はこの概念図では5つに分類されています。

ADL

IADL

仕事・生産活動

余暇活動

社会参加活動

ADL

「日常の身の回りの活動」にあたりますね。

服を着替えたりとか、食事を食べたりとか、自己維持活動とか言われるやつです。

IADL

「家事などの生活を維持するための活動」にあたりますね。

買い物とか、そういうやつです。

仕事・生産活動

「仕事などの生産活動」にあたります。

要するにお金を稼いで、生活を維持するための原動力となるような生活行為ですね。学生だったら、ここに勉強が入ってくるのかなとも思いますが、どうなんでしょう。

余暇活動

「趣味などの余暇的作業」にあたります。

人生のお楽しみというか、人生に潤いを与えてくれる、そういう活動のことですね。

典型的に紹介されるのはスポーツや、レジャーなどでしょうか。

とにかく、その人が楽しいと思えるような活動だったらなんでも当てはまると思います。

社会参加活動

「地域活動などの作業」にあたります。

通学路の交通整理のボランティアとか、祭りの実行委員会とか、そういう活動が地域活動などの作業にあたると思います。

他人と何か社会的意義のある活動を展開すると、ここに入ってくると思います。

「生活行為向上マネジメント」制作の経緯

生活行為向上マネジメント(MTDLP)が、出来るまでには、「一般社団法人作業療法士協会(OT協会)」と国との間に、以下のようなやり取りがあったみたいです。

・OT協会、高齢化社会ふまえて、国に対して提言行う

・国から「OTの社会的認知度および影響力って正直大した事ないよね?」とストレートかつ容赦のない返答

・OT協会「んじゃ、社会的認知度あげるし有効性示すわ」

生活行為向上マネジメント作成

こんな感じらしいです。

あくまで、伝聞ですけれど、日本作業療法士協会の偉い人にたまたま聞いたので多分あってると思います。

「生活行為向上マネジメント」の成立・完成

最初は、高齢者への作業療法の有効性を示すをコンセプトに始まった「生活行為向上マネジメント」は2010年に完成したのですが、

「急性期をはじめとする医療の現場や入所施設、介護職とOT連携ツールとしての活用の可能性を検討して」

完成させたとのことです。

あくまでわかりやすさ最優先な感じですので、齟齬ありまくりだったとしたらご容赦いただき、より良い記事を書いていただきたくお願い申し上げます。

生活行為向上マネジメントの具体的内容

「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」は、作業療法のフローを抽象化したツールになってます。

だから作業療法士には、違和感の無い内容と言えます。

意味のある生活行為に焦点を当てた支援が、生活行為向上マネジメントの至上命題

「意味のある生活行為」とは、「意味のある作業」というやつです。

まあ、「意味がある」から「作業」なのです。

それらをどのように支援するか、という作業療法士のプロセスをある程度固定化させたものが、生活行為向上マネジメント(MTDLP)なのです。

「生活行為聞き取りシート」「生活行為アセスメント表」「生活行為向上プラン表」の3つのメインシート

作業療法士の支援プロセスを具体化したものということで、

生活行為向上マネジメントには、「生活行為聞き取りシート」「生活行為アセスメント表」「生活行為向上プラン表」の3つのメインシートが存在します。

これらのシートは作業療法士が一般的に行う

作業療法対象者への聞き取り

評価

介入プログラムの立案

という3つがそれぞれ、集約されたものになっており、内容にも連続性があります。聴取や、支援プログラムの立案の際には、対象者の方の家族の意見にも焦点を当てており、より柔軟に双方の意見の調整やそのマネジメントを行うことがそれらの要旨です。

コラム 生活行為向上マネジメント活用の未来

以前参加した講演の中で、講師の方が面白いことを言われておりました。

なんでも、「将来的には、シートをOT利用者が自ら記入し、OTのもとに相談に来」てもらえるような構想もあるのだとか。

そういう人は、作業療法士の助言を必要としない可能性が非常に高いという点を除けば非常に良いアイディアだなと思いました。

その辺が、生活行為向上マネジメントの難しさなんだろうなと思います。

生活行為向上マネジメントの用紙をまとめると

生活行為向上マネジメントは、

いままで作業療法士がやってきたオーソドックスな作業療法の形を

ツールとして誰でもできるように形にしたもの

生活行為向上マネジメントのより詳しい情報について

「生活行為向上マネジメント」は現在進行中のプロジェクトであり、これについては調べたら調べただけ新しい情報が得られるような状況だとおもいます。

要するにきりがない感じがいたしました。

ので、今回はきっかけ程度の内容にさせていただきます。

申し訳ございません。

代わりといってはなんですが、今回参考にさせて頂いた内容についてご紹介させていただきます。

生活行為向上マネジメントの流れと各書式
http://www.jaot.or.jp/wp/wp-content/uploads/2011/04/h22rokenjigyo-report2.3.pdf

平成23年度老人保健健康増進等事業
<生活行為向上マネジメントの普及啓発と成果測定研究事業>
http://www.jaot.or.jp/members/h23kenkyujigyo-roken/

作業療法ジャーナル 2013 5月号
https://www.miwapubl.com/products/detail/1428

おわりに

要するに国や社会に対して、作業療法の認知度を如何に高めていくかというテーマに対する一つの答えが、「生活行為向上マネジメント」なのだとおもいました。

そういう意味で、このサイト「作業療法.net」のコンセプトと丸かぶりで、ひろえもんとしては、今後も応援していきたいなーと思うところです。

「作業療法」の認知度が高まると、それを必要とする人に作業療法というコンテンツをリーチする事が出来る可能性が格段に高まるはずなので、作業療法の認知度を高めるという試みは、誰かが何らかの形でやらないといけないんだとおもいます。

ひろえもんはひろえもんで出来る事を、ちまちまとでもやっていきたいです。

はい。

まとめ

生活行為向上マネジメントは、

作業療法を実践を(で)語るためのツール

移乗の介助のときに現場の人が腰痛にならないために、必要だなあと現場の人間として思うポイント「移乗知っ得ナレッジ&テクニック」まとめ

はじめに

移乗がすっかり板について、とんでもなく上手になりました。

ひろえもんです。

実習のときに、あんなに苦手だったのに、短期間でこんなに上達するとは思ってませんでした。自分で思い返してみても、とても不思議です。

先輩にいつか腰をやると言われたのは今は昔、同僚の先輩方から「うまいね」と素でほめられる程度には上達しました。

思わず自画自賛してしまうくらいにうまくなってしまいましたので、そのままの勢いで突っ走って記事にしてみたいと思います。

きっと、わりと多くの人の役に立てるのではないかと思います。

ijo.png

OTSもちろん、介助職のかた、看護師の方にもよかったら、見ていただきたいなあと思います。

てなわけで、拡散希望す。

あと、我流な面もあるので、間違っている場合には指摘いただけると大変嬉しく思います。

あと、長くてすみません。

厚生労働省の見解

ご存知のかたも多いかもしれませんが、この6月に厚生労働省は「職場における腰痛予防対策指針」って言ういうものを改訂しておいでです。

そのなかには、介護や看護作業による腰痛って言う部分に対しての明確な言及があり、厚生労働省的にも「腰痛問題やばいなあ」と認識していると言う事が伝わってきます。

抱き上げに関してなどは、「労働者の腰部に著しく負担が掛かることから、リフトなどを積極的に使用し、原則として人力による抱き上げは行わせないこと」と明記している。

また、「福祉用具の使用が困難で人力で抱き上げざるを得ない場合には、適切な姿勢においてできうる限り身長差が少ない2人以上にて作業すること」

(from http://www.qlifepro.com/news/20130623/revised-low-back-pain-prevention-measures-guideline-ministry-of-health-in-the-workplace.html)

はい。

ということで、まあ、厚生労働省的には、

「1人でがんばった結果腰痛になられて、使い物にならなくなったら損失なんで、物で工夫するなり、2人でがんばるなりしてくださいね」

という感じです。

より詳しく知りたい方はこちらどうぞ。よくまとまってます。

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」改訂について 公益社団法人 全国有料老人ホーム協会

現実問題として1人でなんとかしないといけない場面は多い

とはいえ、道具が無い現場も、道具を使う時間がない現場も、人員が十分に確保できない現場も山ほどあると思います。

要するに、ケアの対象となる方の移乗を1人でスピーディーに、かつ自分も相手も安全に行う事が求められます。

なんだかんだいって、介護市場の経営者って労働者側に対して、結構シビアに時間と金のノルマを科してくる人も多いですよね。

んだもんで、そのためには、ある程度の知識と技術を身につけておく必要があります。

それが、自分と対象者の方の安全と快適さを保証する事に繋がっていくのではないかと思います。

移乗知っ得ナレッジ&テクニック

では、どんな知識や技術を身につけたら、腰を痛めず、ひいては、余計な力を使わず、楽に介助ができるのでしょうか?

ひろえもん小柄で体作りもろくにしていないので、技を使わないと移乗なんか絶対に無理です。逆に言えば、技を知ればだれでもラクに移乗できるようになります。

ありとあらゆる移乗動作は、細かい部分は違えど、意識しなければならないポイントはどれも大きくは同じです。

ですので、今回は、「ベッドから車いすへの移乗」を意識して記事を書かせていただきたいと思います。

さて、それでは、ひろえもんが普段使ってるテクニックと意識している部分に基づいて、書いていきます。

1.車いすの位置

というか、段取りの問題カモ知れません。

とにかく、一番最初に車いすをベッドに寄せたり、多機能な車いすが使用できる場合には、手すりやフットレストを外してみたり、リクライニングや座面の傾きを調節してみたりして、移乗する際の妨げにならないようにします。

慣れないうちは時間がかかりますが、できるようになると、移乗の際対象者の重心を自分が高く持ち上げる必要がないため、腰をやるリスクがかなり変わると思います。

車椅子をあれこれするためには、ある程度触れてみてからの知識が必要になるので、OTSの皆さんは、休み時間とかに許可をもらって、バラしたり傾けたり自分が乗ってみたりをお勧めします。

すると、移乗に対する理解がより深まるように思います。

2.ベッドの高さの調節

介護が必要な方が利用する最近のベッドは、電動で動くものが主流になりつつあります。

これらは、大体腰の位置を中心として「頭の高さ」「足の高さ」「ベッドの高さ」がリモコン操作で変更できるようになっています。

移乗の際、車いすによっては、手すりが外せないため、対象者の重心を高い位置に持ち上げる必要がある場合があります。

このとき、ベッドの高さをあらかじめ高くしておけば、自分で持ち上げる必要がないので、腰を壊すリスクは低くなります。

3.ラクする秘訣は”てこの原理”

てこの原理ってのは、あれです。

「してん、りきてん、さよーてん」

のあれです。

これを毎日、唱えているといつの間にか、ほとんど力を使わずに、患者さまがおこせます。

嘘です。

唱えるだけでなく、実際に使う事が必要になります。

「いまいちよーわからんですのう」というOTSさんはこちらの本がおすすめです。

直接移乗については書いてないですが、てこのついでに運動学が学べる上、就職してからも役立つ充実の内容なので、変な教科書2冊買うよりかなりお買い得です。

最悪、中学校の理科の教科書を引っぱりだしてもいいかもしれませんね。

4.重力を使う

自分と相手の体重を使うと言い換えてもいいかもしれません。

ベッドから、患者様を座位にする際に、この原理と合わせてつかうと、ラクができます。

5.密着する

自分の体の重心上に、相手のからだの重心を持ってきましょう。そのために、きちんと対象者に正しく密着する必要があります。

これがてこの原理の真骨頂です。

すると、普通に立ち上がる動作をするように、下半身に力を入れるだけで、ラクに対象者のからだを持ち上げることができます。

これをマスターすると、移乗の対象者がわりと大柄な人でも全然イケるようになります。

6.腰よりも足を使う

解剖学で習ったカモ知れませんが、回旋での脊椎の可動域はお世辞にも広いとはいいがたいですね。

患者様を持ち上げ、移乗する際、足を動かさずに腰をまわすと、いつか靭帯をいためる気がします。

移乗対象者の体の向きを変更する際には、しっかりと自分の足を動かして、時分ごと方向転換するのが良い気がします。

7.対象者の残存機能をフル活用

対象者ができる事を引き出すために、こちらがしんどい思いをするだけというのはつまらないと思います。

どうやったら、自分もラク、相手もラクに移乗ができるかを考えます。

下肢の筋力が残存しているのであれば、きちんと自分の足をつかって立ち上がっていただきましょう。

機能維持に繋がるだけでなく、共同して一つの課題に取り組むときのあの充実感がお互いに味わえるのではないでしょうか?

そのためには、移乗対象者のことがしっかりとわかっていないといけませんのでいろいろと情報収集が大切になりそうですね。

8.無理だと思ったら諦める

その場合には、2人がかりでやるなり、道具を使うなりするべきだと思います。

無理した結果として、対象者さんがけがをしてしまうような事態だけはなんとしてもさけなければなりません。

おわりに

介護やPTOT看護は、移乗動作、病棟によっては多分毎日やる事ではあると思うのですが、2人で、「平行移動」するばかりでは、上達しません。

経営者サイドの都合で、いつ人員が削減されるとも限らない訳で、1人で正しく移乗できるようなテクニックを身につけておくことには、自分自身にとってもメリットがあることだとおもいます。

なにより、対象者の方ができることを奪わないために、できる事なら、多くのひとに1人での移乗についてマスターしてもらいたいなあと思います。

学生さんにおかれましては、色々経験不足、知識不足等で大変かとは思いますが、「なにがリハビリテーション?」と考えながらがんばっていただきたいと思います。

「人の話を上手に聞く」するべき3つのこと しない5つのこと

ラポール形成のため「聞く力」を鍛えるためのポイントです。

なるほどなあと思いましたので、共有する記事です。
こちらのサイトから転載させていただきました。

こういう系の記事はよくあるんですが、読むたびになるほどなあと思うのは、きっと何も成長していない証で(空笑)。

作業療法士に必要な「聞く力」

作業療法士の仕事は、主に「評価」「介入」の繰り返しによって行われます。

その両方に、「聞く力」は重要です。

なぜなら、「評価」は文字どおり、作業療法対象者の方から話を聞くことによって情報を聴取するというプロセスが重要であるからで、「介入」を実行しながらその妥当性や感触を確かめるには、対象者の主観の聴取が必要が不可欠だからです。

で、その「聞く力」は、先天的な要素のみで形作られているわけではないので、練習すれば身につけることができるということです。

さて、では、どんな風にすれば身につくのか、そして、きちんと話してもらうためにはどんなことをやってはいけないのか。

それを確認して、日々の作業療法の実践に活かしたいわけです。

聞くのがうまい人の3つの特徴

では、話を聞くのがうまい人はどんな人か。

以下のような特徴があるそうです。

人の話を聴くのが上手い人はどうやってるか

    1. 相手が話し中だと相槌しかうたない
    2. 相手が話さないときは相手にまた質問する
    3. 目を見て話すが目ではなく鼻を見てる(そのほうが疲れにくいから)

一つずつみていきましょう。

1相手が話し中だと相槌しか打たない

要するに、自分の言葉で、相手の話を遮らないということです。それと同時に、相手に自分が相手の話に注意を傾けているというメッセージを発信するために相槌は非常に有効な方法であるということですね。

相手の話がワンセンテンス終わるまで、余計なことを言わない、じっくり聞く姿勢をもつというのは、作業療法士として、高齢者の方に関わったり、精神疾患のある方と一緒になんらかの活動をしているときに強く感じるところです。

相手の話を遮ることなく、きちんと聞いていることによって、相手は、自分が尊重されているという体験をし、そこに信頼関係が生まれる可能性があります。

自尊感情が傷ついている方や、心理的な傷を負っている方には、作業療法士が支持的な存在であることを表明する非言語的な手法として非常に重要です。

2相手が話さない時には相手にまた質問する

的確な質問には、相手の発言を注意深く聞いて、自分と相手の関係性を踏まえた上で発言をすることが求められます。

相手の発言を注意深く聞くということは、一言も聞き漏らさないということではなく、相手が重要だと思っている内容と、そうでないと考えている内容を判別しながら話を聞くということです。

それによって、作業療法士は、相手の趣味や嗜好、重要視していることやりたいと考えていること、価値観などに少しずつ近くことができます。

踏み込んで良い適正な距離感を示しながら、ここでも相手に興味を持っていること、自分が支持的な存在であることを示唆しながら、相手を尊重した質問を行うことが非常に大切です。

3目をみて話すが、鼻をみる

これは作業療法士としての業務経験上、かなり有効です。

対象者の方の目を見つめるというのは、よほど関係性ができていない限り、治療的に応用するのはかなり難しいです。相手の目を見つめ続けることには、親愛の情や攻撃の意思など、方向性の全く異なる様々なメッセージが含まれるからです。

とはいえ、きちんと相手に注意を払っていることを、態度で示すことも重要なので、その間をとって、相手の鼻とか目の少し下をみることによって、視線の拍子をずらすことは、意識できるできないに関わらず、相手の無用な緊張を退ける意味でそれなりに効果があります。

なお、自分は関係性ができてきたら、普段は、横並びになって目線の先を共有するようにして、相手と見つめ合うような状況ができないようにしています。意識的に。

その方が、同じ目線で、話を聞けるような、そういう気がしているからです。

とはいえ、最初から横並びで話を聞くのもなれなれしいでしょうから、関係性の構築過程にはこのような方法も大切ではないかと思います。

話を聞く時に、しない5つのこと

逆に話を聞く時にこれはやってはいけないということも紹介されていたので見ていきましょう。

人の話を聴くのが上手くなるためにやってはいけないこと

    1. 相手が話してるのを遮(さえぎ)らない
    2. 相手が何を認めて欲しいのか考えない
    3. 姿勢をのけぞらない(基本姿勢は少しまえ)
    4. 基本、正面に座らない
    5. 押し付けない(僕はこう思うけどどう思う?みたいなのがいい)

1相手の話を遮らない

相手の話を遮ると、ひょっとすると相手が、もっと大切なことを話そうと思っていたとしたら、その機会を奪うことになります。

そういう機会を奪う相手に、世の中の人は何度も話してみようと思える人ばかりではありません。

作業療法士は、すべての人から、なるべくうまく話を聞く技術が必要です。

実際の臨床では時間の都合もあるでしょうから、相手の言うことを遮らなければならないこともあるかもしれません。その時には、相手の発言を自分なりに咀嚼して「〜と言うことですね」と確認する形で遮ると、相手は自分の発言を遮られてもそこまでマイナスの印象を抱くことはないかと思います。

同様の場面で、相槌の代わりに、おうむ返しなどを活用すると、相手が考えながら喋る間を確保する効果も期待できるので、結構有効と思います。

2相手が何を認めて欲しいのか考えない

相手が大切にしていることを見極めようとしないままに、表面的に返答をしていても、結局関係性は深まらないし、「ああこの人は話を聞いてくれないのだな」と期待されることもなくなります。

期待してもらえない作業療法士ができる仕事はたかが知れています。

相手が、大切にしているもの、ことは、尊重する頭を常に持って作業療法士として仕事をしていきたいものです。

3姿勢を仰け反らない

これはもう、態度が横柄に見えると言うことと、話をしている本人からすると話半分に聞かれているなと言う印象を与えるからです。

作業療法士としては、治療的なメリットは何も感じられないので、対象者の方の話を聞く時には絶対にやめましょう。ありえません。

4基本正面に座らない

面接法などで教科書にも載っている通りで、お互いに無用な緊張を強いることになります。

正面に座ることで、対人緊張が高い人は、話もできなくなりますし、自分が話したいことや話している内容に集中できなくなります。

治療過程がスムーズに進まなくなることは、対象者の方が同じ時間で享受できる治療の量に如実に影響しますので、いち作業療法士としては重要な視点だと思います。

5押し付けない

「〜した方がいいよ」

などと言われて、そうですね!

と言える素直な人は世の中の人間の1割以下です。

表面的な話ではなく、深層心理の話です。

人のアドバイスを素直に聞けるように人間はできていません。

ですから、相手に直接的に指示的内容や、命令などを出すことはその後の自律的な行動パターンの形成に悪影響を与えます。

短期的には効果がありそうですが、長期的には実は効果の低い方法論であると言うのが作業療法士をしていて感じる実感です。

ではどうするかというと、質問で代用するのです。

誤解を恐れずにいえば、質問によって自分の口で指示したい方向に誘導します。質問によって相手が「本当はこうした方がいいと思ってるんだけども」と感じている部分を刺激して、その答えを自分の口から発言させるのです。

その日1日では効果が感じられないかも知れませんが、週単位月単位では、雲泥の差が出てきます。嘘だと思ったら、やってみてください。あっさり差が出て驚くと思います。

ポイントまとめ

この記事に書いているのは、「どう振る舞ったら相手は話をしやすくなるかなあ」と言う、あくまで一般論です。

もちろん、作業療法含む接客業においては個人によって対応の仕方を変えなくちゃいけないというのは当たり前です。しかし、一般的にはこうするといいよっていうのがわかっていると、作業療法士という自由度の高い仕事においては、いくらか気持ち的に楽です。

自分の中に、ポイントとして意識できているだけでも、自分の聞き方が問題ないかというところがチェックできるので、自分の臨床態度にも自身が持てるようになるかと思います。

上記の中で、自分が有効だと思うテクニックとしては、相手の話をきちんと聞いているということが伝わるような質問に添えて、提案や、発言ができると強いなあとよく感じます。
それに加えて、話している本人が時系列に沿って、あーだーこーだと、少しまとまりなく話していることを、びしっと要点を押さえて、その話をまとめて「あなたはこう感じたんだね」と、混乱しかけた本人の弁をまとめてうまく理解できるような、手助けとなるような形で共感が取れると間違いないです。

だって自分だってそういう人に話を聞いて欲しいですもの。

「ああ、この人は自分の話を聞いてくれて、わかってくれて、しかも共感の態度まで示してくれるんだ!」
という気になれば、やっぱり、自分はその人に対して悪い感情を抱くことはまずないと思うし、むしろ間違いなくその人とより親しくなりたいと思う、それが人間というものでしょう。

作業療法士としてはその辺をうまく、対象者の方の治療効果が最大化できるように使いこなしていきたいものです。

臨床では、作業療法士の共感的態度はとても大事

あとは、上にも書いてあるように、相手を否定しないというのも難しいけれど、非常に重要だなぁと思います。
相手がいうことが間違っている場合にも、それを否定しないでまず、いったん自分が引き受けるというか、相手が言っていることをそのまま繰り返したりして、相手が自分の言っていることを客観的にとらえることができるようなそういった手助けができることが、とても大切だとおもいます。

まずは味方であるということを認識してもらわないと、効果的な作業療法は始めようがありませんからね。

相手を否定しない態度は、作業療法士が味方であることを示し得る

終わりに

インテーク面接や、あるいは、作業の最中などに、会話を円滑に行うための「聞く力」という技術は必須だと思います。

最終的に、特に意識しなくても、あらゆる人とスムーズに会話ができるようになったらいいですね。

まとめ

作業療法士の「聞く力」は臨床力に直結する

ポイントを抑えれば「聞く力」は向上する