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「自分の体がどこにあるかわからない」── 固有受容覚の障害とは

固有受容覚(体の位置を感じるセンサー)の障害について、日常生活への影響と対処法をわかりやすく紹介します。

📅 2026年10月13日 公開⏱ 読了目安 7分

この記事のポイント

  • 固有受容覚は「目を閉じても体の位置がわかる」感覚。障害されると日常動作が著しく困難になる
  • 脳卒中、末梢神経障害、脊髄損傷など多くの疾患で障害される
  • 視覚代償、感覚再教育、環境調整を組み合わせたOTアプローチが有効

固有受容覚とは何か

目を閉じても、自分の手がどこにあるかわかりますよね。腕を上げているか下ろしているか、指を曲げているか伸ばしているか。

この「体の位置を感じる力」を固有受容覚(こゆうじゅようかく)と言います。筋肉や関節の中にあるセンサーが、脳に「今この関節はこの角度にある」「この筋肉はこれくらい力が入っている」と情報を送り続けています。

この感覚が障害されると、目で確認しないと体の動きがわからなくなるのです。

固有受容覚が障害されるとどうなるか

固有受容覚が障害されると、次のような困りごとが起きます。

  • コップを落とす: どれくらいの力で握ればいいかわからない
  • 暗い場所でふらつく: 目で足元を確認できないと歩けない
  • 字がうまく書けない: ペンを握る力やペンの角度がわからない
  • ボタンが留められない: 指先の位置がわからず、手元を見ないとできない
  • 階段が怖い: 足がどこにあるか感じられない

脳卒中、糖尿病による神経の障害、脊髄の損傷などで起きます。また、加齢によっても少しずつ低下します。高齢の方が暗い場所で転びやすいのは、固有受容覚の低下も関係しています。

評価方法

OTは固有受容覚の状態を調べるために、いくつかのテストを行います。

  • 目を閉じた状態で指や手を動かし、「今どの位置にあるか」を当ててもらうテスト
  • 目を閉じて片方の手で反対の手の親指を探すテスト
  • 異なる重さのものを持って「どちらが重いか」を当ててもらうテスト

これらのテストの結果から、どの程度固有受容覚が障害されているかを評価します。

作業療法的アプローチ

リハビリでの訓練

OTによるリハビリでは、以下のような訓練を行います。

  • 感覚の再学習: 目で見ながら手を動かし、その感覚を脳に覚えさせる。少しずつ目を使わずにできるよう練習する
  • さまざまな感触の物に触れる: 粘土をこねる、砂に触れるなど
  • バランス訓練: 安全な環境で、体のバランスを保つ練習

ご自宅での工夫

  • 照明を明るくする: 目で確認できるよう、特に夜間の移動経路を明るく
  • 手すりを設置する: 廊下、トイレ、浴室に
  • 段差をなくす: つまずき防止
  • 夜間のセンサーライト: トイレに行くときの転倒予防
ご家庭でできること

粘土をこねる、パンの生地をこねる、庭仕事をするなど、手に力を入れる活動が固有受容覚の刺激になります。ただし、力の入れすぎによるケガに注意してください。OTに相談して、安全にできる活動を教えてもらいましょう。


ポイント

まとめ ── 固有受容覚障害への対応のポイント

  • 固有受容覚は「体の位置を感じる力」。障害されるとコップを落とす、暗所で転ぶなどの困難が生じます
  • 脳卒中、糖尿病、加齢などさまざまな原因で障害されます
  • 感覚の再学習プログラムで回復を促すことができます
  • 照明の改善、手すりの設置など、環境調整が転倒予防に重要です
  • 「見えない障害」のため、ご家族の理解とサポートが大切です

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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