この記事のポイント
- サービス担当者会議はケアプランを話し合う場で、ご家族も大切な参加者の一人
- 「普段の様子」「困っていること」「こうなってほしいこと」を伝えることが家族の役割
- わからないことは遠慮なく質問してOK。メモを持参すると安心
サービス担当者会議とは
サービス担当者会議は、介護保険法に基づき、ケアプランの作成・変更時に開催される会議です。ケアマネジャー(介護支援専門員)が主催し、サービスを提供する各事業所の担当者、利用者本人、家族が一堂に会して、ケアプランの内容を検討します。
開催されるタイミング
- 新規のケアプラン作成時: 初めて介護保険サービスを利用するとき
- ケアプランの更新時: 認定の更新に伴う見直し
- 区分変更時: 要介護度が変わったとき
- サービス内容の大幅な変更時: 新しいサービスの追加やサービスの変更
法的根拠
居宅介護支援の運営基準(厚生労働省令)により、ケアプラン原案の作成にあたってはサービス担当者会議の開催が義務づけられています。ケアマネジャーがこれを怠ると、居宅介護支援費の減算対象となります。
サービス担当者会議とは、介護の計画(ケアプラン)をみんなで話し合う会議です。
ケアマネジャーが中心となって、介護に関わるいろいろな専門家と、ご本人、ご家族が集まります。
いつ開かれるの?
- 初めて介護サービスを使うとき
- 介護度が変わったとき
- サービスの内容を大きく変えるとき
- ケアプランの更新時期(通常6か月〜1年ごと)
「呼ばれたけど何をする会議なの?」と不安に思う方もいらっしゃると思います。安心してください。ご家族の声を聞くための大切な場です。
誰が参加するの?
サービス担当者会議の参加者は以下のとおりです。
- ケアマネジャー(介護支援専門員): 会議の主催者。ケアプランの説明と進行を担当
- 利用者本人: 可能な限り本人が参加することが望ましい
- 家族: 主介護者を中心に参加
- サービス提供事業所の担当者:
- デイサービス・デイケアの相談員や介護職員
- 訪問介護のサービス提供責任者
- 訪問看護師
- 訪問リハビリ担当(OT・PT・ST)
- 福祉用具専門相談員
- その他、関係するサービス事業者
- 主治医: 参加できない場合は意見書等で対応
全員が参加できない場合は、照会(書面での意見収集)で代替されることもあります。
会議には、こんな方々が参加します。
- ケアマネジャー: 会議を進める役割
- ご本人: 可能であれば参加します
- ご家族: あなたです
- サービスの担当者: デイサービス、ヘルパー、看護師、リハビリの担当者など
- 福祉用具の専門家: 車いすや手すりなどの担当者
- お医者さん: 来られない場合は書面で意見が届きます
たくさんの人がいて緊張するかもしれませんが、みなさんご本人の生活をよくするために集まっています。
会議の流れ
サービス担当者会議は、一般的に以下の流れで進みます。
開会・自己紹介
- 1ケアマネジャーが会議の目的を説明
- 2参加者が自己紹介する
- 3所要時間は30分〜1時間程度
ケアプラン原案の説明
- 4ケアマネジャーがケアプランの原案を説明
- 5目標・サービス内容・頻度などを共有
各事業所からの報告
- 6現在のサービスの状況を各担当者が報告
- 7ご本人の様子や課題を共有
意見交換・協議
- 8ケアプランの内容について意見を出し合う
- 9ご本人・ご家族の希望や心配事を聞く
まとめ・確認
- 10決まったことを確認する
- 11次回の会議の時期を確認
- 12ケアプランへの同意
家族の役割 ── 何を伝えればいい?
家族はケアプランにおいて「インフォーマルサポート」の中核を担う存在です。専門職が知り得ない日常生活の実態を共有することが、家族の最も重要な役割です。
伝えるべきこと
- ご本人の普段の様子: 自宅での過ごし方、できていること・困っていること
- 最近の変化: 体調・気分・行動の変化(よくなったこと・悪くなったこと)
- 家族が困っていること: 介護の負担、不安に感じていること
- ご本人・家族の希望: 「こうなってほしい」「こういう生活を送りたい」という目標
- サービスへの満足度: 現在利用しているサービスの感想・要望
質問すべきこと
- 「このサービスで具体的にどんなことをしてもらえますか?」
- 「費用はいくらかかりますか?」
- 「緊急時の対応はどうなっていますか?」
- 「ケアプランの見直しはいつですか?」
- 「何か変化があったとき、誰に連絡すればいいですか?」
伝えてほしいこと
事前にメモしておくと、当日スムーズに話せます。
- 普段の様子: 「家では〇〇ができています」「〇〇で困っています」
- 最近の変化: 「最近、〇〇ができなくなりました」「〇〇がよくなりました」
- 困っていること: 「夜中のトイレ介助が大変です」「一人で留守番させるのが心配です」
- 希望: 「できれば〇〇ができるようになってほしい」「こういう生活を送りたい」
聞いておきたいこと
- 「このサービスでは具体的に何をしてもらえますか?」
- 「お金はいくらかかりますか?」
- 「急に具合が悪くなったときはどうすればいいですか?」
- 「ケアプランの次の見直しはいつですか?」
- 「困ったことがあったら誰に連絡すればいいですか?」
A4の紙に以下の4つを書き出しておきましょう。(1)最近のご本人の様子(できていること・困っていること) (2)家族として困っていること (3)こうなってほしいという希望 (4)聞きたいこと。メモを見ながら話せば、言い忘れを防げます。
会議で気をつけたいこと
専門職への配慮事項
OTを含む専門職は、家族が緊張していることを前提に配慮する必要があります。
- 専門用語を避ける: 「ADL」「FIM」などの用語は、わかりやすい言葉に言い換える
- 家族の発言を促す: 専門職の報告が長くなりがちなので、家族が話す時間を意図的に確保する
- 家族の感情に寄り添う: 「大変でしたね」「よくやっていらっしゃいますね」のひと言が大切
家族への助言
- わからないことは遠慮なく質問する: 「今の説明がわかりませんでした」と言って構わない
- 「いいです」で済ませない: 不安や不満があれば、この場で伝えることが大切
- 録音やメモの許可: 内容が多いので、メモをとるか録音してよいか確認する
遠慮しなくて大丈夫です
- わからないことは聞いてOK: 「すみません、今の意味がわかりませんでした」と言って構いません
- 不安なことは伝えてOK: 「大丈夫です」と言ってしまいがちですが、不安があれば伝えましょう
- メモをとってOK: たくさんのことが話されるので、メモをとりましょう
- 後から質問してもOK: 会議中に思いつかなかったことは、後日ケアマネジャーに電話で聞けます
ケアプランに納得できないとき
家族がケアプランに疑問や不満を持つことは珍しくありません。
- 同意は義務ではない: ケアプランへの同意は強制ではなく、納得してから署名する
- 修正を求められる: 「この部分を変えてほしい」と具体的に伝えれば、修正が可能
- ケアマネジャーの変更: どうしても合わない場合、ケアマネジャーを変更する権利がある
- 相談窓口: 地域包括支援センターや国民健康保険団体連合会に相談できる
ケアプランの内容に「ちょっと違う」と思ったら、そのまま受け入れなくて大丈夫です。
- 「ここを変えてほしい」と言える: 具体的に伝えれば修正してもらえます
- 納得してからサインする: 無理に同意する必要はありません
- ケアマネジャーは変更できる: どうしても合わない場合は変えることもできます
- 困ったら相談窓口へ: 地域包括支援センターに相談できます
ヒント
サービス担当者会議は「専門家が決める場」ではなく、ご本人とご家族が中心の場です。「素人が口を出していいのかな」と遠慮する必要はまったくありません。ご家族の声が、よりよいケアプランをつくる最大の材料です。
サービス担当者会議は、多職種がクライエントの生活を包括的に支援するための情報共有・合意形成の場です。OTとして、家族が安心して発言できる雰囲気づくりを心がけ、家族の「気づき」を専門的な視点で裏付け、ケアプランに反映させていくことが重要です。
サービス担当者会議のポイント ― まとめ
- サービス担当者会議はケアプランを話し合う場で、ご家族も大切な参加者です
- 「普段の様子」「困っていること」「こうなってほしいこと」をメモして持参しましょう
- わからないことは遠慮なく質問して構いません。専門用語は聞き返してOKです
- ケアプランに納得できないときは、修正を求めることができます
- 後から思いついた質問は、ケアマネジャーに電話で聞くことができます
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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