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息切れがあっても「やりたいこと」を続けるために ── 日常生活の工夫

COPDなどで息切れがある方の日常生活の工夫をわかりやすく解説。入浴・着替え・家事を楽にするコツ、呼吸法、パニックへの対処法を紹介します。

📅 2026年6月11日 更新読了目安 17分

この記事のポイント

  • COPDの息切れは「動かない」ことで悪循環に陥りやすく、適切な活動の継続が重要です
  • エネルギー保存技法(動作のペーシング、呼吸法)を活用すると、日常生活が楽になります
  • 入浴・着替え・家事の具体的な工夫と、息切れのパニックへの対処法を紹介します

息切れで「動けない」悪循環

COPDは、肺の機能が低下して息切れが起こる病気です。

息切れが怖くて動かなくなると、体力がさらに落ちて、もっと少しの動きで息切れするようになります。この悪循環を断ち切ることが大切です。

OTは「息切れをなくす」のではなく、「息切れがあっても暮らしを続けられるようにする」工夫を一緒に考えます。

エネルギー保存技法 ── 息切れを最小限にする方法

動作のペーシング

息切れを減らすための基本は「ゆっくり、こまめに休む」ことです。

  • 急がない: どんな動作もゆっくり行いましょう
  • こまめに休む: 息切れが出る前に休憩を入れましょう
  • 小分けにする: 一つの作業を小さく分けて、途中で休みましょう
  • 腕を上げる動作を減らす: 腕を上げると息切れしやすくなります

呼吸法

息切れを軽くする呼吸法を身につけましょう。

口すぼめ呼吸

鼻からゆっくり息を吸い、口をすぼめて(ろうそくの火をゆっくり吹くように)、吸った時の2〜3倍の時間をかけて息を吐きます。これだけで息切れがかなり楽になります。

動作に合わせた呼吸

  • 立ち上がるとき: 座った状態で息を吸い、立ち上がりながらゆっくり吐く
  • 階段を上るとき: 1段上がるごとに口すぼめ呼吸で吐く
  • ものを持ち上げるとき: 持つ前に息を吸い、持ち上げながら吐く
ご家庭でできること

まずは安静時に練習しましょう。鼻から2秒吸って、口をすぼめて4〜6秒かけて吐きます。慣れてきたら、歩きながら、家事をしながらなど、動作中に自然にできるようにしていきましょう。

ADLの工夫 ── 入浴・着替え・家事

入浴

お風呂は息切れしやすい場面の一つです。以下の工夫で楽になります。

  • 換気扇をつける: 蒸気が多いと息苦しくなります
  • シャワーチェアに座って洗う: 立ったまま洗うと息切れしやすくなります
  • 長い柄のブラシを使う: 背中を洗うときに腕を上げなくて済みます
  • バスローブを使う: タオルで体を拭く動作が息切れの原因に。バスローブを羽織るだけにすると楽です

着替え

着替えも息切れしやすい動作です。

  • 座って着替える: 立ったまま着替えず、椅子に座りましょう
  • 前開きの服を選ぶ: 頭からかぶる服は腕を上げるので息切れします
  • 靴下は道具を使う: 前かがみになると息苦しくなるので、靴下エイドや長い靴べらを活用しましょう
ご家庭でできること

着替えは「下(ズボン・靴下)→上(シャツ)」の順番にすると楽です。上の服を着るときは腕を上げるため息切れしやすく、体力があるうちに大変な下の服を先に着るのがコツです。途中で息切れしたら、無理せず休憩を入れてください。

家事

家事を楽にする工夫をご紹介します。

  • 調理: 座って行う、材料は先に全部テーブルに出す、電子レンジを活用する
  • 掃除: ロボット掃除機を活用する、1日1部屋ずつに分ける
  • 洗濯: 乾燥機付き洗濯機が便利。干す場合は腰の高さの物干しを
  • 買い物: ネットスーパーを活用する、まとめ買いより小分けに

環境調整

家の中の環境を少し変えるだけで、息切れが軽くなることがあります。

  • よく使うものを近くに置く: 無駄な移動を減らしましょう
  • 手すりをつける: 廊下、トイレ、浴室に手すりがあると安心です
  • 段差をなくす: 段差は息切れと転倒の原因になります
ご家庭でできること

家の中でよく行き来する場所を書き出してみてください。キッチン→食卓、寝室→トイレなど。頻繁に移動する場所の間にあるものを片付けたり、途中に椅子を置いて休憩ポイントを作ったりすると、息切れが楽になります。

パニックコントロール ── 息切れの発作が起きたら

息切れがひどくなると、パニックになって余計に息苦しくなることがあります。そのときの対処法を知っておくことが大切です。

息切れがひどくなったときの対処法

  1. まず動くのをやめる
  2. 楽な姿勢をとる: 壁や机に手をつく、椅子に座って前かがみになる
  3. 口すぼめ呼吸をする: ゆっくり吐くことに集中する
  4. 肩の力を抜く
  5. 落ち着くまで待つ: 焦って動き出さない

注意

口すぼめ呼吸をしても回復しない、唇や爪が青紫色になる、意識がもうろうとする場合は、すぐに救急車を呼んでください。

ご家庭でできること

息切れの発作が起きたとき、ご家族は慌てずに「大丈夫、ゆっくり吐いて」と声をかけてください。背中をさする、うちわで風を送るのも効果的です。「頑張って吸って」ではなく「ゆっくり吐いて」がポイントです。


ポイント

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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