この記事のポイント
- 障害のある子どもが18歳を迎えると、小児サービスから成人サービスへの移行が必要になります
- 制度の谷間(「18歳の壁」)により、それまで受けていた支援が途切れるリスクがあります
- OTは自己決定支援、生活スキル訓練、就労準備、移行計画の作成を通じて、切れ目のない移行を支えます
「18歳の壁」とは何か
障害のあるお子さんが18歳になると、それまで利用していたサービスが大きく変わります。
- 子ども向けのサービスが使えなくなる
- 担当の先生が変わる
- 利用できる施設が変わる
- 手続きの窓口が変わる
この変化が一度に起こるため、「18歳の壁」と呼ばれています。早めに準備を始めることで、サービスが途切れることなく移行できます。
制度の谷間 ── 何が断絶するのか
18歳を境に、具体的にこのような変化が起こります。
- 放課後デイサービスが使えなくなります
- 小児科の先生から別の先生に変わります
- 学校の先生がいなくなり、自分でサービスを探す必要があります
- 医療費の助成が変わることがあります
移行の準備は、お子さんが14〜15歳頃から始めるのが理想です。進路のこと、生活のこと、使えるサービスのことを、少しずつ情報収集していきましょう。
OTの役割 ── 移行期に何ができるか
リハビリの先生(OT)は、移行期にこのようなサポートをしてくれます。
- 自分で決める練習: お子さんが自分の希望を伝えられるよう支援します
- 生活の練習: 料理、洗濯、買い物、お金の管理など、一人で生活するためのスキルを練習します
- 仕事の準備: お子さんの得意なことを活かせる仕事を一緒に探します
- 移行計画づくり: いつ、何を、どう準備するかの計画を一緒に立てます
移行計画の作成
移行計画を立てるときに、家族ができることを紹介します。
- お子さんの希望を聞く: 「どんな生活がしたい?」「どんな仕事に興味がある?」
- 情報を集める: 成人向けのサービスや施設を早めに見学する
- 相談する: 相談支援専門員やケースワーカーに、利用できるサービスを確認する
- 引き継ぎに参加する: 小児と成人の支援者が集まる会議に参加し、お子さんの情報を伝える
ヒント
お住まいの地域の「障害者相談支援事業所」に相談すると、移行に関する計画づくりを無料で支援してもらえます。市区町村の障害福祉課に問い合わせると、近くの事業所を教えてもらえます。
家族の役割の変化
お子さんが大人になると、ご家族の役割も変わります。
- 代わりに決める役割から、本人を後ろから支える役割へ
- 「任せる」練習を、少しずつ始めてみてください
- 将来の住まい(グループホームなど)の情報を早めに集めましょう
- きょうだいとも、将来の役割について話し合っておくと安心です
「自分がいなくなったあと」のことは考えたくない話題ですが、早めに準備することでお子さんも家族も安心できます。成年後見制度やグループホームの情報は、地域の障害者相談支援事業所で教えてもらえます。
まとめ ── 「18歳の壁」を乗り越えるために
- 18歳で小児サービスから成人サービスへの移行が必要になります。早めの準備が重要です
- OTは自己決定支援、生活スキル訓練、就労準備、移行計画の作成で移行を支えます
- 移行会議を開催し、小児期の支援者から成人期の支援者へ情報を直接引き継ぎましょう
- 家族の役割も「代弁者」から「後方支援者」へと変化します
- 困ったときは障害者相談支援事業所や地域包括支援センターに相談してください
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士(OTR)
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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