この記事のポイント
- ギラン・バレー症候群(GBS)は末梢神経が障害される病気で、多くの方が回復しますが時間がかかります
- リハビリは急性期・回復期・生活期の3段階で進み、段階に合わせた作業療法が行われます
- 回復期以降の「疲労管理」が日常復帰の鍵を握ります
ギラン・バレー症候群(GBS)とは
ギラン・バレー症候群(GBS)は、風邪や下痢の後に手足の力が急に入らなくなる病気です。
免疫が間違って自分の神経を攻撃してしまうことで起こります。
回復の見通し
- 発症後2〜4週間で症状が最も重くなります
- その後、ゆっくりと回復していきます
- 約80%の方が半年〜1年で歩けるようになります
- ただし、完全な回復には1〜2年以上かかることもあります
ヒント
GBSは「回復する病気」です。回復までに時間はかかりますが、多くの方が日常生活に戻れます。あせらず、リハビリを続けることが大切です。
リハビリの段階
急性期(入院中: 最初の数週間)
最も症状が重い時期です。この時期は安静が中心になります。
- 関節が固まらないように、優しく手足を動かすリハビリから始まります
- 床ずれを防ぐために、体の向きを変えるケアが行われます
- 不安が大きい時期です。ご家族の声かけや面会が大きな支えになります
回復期(症状が落ち着いてから: 数週間〜数か月)
少しずつできることが増えていく時期です。
- ベッドの上で起き上がる → 座る → 立つ → 歩く、と段階的に進めます
- 食事、着替え、入浴なども少しずつ自分でできるように練習します
- 手先の細かい動き(書字、ボタン留めなど)の練習も行います
生活期(退院後)
自宅や社会での生活に戻る時期です。
- 家事を少しずつ再開します
- 仕事や学校には段階的に復帰します(いきなりフルタイムは避ける)
- 残る疲労感との付き合い方を身につけます
回復期以降の疲労管理
GBSから回復した後も、疲れやすさが長く残る方が多いです。
疲労の特徴
- 少し動いただけでぐったり疲れる
- 回復に長い休息が必要
- 午後に悪化しやすい
- 体だけでなく頭も疲れる
疲労との付き合い方
- 「できるから」と無理しない: 調子の良い日に頑張りすぎると、翌日動けなくなることがあります
- 疲れる前に休む: こまめな休息を習慣にしましょう
- 活動を分ける: 掃除は一度にやらず、場所を分けて行う
- 「やりたいこと」にエネルギーを残す: すべてを完璧にやろうとしないことが大切です
GBSは「回復する病気」ですが、疲れやすさは長く続きます。「もう治ったんでしょ?」と言われることがご本人にとって大きなストレスになります。「疲れやすさはまだ残っている」ことを周囲の方にも理解してもらいましょう。
こうした外からは見えにくい症状に家族がどう向き合うかについては、高次脳機能障害と家族の対応法でも「見えない障害」への理解のヒントを紹介しています。
復職・復学のコツ
仕事に戻るとき
- いきなりフルタイムは避ける: 半日勤務から始め、少しずつ時間を延ばしましょう
- 職場に状況を伝える: 疲れやすさが残っていること、休憩が必要なことを理解してもらいましょう
- 通勤の工夫: ラッシュを避ける時差通勤、テレワークの活用も検討してください
学校に戻るとき
- 短い時間から始める: 午前中だけ、好きな授業だけ、から始めてもOKです
- 体育: 無理をせず、見学や代替活動でも構いません
- 保健室の活用: 疲れたら休める場所を確保しておきましょう
ギラン・バレー症候群の回復で大切なポイント
- GBSは「回復する病気」です。時間はかかりますが、多くの方が日常生活に戻れます
- リハビリは段階的に進みます。急性期→回復期→生活期、それぞれに合ったアプローチがあります
- 回復後も「疲れやすさ」が残ることが多く、疲労管理が社会復帰の鍵を握ります
- 復職・復学はいきなりフルタイムではなく、段階的に進めましょう
- 「もう治ったのでは」と誤解されやすい疲労について、周囲の理解を得ることも大切です
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士(OTR)
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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