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言葉で伝えられないとき ── コミュニケーションを助ける道具と方法

言葉で伝えるのが難しくなったとき、文字盤、絵カード、タブレット、視線入力など、コミュニケーションを助ける道具と方法をわかりやすく紹介します。

📅 2026年7月29日 公開読了目安 14分

この記事のポイント

  • AAC(補助代替コミュニケーション)とは、言葉だけでは伝えるのが難しい方のためのコミュニケーション支援の総称です
  • 文字盤や絵カードなどの「ローテクAAC」と、タブレットや視線入力などの「ハイテクAAC」があります
  • 作業療法士は、その方の身体機能・認知機能・生活場面に合ったAACの選定と導入を支援します

AACとは何か

AAC(補助代替コミュニケーション)とは、言葉だけでは伝えるのが難しい方のためのコミュニケーション手段の総称です。

以下のような方がAACを活用しています。

  • 脳卒中の後に話すのが難しくなった方
  • ALSや筋ジストロフィーで声が出しにくくなった方
  • 言葉の発達に遅れのあるお子さん
  • 認知症が進んで言葉が出にくくなった方

話せなくても、気持ちや考えを伝える方法はたくさんあります

ローテクAAC ── 電気を使わないシンプルな手段

電気を使わない、シンプルなコミュニケーション手段です。

道具を使わない方法

  • 指差し・身振り: 欲しいものを指差す、うなずきで「はい」
  • 表情: 笑顔で「うれしい」、困り顔で「困っている」
  • まばたき: 1回で「はい」、2回で「いいえ」

道具を使う方法

  • 透明文字盤: 透明なボードに文字が書いてあり、目の動きで文字を伝えます
  • 絵カード: 「お水がほしい」「トイレに行きたい」などの絵カードを見せて伝えます
  • コミュニケーションボード: よく使う言葉や絵が並んだボードを指差して使います

ローテクAACの良いところ

  • いつでもどこでも使える(電池切れの心配なし)
  • お金がかからない(手作りもできます)
  • すぐに始められる
ご家庭でできること

コミュニケーションの第一歩は「Yes/No」を確認できることです。うなずき、まばたき、手の動きなど、ご本人が楽にできる方法で「はい」「いいえ」を決めておきましょう。これだけで、日常のやりとりがぐっと楽になります。

ハイテクAAC ── テクノロジーを活用した手段

テクノロジーを使った、より高度なコミュニケーション手段です。

音声を出してくれる機器(VOCA)

  • ボタン式: ボタンを押すと「お水をください」などの録音済みの声が流れます
  • タブレットアプリ: iPadなどに入れたアプリで、絵を選ぶと音声で話してくれます

視線で操作する機器

  • 画面上の文字や絵を目で見つめるだけで選択できます
  • メールやSNS、インターネットの閲覧も可能です
  • 手が動かなくなった方にとって、世界とつながる窓になります

スイッチで操作する機器

  • 手の指、足の指、頬、息など、わずかな動きで操作できるスイッチがあります
  • スイッチで文字を選んでいく方式で、文章を作成できます

ヒント

ハイテクAACの多くは、障害者総合支援法の「日常生活用具」や「補装具」として給付の対象になります。自己負担は原則1割です。お住まいの市区町村に相談してください。

AACの選び方

何を基準に選べばいいの?

  • 体のどこが動かせるか: 手が動けばタッチスクリーン、目だけなら視線入力
  • 文字が読めるか: 読めるなら文字盤、読めなければ絵カードやシンボル
  • 誰と、どこで使うか: 家族とだけ?病院でも?外出先でも?
  • 病気が進行するか: 今後の変化を見越して選ぶことが大切です

選び方のコツ

  • 一つだけに頼らない: 場面に応じていくつかの方法を使い分けましょう
  • まずは簡単なものから: 絵カードやYes/Noから始めて、必要に応じて機器を追加
  • お試し期間を設ける: 実際の生活で使ってみてから決めましょう
  • 家族も一緒に練習する: ご本人だけでなく、受け取る側の練習も大切です
ご家庭でできること

道具や機器を使うことよりも大切なのは、「伝えたい」「わかりたい」という気持ちです。うまく伝わらなくても、諦めずに向き合う姿勢が、ご本人にとって最大の支えになります。


ポイント

AACについてのまとめ

  • 話すのが難しくなっても、気持ちや考えを伝える方法はたくさんあります
  • まずはYes/Noの確認、絵カード、文字盤など、シンプルな方法から始めましょう
  • タブレットアプリや視線入力装置など、テクノロジーの進歩で選択肢が広がっています
  • 場面に応じて複数の手段を使い分けることが効果的です
  • 作業療法士が、その方に合ったコミュニケーション手段の選定と導入をサポートします

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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