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冬になると調子が悪い ── それは「季節性うつ」かもしれません

毎年冬になると気力がなくなる、眠くて仕方がない。それは季節性うつ(SAD)かもしれません。光の使い方と生活の工夫をわかりやすく紹介します。

📅 2026年9月10日 公開読了目安 14分

この記事のポイント

  • 毎年秋〜冬に気力低下・過眠・過食が繰り返される場合、季節性感情障害(SAD)の可能性があります
  • 光療法(高照度光療法)はSADに対してエビデンスのある治療法で、自宅でも実践できます
  • 冬の作業バランスを意識的に調整し、活動量の低下を防ぐことがOTの重要な支援です

「冬になると調子が悪い」は気のせいではない

毎年秋から冬になると決まって調子が悪くなる。それは季節性うつ(SAD)という状態かもしれません。「気のせい」「なまけ」ではなく、日照時間の減少が原因の一つです。

以下のような症状に心当たりはありませんか?

  • やる気が出ない: 何をするのもおっくう
  • とにかく眠い: いくら寝ても眠い、朝起きられない
  • 食べ過ぎてしまう: 特に炭水化物や甘いものが欲しくなる
  • 体重が増える: 冬の間に数kg増える
  • 人と会いたくなくなる: 外出がおっくうで引きこもりがちに

これらが秋〜冬に毎年繰り返され、春になると自然に回復する場合、SADの可能性があります。

SADのメカニズム

SADが起こる仕組みを簡単に説明します。

私たちの脳には、光を浴びることで活性化する仕組みがあります。冬は日照時間が短くなるため、この仕組みがうまく働かなくなります。

  • 気分を安定させる物質(セロトニン)が減少する
  • 眠りに関わる物質(メラトニン)のバランスが崩れる
  • 体内時計がずれて、朝起きにくくなる

つまり、SADは「光が足りないこと」が引き金になっているのです。

光療法 ── エビデンスのある治療法

SADに対して効果を示す研究がもっとも多く積み重ねられているのが光療法です。

やり方

  • 専用のライト(10,000ルクスの光療法器具)を用意します
  • 毎朝30分、起きてすぐにライトの前で過ごします
  • ライトを直接見つめる必要はありません。朝食を食べながら、新聞を読みながらでOKです
  • 使い始める時期は、担当の医師に相談して決めてください。「症状が出る前から始めると予防できる」という説明を見かけることがありますが、それを確かめた研究はごくわずかで、予防できると言い切れる根拠はまだありません

ヒント

光療法器具はインターネットや家電量販店で購入できます。必ず紫外線カットフィルター付きの製品を選んでください。普通の照明器具では照度が足りません。

ご家庭でできること

朝起きたらすぐにカーテンを開けて自然光を浴びましょう。曇りの日でも屋外は室内の何倍もの明るさがあります。通勤や通学で「朝の15分の散歩」を取り入れると、体内時計を整える助けになります(ただし屋外の自然光が光療法器具の代わりになるかを直接調べた研究は限られます)。デスクを窓際に移動させるのも有効です。

冬の作業バランスを調整する

冬に活動量が減ると、さらに気分が落ち込むという悪循環に陥りやすくなります。

「最低限リスト」を作る

調子が悪い日でも「これだけはやる」というリストを3つだけ決めておきましょう。

例: 「顔を洗う」「朝ごはんを食べる」「10分だけ外に出る」

冬を楽しむ予定を入れる

冬ならではの楽しみを意識的に予定に組み込みましょう。

  • 温泉や銭湯に行く
  • 鍋料理を作る
  • 編み物やハンドクラフトを始める
  • 温かい飲み物をゆっくり楽しむ

部屋を明るくする

日中はカーテンを開け、照明を明るめにしましょう。夜は暖かみのある照明に切り替えると、睡眠にもよい影響があります。


ポイント

季節性うつ(SAD)への対策 ― まとめ

  • 毎年秋〜冬に気力低下・過眠・過食が繰り返される場合、SADの可能性があります
  • 光療法(毎朝30分、10,000ルクス)は、複数の比較試験で効果が示されている代表的な治療法です
  • 朝の自然光を浴びる、部屋を明るくするなど、日常の光環境を整えましょう
  • 冬の活動量低下を防ぐため、「最低限リスト」と「冬の楽しみ」を計画しましょう
  • 症状が続く場合は、心療内科や精神科で相談してください

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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