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退院が決まったら ── 自宅復帰の準備チェックリスト

退院が決まったらまず何をすればいい?住宅改修、福祉用具、介護保険の申請、介助の練習など、自宅復帰に必要な準備を作業療法士がチェックリスト形式で解説します。

📅 2026年5月27日 更新読了目安 22分

この記事のポイント

  • 退院前にOTが自宅を訪問し、必要な改修や福祉用具を具体的に提案してくれます
  • 住宅改修(手すり・段差解消)や福祉用具は介護保険を使えば自己負担を抑えられます
  • 家族の介助方法の練習は退院前に始めておくことが大切です

「退院が決まった。でも何から始めれば?」

退院が決まったとき、「自宅で本当にやっていけるだろうか」と不安になるのは当然のことです。

でもご安心ください。作業療法士(OT)退院前にご自宅を訪問し、必要な準備を具体的に教えてくれます。この記事では、退院前にご家族がやっておくべきことをチェックリスト形式でまとめました。

退院前訪問指導 ── OTは自宅で何を見るのか

退院前に、OTがご家族と一緒にご自宅を訪問します。これを「退院前訪問指導」といいます。

OTが見るポイント

  • 移動の経路: 玄関からトイレ、浴室、寝室までの通り道に危険がないか
  • 段差: 玄関の上がりかまち、部屋の敷居などの段差の高さ
  • 手すりが必要な場所: 立ち上がりや移動で手すりがあった方がよい場所
  • トイレ: 便座の高さ、移動のしやすさ
  • お風呂: 浴槽の高さ、洗い場の広さ、滑りやすさ
  • 寝室: ベッドと布団のどちらが安全か

訪問前にご家族ができること

  • 「ここが心配」という場所をメモしておく
  • 家具の配置は普段のままにしておく(OTが実際の生活環境を見るため)
  • 賃貸住宅の場合は改修の可否を事前に確認しておく
ご家庭でできること

退院前訪問のとき、OTと一緒に確認した場所をスマートフォンで撮影しておくと便利です。改修業者への説明や、家族間での情報共有に役立ちます。「ここに手すりをつける」「この段差を解消する」など、具体的な場所がわかるように撮っておきましょう。

住宅改修 ── 安全に暮らすための環境づくり

手すりをつける場所

  • 玄関: 靴を脱ぎ履きするとき、段差を上がるとき
  • 廊下: 歩くときの支え
  • トイレ: 立ち上がるとき
  • お風呂: 浴槽をまたぐとき、洗い場で立ち上がるとき

手すりの高さや位置は、OTがご本人に合わせて提案してくれます。

段差をなくす

  • 玄関の段差には踏み台やスロープを置く
  • 部屋の敷居には小さなスロープをつける
  • お風呂の出入り口の段差を解消する

トイレとお風呂の工夫

  • 便座が低い場合は高さを上げる便座をつける
  • お風呂の床には滑り止めマットを敷く
  • お風呂用の椅子を用意する

介護保険で住宅改修ができます

介護保険を使うと、住宅改修費の上限20万円のうち、自己負担は1〜3割で済みます。手すりの取り付け、段差の解消、ドアの変更、便器の変更などが対象です。詳しくはケアマネジャーに相談してください。

福祉用具の手配

退院後に必要な福祉用具は、介護保険を使って少ない自己負担で準備できます。

レンタルできるもの(月額1〜3割負担)

  • 車椅子
  • 電動ベッド(介護用ベッド
  • 歩行器、杖
  • 置くだけの手すり、スロープ

購入するもの(上限10万円、自己負担1〜3割)

  • ポータブルトイレ
  • シャワーチェア(お風呂用の椅子)
  • 浴槽台

OTが「この方にはどの用具が合うか」を見極めて、最適なものを提案してくれます。実際に試してから決められるので、安心してください。

介護保険の申請

住宅改修や福祉用具を介護保険で利用するには、「要介護認定」を受ける必要があります。

申請の手順

  1. 市区町村の窓口に申請する(入院中でも申請できます)
  2. 調査員が来て、ご本人の状態を確認します
  3. 主治医が意見書を書きます
  4. 審査の結果、要介護度が決まります

申請から認定まで約1か月かかります

結果が出るまで約30日かかるため、退院の見通しが立ったらすぐに申請しましょう。入院中でも申請できます。病院の相談員に「介護保険を申請したい」と伝えてください。

家族の介助方法の練習

退院前に、OTから介助の方法を教えてもらう時間を設けてもらいましょう。

練習しておきたいこと

  • ベッドから車椅子への移り方の介助
  • トイレでの介助(立ち上がり、衣服の上げ下ろし)
  • お風呂の介助(浴槽のまたぎ方、体の洗い方)
  • 歩行の見守り方(杖を使っている場合の付き添い方)
  • 着替えの介助

介助で大切なこと

  • ご本人ができることは、ご本人にやってもらう。全部やってあげると、できることまでできなくなってしまいます
  • ご自身の腰を守りましょう。無理な姿勢での介助は腰痛の原因になります。OTに正しい介助姿勢を教えてもらいましょう
  • 動作の前に必ず「〇〇しますよ」と声をかけてから始めましょう
ご家庭でできること

病院で1回教わっただけでは、自宅で実際にやるときに不安になるものです。退院前に2〜3回は実際の介助場面を体験しておくと安心です。OTに「もう一度練習したい」と伝えれば、時間を設けてもらえます。スマートフォンで動画を撮っておくのもおすすめです。

退院後の生活リズムを考える

1日のスケジュールを作っておく

退院後に「何もすることがない」状態が続くと、体力も気力も落ちやすくなります。退院前に、大まかな1日のスケジュールを作っておきましょう。

  • 起きる時間・寝る時間
  • 食事の時間
  • リハビリの時間(通いや訪問)
  • 趣味や家事の時間
  • 休憩の時間

完璧なスケジュールでなくて構いません。大まかな生活の流れがあるだけで、安心感が生まれます。

退院後もリハビリは続けられます

  • 通所リハビリ(デイケア): 施設に通ってリハビリを受けます
  • 訪問リハビリ: OTが自宅に来てリハビリをしてくれます
  • デイサービス: リハビリのほか、入浴や食事のサービスも受けられます

ケアマネジャーと相談して、ご本人とご家族の状況に合ったサービスを選びましょう。

緊急時の準備

  • 転倒したときの対応を家族で確認しておく
  • 連絡先リスト(かかりつけ医、ケアマネジャー、救急)を見やすい場所に貼っておく
  • 「こういうときは救急車を呼ぶ」という基準を、医師に事前に確認しておく

退院前チェックリスト

退院前に確認しておきたい項目をまとめました。

項目チェック
介護保険の申請は済んでいるか
退院前訪問指導は実施したか
住宅改修の手配は済んでいるか
福祉用具の手配は済んでいるか
ケアマネジャーは決まっているか
退院後のリハビリサービスは決まっているか
介助方法の練習はしたか
1日のスケジュールは作ったか
緊急時の連絡先は準備したか
かかりつけ医は決まっているか

ポイント

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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