この記事のポイント
- AIは動作分析・予後予測・反復練習の最適化でリハビリを効率化しますが、作業療法士の仕事を奪うのではなく変えるものであり、作業の意味の理解・治療的関係・創造的な環境調整は人にしか担えません
- AIは定量的な評価や反復練習の効率化が得意ですが、「作業の意味」や個人の生活文脈を理解することはできません
- AI時代に求められるのは、AIを「使いこなす力」と「人間にしかできないこと」を磨く姿勢です
はじめに── AIはリハビリの「敵」か「味方」か
リハビリの分野でもAIやロボットの活用が進んでいます。
AIがリハビリでできること
- 動作の分析 — スマートフォンのカメラで歩き方や手の動きを数値化できるようになっています
- ロボット支援リハビリ — AIがご本人の動きに合わせて、ロボットの補助量を自動で調整します
- 回復の予測 — データに基づいて、どのくらい回復が見込めるかを予測するモデルが開発されています
ただし、AIにできないこともたくさんあります。ご本人が「何をしたいか」「何が大切か」を理解し、その人に合った暮らし方を一緒に考えるのは、作業療法士だからこそできることです。
AIは作業療法士の仕事を「奪う」のではなく、より良い支援のための「道具」として活用されていく方向に進んでいます。
まとめ
ポイント
- リハビリの分野でAIやロボットの活用が進んでいますが、あくまで「道具」です
- ご本人の希望や生活に合わせた支援は、作業療法士という「人」にしかできません
- AIの活用により、より正確な評価や効率的なリハビリが可能になっていきます
ご家庭でできること
- リハビリでロボットやAIが使われていても心配はいりません。最終的な判断は専門家が行います
- AIを使ったリハビリについて気になることがあれば、担当の作業療法士に遠慮なく質問してください
参考文献・出典
- WHO. Ethics and governance of artificial intelligence for health: Guidance on large multi-modal models(2024年)
- Accuracy, Validity, and Reliability of Markerless Camera-Based 3D Motion Capture Systems versus Marker-Based 3D Motion Capture Systems in Gait Analysis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sensors. 2024
- Zhang L, et al. Short and long-term effects of robot-assisted therapy on upper limb motor function and activity of daily living in patients post-stroke: a meta-analysis of randomized controlled trials. Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation. 2022
- WFOT (World Federation of Occupational Therapists). About Occupational Therapy
- Cott CA, et al. The therapeutic relationship in rehabilitation: a meta-synthesis of qualitative research. Disability and Rehabilitation. 2022;44(15):3850-3862.
- 日本作業療法士協会. 作業療法ガイドライン(2024年度版)
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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