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高齢のご家族にスマホの使い方を教えるコツ ── イライラしない教え方

高齢のご家族にスマートフォンやタブレットの使い方を教えるための実践的なコツ。なぜ覚えにくいのか、どう教えれば伝わるのかを、作業療法の視点からお伝えします。

📅 2026年8月26日 公開読了目安 17分

この記事のポイント

  • 高齢者がデジタル機器に困るのは「やる気がない」のではなく、加齢に伴う認知・身体機能の変化が背景にあります
  • 教える側が「なぜ難しいのか」を理解することが、効果的な支援の第一歩です
  • 段階的な教え方、画面設定の工夫、詐欺対策で安心してデジタル機器を使えるようになります

デジタル格差が生む「孤立」

「お父さん、LINEで写真送ってよ」「お母さん、マイナンバーカードでオンライン申請して」。こんなお願いをしても、「やり方がわからない」「怖い」と断られてしまうことはありませんか。

デジタル機器が使えないと、家族とのコミュニケーションや行政サービスの利用に不便を感じる場面がどんどん増えています。

高齢のご家族にスマホの使い方を教えるには、「なぜ難しいのか」を理解することが大切です。

高齢者がデジタル機器に困る理由

高齢のご家族がスマホに苦手意識を持つのには、しっかりとした理由があります。

見えにくい・操作しにくい:

  • 小さな文字やアイコンが見えにくい
  • タッチスクリーンが指の乾燥で反応しないことがある
  • 細かい操作(スワイプ、ピンチ)が難しい

覚えにくい:

  • 操作手順を覚えながら実行するのが大変
  • 新しい用語(タップ、スワイプ、アプリ)が多すぎる
  • あるアプリのやり方を覚えても、別のアプリに応用しにくい

怖い・不安:

  • 「変なところを押して壊してしまうのでは」という恐怖
  • 「何度聞いても覚えられないと呆れられるのでは」という遠慮
  • 詐欺やウイルスへの不安

ヒント

「何回教えても覚えてくれない」のは、やる気がないからではありません。加齢に伴う自然な変化が背景にあります。この理解が、イライラしない教え方の出発点です。

段階的な教え方

高齢のご家族にスマホを教えるときの5つのコツをお伝えします。

1

教えることを1つに絞る

  1. 1「LINEのメッセージを送る」だけ、に集中
  2. 2あれもこれも同時に教えない
2

手順書を作る

  1. 3大きな文字で操作手順を書いたカードを作る
  2. 4画面の写真を印刷して貼ると、さらにわかりやすい
3

本人にやってもらう

  1. 5代わりにやってあげず、ご本人の指で操作してもらう
  2. 6隣に座って「次はここを押して」と声で案内する
4

翌日に復習する

  1. 7教えた翌日に「昨日のあれ、やってみて」と促す
  2. 83回連続でできたら次のステップへ
5

「できた!」を一緒に喜ぶ

  1. 9できたことを褒める(当たり前だと思わない)
  2. 10成功体験が次の学習意欲につながる
ご家庭でできること
  1. 手を奪って代わりにやらない ── 本人の学びになりません。2. 「前にも教えたでしょ」と言わない ── 萎縮して聞けなくなります。3. 専門用語を使わない ── 「タップ」は「軽くトンと触る」、「スワイプ」は「指でスーッと滑らせる」と言い換えましょう。

画面設定の工夫

スマホの設定を少し変えるだけで、格段に使いやすくなります。ぜひ以下の設定をしてあげてください。

  • 文字を大きくする: 設定画面から文字サイズを「最大」に
  • 画面を明るくする: 見やすい明るさに調整
  • 使わないアプリを隠す: ホーム画面には本当に使うアプリだけ並べる
  • 家族への電話ボタンを配置: ホーム画面にワンタッチで電話できるようにする
  • 余計な通知をオフに: ポップアップが出ると混乱するので、必要なものだけ残す

ヒント

タッチペンを使うと、指の乾燥で画面が反応しない問題を解決できます。100円ショップでも購入でき、操作が格段にスムーズになります。

詐欺対策

スマホを使い始めると、詐欺のリスクにも気をつける必要があります。以下のルールをご家族で共有してください。

  • 知らない番号からのメッセージのリンクは絶対に開かない
  • 「ウイルスに感染しました」という画面が出ても、電話しない
  • 名前や住所、カード番号を入力するときは必ず家族に相談
  • 困ったらすぐ家族に聞く(これが最も大切なルール)
ご家庭でできること

何か困ったときにすぐ連絡できるよう、ご家族の電話番号を大きく書いたカードをスマホケースに挟んでおきましょう。「変な画面が出たら、このカードの番号に電話してね」と伝えておけば安心です。

OTが関われる場面

スマホの使い方がどうしても覚えられない場合は、作業療法士(OT)に相談するのも一つの方法です。

  • 視力や手指の動きに合わせた機器の選び方や設定のアドバイス
  • ご本人の覚えやすさに合わせた手順書の作成
  • タッチペンやタブレットスタンドなど、使いやすくする道具の提案

お住まいの地域で「シニア向けスマホ教室」を開催している場合もあります。地域包括支援センターや社会福祉協議会に問い合わせてみてください。


ポイント

高齢者のデジタルリテラシー支援のポイント

  • スマホが使えないのは「やる気がない」のではなく、加齢に伴う自然な変化が背景にあります
  • 1回に教えることは1つだけ。手順書を作り、本人の手で操作してもらいましょう
  • 文字サイズの拡大やホーム画面の整理など、設定の工夫で格段に使いやすくなります
  • 詐欺対策は「困ったら家族に聞く」ルールの徹底が最重要です
  • 「できた!」という成功体験を一緒に喜ぶことが、次の学びへの意欲になります

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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