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ALS(筋萎縮性側索硬化症)と暮らす ── ご家族と一緒にできること

ALSの進行に合わせて、自助具や環境の工夫で「できること」を最大限に保つ方法を紹介。コミュニケーション支援やご家族のケアについてもわかりやすく解説します。

📅 2026年7月24日 公開読了目安 14分

この記事のポイント

  • ALSは運動神経が徐々に障害される進行性の疾患ですが、感覚や知能は保たれます
  • 進行の段階に応じて自助具・環境制御装置・コミュニケーション手段を導入し、「できること」を最大化します
  • 作業療法士は本人だけでなく、介護するご家族の支援も大切にしています

ALSという病気を理解する

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、手足や全身の筋肉が徐々に動かなくなる病気です。

大切なポイントとして覚えておいていただきたいのは、以下の点です。

  • 感覚は保たれます: 痛みや温度、触れられた感覚はわかります
  • 頭ははっきりしています: 考える力や記憶は保たれます
  • 目は動きます: 末期まで眼球の動きは比較的保たれます

つまり、体は動かなくなっても、頭の中は以前と変わらないのです。この理解がとても重要です。

進行段階に応じた作業療法支援

ALSの進行に合わせて、使える道具や工夫も変わっていきます。

初期: 手足が動かしにくくなったとき

  • 太い柄の食器: 握力が弱くなっても持ちやすい
  • ボタンエイド: ボタンの留め外しを助ける道具
  • 手すりの設置: 早めに取り付けておくと安心です
  • 仕事を続けるための職場環境の調整も相談できます

中期: 腕が上がりにくくなったとき

  • 環境制御装置: スイッチ一つで照明、テレビ、エアコンを操作できます
  • 電動車いす: 手での操作が難しくなったら、顎や頭で操作する方法もあります
  • パソコン: 音声で操作する方法があります

後期: 体が動かしにくくなったとき

  • 透明文字盤: 目の動きで文字を伝えます
  • 視線入力装置: 目の動きだけでパソコンやタブレットを操作できます
  • オーディオブック: 本が持てなくても読書を楽しめます
ご家庭でできること

ALSでは、機能が低下してからではなく、「次の段階に備えて早めに準備する」ことが重要です。今は必要なくても、次の段階で使う道具や制度について、作業療法士と一緒に計画を立てておきましょう。

コミュニケーション支援

言葉が話しにくくなっても、気持ちや考えを伝える方法はたくさんあります。

段階に応じたコミュニケーション手段

  • 声が小さくなったら: 音声を大きくする機器を使います
  • 話すのが難しくなったら: 透明文字盤で、目の動きで文字を伝えます
  • 手が動かしにくくなったら: 意思伝達装置で、スイッチ操作や視線入力で会話できます

大切なこと

コミュニケーション手段は、使えなくなってからではなく、まだ話せるうちから練習を始めることが重要です。早めに準備することで、スムーズに移行できます。

ヒント

意思伝達装置は、障害者総合支援法の「日常生活用具」として給付を受けられます。自己負担は原則1割です。お住まいの市区町村の障害福祉窓口に相談してください。

ご家族への支援

介護するご家族の方へ

ALSの介護は長期にわたり、大変な負担がかかります。ご自身のことも大切にしてください

  • 一人で抱え込まない: 訪問看護、ヘルパー、ショートステイなどの制度を積極的に使ってください
  • 介護の仕方を教わる: 体の向きを変える方法、移動の補助など、プロに正しい方法を教わることで、腰痛などを防げます
  • 仲間とつながる: 日本ALS協会の患者会・家族会で、同じ経験を持つ方と話すことで気持ちが楽になります

使える制度

  • 難病医療費助成制度: 医療費の自己負担が軽減されます
  • 介護保険: 40歳以上の方はALSで介護保険が使えます
  • 障害者総合支援法: 福祉用具や意思伝達装置の給付が受けられます
ご家庭でできること

「自分が倒れたら」と不安になることもあるでしょう。だからこそ、レスパイト(休息)サービスを遠慮なく使ってください。介護者が元気でいることが、ご本人にとっても一番の安心材料です。


ポイント

ALSの方とご家族へのまとめ

  • ALSは体が動きにくくなる病気ですが、感覚や頭の働きは保たれます
  • 進行の段階に合わせて自助具・環境制御装置・コミュニケーション手段を導入します
  • 「先手を打つ」準備が大切。まだ使えなくても、次の段階に備えて早めに計画しましょう
  • コミュニケーション手段は話せるうちから練習を始めることが重要です
  • ご家族の介護負担を軽減する制度やサービスがあります。一人で抱え込まず活用してください

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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