本文へスキップ
作業療法.net
セルフチェック#作業療法#セルフチェック#日常生活

「疲れやすい」を上手に管理する方法 ── エネルギーの使い方を見直そう

疲れやすさに悩む方へ。エネルギーの使い方を見直す4つの技術(優先順位・計画・ペース・姿勢)と、活動日誌の使い方をわかりやすく紹介します。

📅 2026年6月14日 更新読了目安 20分

この記事のポイント

  • 疲労には中枢性と末梢性の2種類があり、疾患によって特性が異なります
  • エネルギー保存の4P(Prioritize, Plan, Pace, Position)を活用して、限られたエネルギーを効率的に使えます
  • 活動日誌で自分の疲労パターンを把握し、rest-activity balanceを整えることが管理の基本です

「疲れやすい」は怠けではない

「すぐ疲れてしまう」「午後になると何もできない」。そんな悩みを抱えていませんか。

「疲れやすい」のは怠けではありません。病気や治療の影響で、身体のエネルギーが少なくなっている状態です。しかし、エネルギーの使い方を工夫することで、疲れやすさをコントロールすることはできます。

作業療法士(OT)は、エネルギーの管理方法を一緒に考える専門家です。

疲労の種類 ── 中枢性と末梢性

疲労には2つの種類があります。

  • 筋肉の疲れ(末梢性疲労): 体を動かした後に筋肉が疲れる、いわゆる「普通の疲れ」。休むと回復しやすい
  • 脳の疲れ(中枢性疲労): 身体全体のだるさ、やる気の低下、頭がぼんやりする。休んでも回復しにくいのが特徴

病気によっては、休んでも取れない疲れが続くことがあります。これは「気持ちの問題」ではなく、脳や神経の働きに原因があります。

エネルギー保存の4P

エネルギーを上手に使うための4つのPをご紹介します。

1. Prioritize(優先順位をつける)

限られたエネルギーを、本当に大切なことに使いましょう。

  • 「やらなければならないこと」と「やりたいこと」を書き出す
  • 「やらなくてもいいこと」「人に頼めること」を見つける
  • 「やりたいこと」にエネルギーを残すことが大切です

2. Plan(計画する)

活動を1日の中で分散させましょう。

  • 大変な活動と楽な活動を交互に入れる
  • 元気な時間帯に大切な用事を入れる
  • 予定を詰め込みすぎない

3. Pace(ペースを守る)

「疲れる前に休む」が基本です。

  • 15〜20分動いたら、5〜10分休む
  • 急がず、ゆっくり行う
  • 調子が良い日も動きすぎない

4. Position(姿勢を工夫する)

身体への負担を減らす工夫です。

  • 座ってできることは座って行う
  • 重いものは持ち上げず、滑らせて移動する
  • 長い柄の掃除道具など、便利グッズを活用する
ご家庭でできること

「優先順位・計画・ペース・姿勢」の4つを紙に書いて、冷蔵庫など目につく場所に貼ってみてください。疲れて判断力が落ちたときでも、目に入ると「あ、休憩しよう」と思い出せます。

活動日誌の使い方

自分の疲労パターンを知るために、活動日誌をつけてみましょう。

書き方

1〜2時間ごとに、以下をメモします。

  • 何をしていたか
  • 疲れ具合(0〜10点で)
  • いつ休んだか

1〜2週間つけると見えてくること

  • 疲れやすい時間帯がわかる(午後に疲れやすい?朝から?)
  • 疲れる原因の活動が見つかる
  • 休憩のタイミングを計画しやすくなる
ご家庭でできること

最初から細かく書く必要はありません。スマートフォンのメモ機能で「10時 洗濯 疲れ3」「12時 昼食 疲れ5」のように簡単に記録するだけでも十分です。1〜2週間続けると、自分のパターンが見えてきます。

Rest-Activity Balance ── 活動と休息のバランス

よくある3つのパターン

  • 動きすぎパターン: 調子が良い日に頑張りすぎて、翌日ぐったり
  • 動かなすぎパターン: 疲れが怖くて何もしない → 体力が落ちてもっと疲れやすくなる
  • ちょうどいいパターン: 活動と休息のリズムが安定している

「休憩」の質も大切

休憩中にスマートフォンを見ていると、身体は休んでいても脳は疲れたままです。

  • 目を閉じて静かに過ごす
  • 音楽を聴く(ゆったりしたもの)
  • 窓の外を眺める

5分でも「何もしない休憩」を入れると、疲労の回復が違います。

ヒント

「動きすぎ→翌日ダウン」を繰り返している方は、調子が良い日でも「いつもと同じペース」を心がけてみてください。これが活動と休息のバランスを整える第一歩です。

疾患別の疲労特性

疲れやすさの特徴は、病気によって異なります

  • 脳卒中の後の疲労: 考えごとでも疲れやすく、翌日にどっと疲れが出ることがあります
  • がん治療後の疲労: 治療が終わっても長く続くことがあります。適度に動くことが効果的です
  • パーキンソン病の疲労: 薬が効いている時間帯に大切な活動を行うと効率的です
  • 慢性疲労症候群: 頑張って動くとかえって悪化します。活動の上限を守ることが最も大切です

注意

「疲れやすい」と感じたら、まず主治医に相談してください。疲労の原因によって対処法が異なるため、原因を正しく把握することが大切です。


ポイント

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

関連記事