この記事のポイント
- 腱鞘炎やばね指は「手の使いすぎ」が主な原因で、誰でもなりうる身近な障害です
- 予防のカギは「ストレッチ」「道具の工夫」「手の使い方の見直し」の3つです
- 痛みが2週間以上続く場合やばね現象が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう
手の痛み、我慢していませんか
パソコンやスマホを使っていて手が痛くなったこと、指がこわばったことはありませんか。
手の痛みは「そのうち治るだろう」と放置しがちですが、悪化すると日常生活に大きな支障が出ます。早めのケアと予防が大切です。
この記事では、腱鞘炎やばね指を防ぐためのセルフケアを紹介します。
手の使いすぎによる障害を知る
腱鞘炎(ドゥ・ケルバン病)
腱鞘炎で最も多いのが、手首の親指側が痛くなるタイプです。
- 手首の親指側が痛い、腫れている
- 物を握ると痛い
- 親指を動かすと手首に響く
スマートフォンを片手で操作するときの親指の動きが原因になることが多く、「スマホ腱鞘炎」とも呼ばれています。
ばね指(弾発指)
ばね指は、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる状態です。
- 指の付け根が痛い
- 朝起きたとき、指がこわばっている
- 指を伸ばすときに「カクッ」とはねる
- 悪化すると、指が曲がったまま伸ばせなくなる
中高年の女性や、手をよく使う仕事の方に多く見られます。
予防のストレッチ
手を使う作業の合間に、以下のストレッチを取り入れてみてください。
- グーパー運動: ギュッと握って5秒 → パッと開いて5秒。10回繰り返します
- 指そらし: 指を1本ずつ、もう片方の手でやさしく反らせて10秒キープ
- 手首回し: 手首をゆっくり回す。右回り・左回り各10回
- 手首のストレッチ: 腕を前に伸ばし、手首を上に反らせて(または下に曲げて)15秒キープ
1〜2時間に1回行うのが理想です。
スマホやパソコンの「休憩リマインダー」アプリを活用してみてください。1時間ごとにアラームが鳴るように設定すれば、ストレッチのきっかけになります。最初は忘れがちですが、1週間続けると習慣になります。
道具の工夫で手を守る
道具をちょっと工夫するだけで、手への負担はかなり減ります。
- ペンやブラシを太くする: 100円ショップでも買える太軸のペンや、グリップカバーを使うと握る力が少なくて済みます
- マウスにクッションを: 手首を置くクッション(リストレスト)を使うと手首への負担が減ります
- レバー式に変える: 丸いドアノブをレバー式に替えると、手をひねる動作が不要になります
- 電動式を活用: 缶切りやペッパーミルを電動式にすると、手への繰り返しの負担が減ります
- 両手を使う: 片手で無理をせず、両手で作業を分担しましょう
ヒント
関節リウマチの方へ: 手の関節を守る工夫はさらに重要です。関節リウマチのジョイントプロテクションの記事もあわせてご覧ください。
手の使い方を見直す
日常の手の使い方を少し変えるだけで、負担を減らせます。
- スマホ: 片手操作をやめて、両手で持って操作しましょう。長時間の連続使用も避けてください
- パソコン: 手首を浮かせたままタイピングしないように。パームレストやリストレストを活用しましょう
- 雑巾しぼり: 手をひねらず、丸めた雑巾を上から押しつけるように絞りましょう
- 重いもの: 片手で持たず、できるだけ両手で。鍋やフライパンは両手持ちを心がけて
受診の目安 ── こんなときは我慢しないで
以下のような症状がある場合は、整形外科を受診してください。
- 2週間以上痛みが続く: 休んでも良くならない痛み
- 指がカクッとはねる: ばね指の可能性があります
- 手がしびれる: 特に親指から薬指にかけてのしびれは要注意です
- 物を落としやすくなった: 握る力が弱くなっている可能性があります
- 朝30分以上こわばる: リウマチの可能性も考えられます
注意
手のしびれは腱鞘炎だけでなく、手根管症候群や頚椎疾患など他の原因の可能性もあります。しびれが続く場合は自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。
まとめ ── 手を守るための3つの柱
- 腱鞘炎やばね指は手の使いすぎが原因。誰でもなりうる身近な障害です
- 1〜2時間ごとのストレッチ(グーパー運動・手首のストレッチ)を習慣にしましょう
- 道具の工夫(太いグリップ、リストレスト、レバー式ドアノブ)で手への負担を減らせます
- スマホは両手操作、重いものは両手持ち。日常の手の使い方を見直しましょう
- 痛みが2週間以上続く場合や指がカクッとはねる場合は、早めに受診してください
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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