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ご家族の「食べる量が減った」が気になったら ── 低栄養を防ぐ食事の工夫

食べる量が減った高齢のご家族が心配な方へ。食事環境の整え方、食べやすい工夫、相談先をわかりやすくまとめました。

📅 2026年5月5日 更新読了目安 19分

この記事のポイント

  • 在宅高齢者の約20%が低栄養状態にあり、リスクを含めると半数以上。「食べる量が減った」は見逃せないサインです
  • 低栄養は筋力低下→活動低下→食欲低下の悪循環を引き起こし、要介護状態につながります
  • 作業療法士は食事環境・食具・姿勢の調整から低栄養予防を支援します

「食が細くなった」を見過ごしていませんか

「最近、食べる量が減った気がする」「おかずを半分残すようになった」。高齢のご家族にそんな変化はありませんか。

在宅で暮らす高齢者の約20%が低栄養状態にあり、リスクを含めると半数以上に及ぶといわれています。「年だから仕方ない」と見過ごしがちですが、放置すると深刻な健康問題につながることがあります。

作業療法士(OT)は、「食べる」という日常の動作に着目し、食べやすくなる工夫を一緒に考えてくれる専門家です。

低栄養が引き起こす悪循環

低栄養は単なる「痩せ」の問題ではありません。次のような悪循環を引き起こします。

  • 食べる量が減る → 栄養が足りなくなる
  • 栄養が足りない → 筋力や体力が落ちる
  • 体力が落ちる → 動くのがおっくうになり、外出や家事が減る
  • 活動が減る → お腹が空かなくなり、さらに食べる量が減る

この悪循環に入ると、抜け出すのが難しくなります。早い段階で「食べにくそう」に気づいてあげることが大切です。

注意

体重が半年で5%以上減った場合は、低栄養の可能性があります。かかりつけ医に相談してください。

OTが見る食事の「困りごと」

食事の場面で、こんな変化はありませんか。

  • 箸がうまく使えなくなった: 手の力や細かい動きが衰えている可能性があります
  • 食べこぼしが増えた: 手の動きや見え方の問題が隠れていることがあります
  • 食事の途中で疲れてしまう: 体力の低下が原因かもしれません
  • 同じメニューばかり食べている: 調理が難しくなっている可能性があります
  • 一人で食べていることが多い: 孤食は食欲低下の大きな要因です

こうした変化は「年のせい」で片づけず、OTに相談することで改善できることが多くあります。

食事環境の調整

食事の環境を少し整えるだけで、食べやすさが大きく変わることがあります。

  • 椅子の高さ: 足が床にしっかりつくようにしましょう。つかない場合は足台を置きます
  • テーブルの高さ: 肘が自然に曲がる高さが食べやすいです
  • 照明: 食卓を明るくすると、料理がおいしそうに見えて食欲が出ます
  • 食器の色: 白いお皿に白いご飯は見えにくいもの。料理と食器の色に差をつけましょう
ご家庭でできること

孤食(一人で食べること)は食欲低下の大きな原因です。週に何回かはご家族と一緒に食べる、デイサービスで昼食をとる、地域の会食会に参加するなど、誰かと食べる機会をつくってみてください。「一緒に食べる」だけで食べる量が増えることがあります。

食具・自助具の選び方

食べやすい道具に変えるだけで、食事がぐっと楽になることがあります。

  • 滑り止めマット: お皿の下に敷くと、片手でもお皿が動かずに食べやすくなります
  • すくいやすいお皿: 縁にガードがついていて、スプーンで食べ物をすくいやすくなります
  • 持ちやすいスプーン: 柄が太く、握力が弱くても持ちやすいものがあります
  • 曲がるスプーン: 手首の動きに合わせて角度を変えられます
ご家庭でできること

便利そうだからとたくさん揃えるのではなく、ご本人が「これなら使いたい」と思えるものを1つずつ試していくのがポイントです。OTやケアマネジャーに相談すると、ご本人に合った道具を提案してもらえます。介護保険で購入できるものもあります。

食事姿勢の整え方

食事のときの姿勢を少し整えるだけで、食べやすくなり、むせにくくなります

  • やや前かがみに座ります(背もたれに寄りかかった姿勢はむせやすくなります)
  • 顎を軽く引くことで、食べ物が気管に入りにくくなります
  • 足を床にしっかりつけることで、体が安定します
  • テーブルに両腕を置ける高さにすると、手が動かしやすくなります

注意

食事中にむせることが増えた場合は、誤嚥のリスクがあります。早めにかかりつけ医やOTに相談してください。

栄養補助食品の活用と相談先

食事の工夫だけでは十分な栄養が摂れないこともあります。そんなときは、栄養補助食品(ドリンクタイプやゼリータイプの栄養食品)の活用も一つの方法です。

ただし、自己判断ではなく、必ずかかりつけ医や管理栄養士に相談してから始めてください。

困ったときの相談先

相談先相談できること
かかりつけ医体重減少や全身状態の相談
ケアマネジャー介護保険サービスの利用(デイサービス、訪問リハなど)
地域包括支援センター介護予防、各種サービスの紹介
管理栄養士食事内容や栄養補助食品の相談
作業療法士(OT)食事動作の工夫、自助具の選定、環境調整
ご家庭でできること

1つ目は、食事の環境を見直すこと(椅子の高さ、照明、食器の色)。2つ目は、一人で食べる回数を減らすこと。3つ目は、食べにくそうにしていたら、かかりつけ医やケアマネジャーに相談すること。この3つだけでも、状況が変わることがあります。


ポイント

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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