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目で伝える・操作する ── 視線入力装置でできることと導入の流れ

視線入力装置は、目の動きだけでパソコン操作やコミュニケーションができる機器です。どんな方が使えるのか、どんな機器があるのか、導入の流れをわかりやすく紹介します。

📅 2026年8月20日 公開読了目安 14分

この記事のポイント

  • 視線入力装置は、目の動きだけでパソコン操作やコミュニケーションを可能にする技術です
  • ALSや重度肢体不自由など、手指の操作が困難な方の「伝える力」を支えます
  • 作業療法士は機器の選定から環境設定、操作訓練まで一貫した導入支援を行います

「伝えたい」を諦めない技術

病気やけがで手が動かせなくなったとき、「自分の気持ちを伝えられない」ことは、ご本人にとってもご家族にとっても大きな苦しみです。

視線入力装置は、目の動きだけで文字を打ったり、パソコンを操作したりできる機器です。手が動かせなくても、目が動けば「伝えたい」という気持ちを形にできます。

視線入力の仕組み

視線入力装置は、目の動きを特殊なカメラで追いかけることで動作します。

仕組みはシンプルです。

  1. 装置から見えない光(赤外線)を目に当てます(安全で痛みはありません)
  2. カメラが目の動きを読み取ります
  3. 画面上のどこを見ているかを機械が判断します
  4. 見つめ続ける、またはまばたきすることで「クリック」の代わりになります

最初に「キャリブレーション」という調整を行えば、その方の目に合わせて正確に動作するようになります。

適応となる方

視線入力装置は、以下のような方に適しています。

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症): 手足が動かなくなっても、目の動きは長く保たれます
  • 高位の脊髄損傷: 首から下が動かせない方
  • 重度の脳性麻痺: 手や指でのスイッチ操作も難しい方
  • 脳卒中後の閉じ込め症候群: 意識ははっきりしているが体が動かせない状態

ヒント

使うための条件は、目を自分の意思で動かせることです。画面上の点を見つめることができれば、多くの場合使用可能です。

主な機器の種類

視線入力装置にはいくつかの種類があります。

  • Tobii Dynavox: 世界で最も多く使われている視線入力装置。医療・福祉の実績が豊富
  • miyasuku EyeCon: 日本製で日本語に最適化されています
  • OriHime eye: 分身ロボット「OriHime」と連携でき、遠隔地にいる方とも交流できます
  • Tobii Eye Tracker 5: 比較的安価(5〜6万円)で、まずは試してみたい方に
ご家庭でできること

高額な機器を購入する前に、病院やリハビリテーションセンター、福祉機器展示場で試用できることがあります。お近くの支援センターや作業療法士に相談してみてください。

OTによる導入支援プロセス

視線入力装置の導入は、作業療法士と一緒に以下の流れで進めます。

1

評価

  1. 1目の動きや姿勢を確認します
  2. 2どんな場面で使いたいかを話し合います
2

機器選び

  1. 3実際にいくつかの機器を試します
  2. 4ご本人に合ったものを選びます
3

環境づくり

  1. 5画面の位置や明るさを調整します
  2. 6座る姿勢を整えます
4

練習

  1. 7基本的な操作から練習します
  2. 8少しずつできることを増やします
5

継続サポート

  1. 9定期的に調整・設定変更をします
  2. 10ご家族への操作説明も行います

注意

進行性の病気の場合は、手が動くうちに早めに練習を始めることが大切です。操作に慣れておくことで、手が動かなくなってもスムーズに移行できます。

費用と公的支援制度

視線入力装置は数十万円〜100万円以上しますが、公的な支援制度で費用を軽減できる場合があります。

  • 補装具費支給制度: 「重度障害者用意思伝達装置」として助成を受けられる場合があります
  • 日常生活用具給付制度: 自治体によっては給付対象になります

申請には医師の意見書が必要です。まずは担当の作業療法士や、お住まいの市区町村の障害福祉課に相談してみてください。


ポイント

視線入力装置について知っておきたいこと

  • 視線入力装置は、目の動きだけで文字入力やパソコン操作を可能にする技術です
  • ALSや高位頸髄損傷など、手指操作が困難な方のコミュニケーション手段になります
  • 機器の選定から操作訓練まで、作業療法士が一貫した支援を行います
  • 補装具費支給制度を活用すれば、費用の助成を受けられる場合があります
  • 進行性疾患の場合は、早期からの導入準備が重要です

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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