この記事のポイント
- FIMは日常生活動作(ADL)の自立度を18項目・7段階で評価する国際的な指標
- 合計点は18〜126点で、「しているADL」(実際の生活場面での遂行状況)を評価する
- リハビリの効果判定、退院先の検討、多職種間の共通言語として広く使われている
FIMとは何か
FIMは、日常生活の動作がどれくらい自分でできているかを数字で表す評価方法です。
リハビリの病院では、入院時と退院時にこの評価を行い、リハビリでどれくらい改善したかを確認します。
ご家族のリハビリの経過説明で「FIMが○点上がりました」という言葉を聞くことがあるかもしれません。この数字の意味がわかると、リハビリの進み具合をより深く理解できます。
FIMの構成 ── 18項目の内訳
FIMでは、以下の18の項目を評価します。
体を動かす動作(13項目)- 食事、身だしなみ、入浴、着替え(上・下)、トイレ動作
- トイレの管理(排尿・排便)
- ベッドから車椅子への移動、トイレへの移動、お風呂への移動
- 歩くこと(または車椅子)、階段
- 話を理解する、自分の考えを伝える
- 人との関わり、問題を解決する、記憶
合計点は18点〜126点です。点数が高いほど、自分でできることが多いことを意味します。
7段階の採点基準
各項目は1点〜7点の7段階で点数をつけます。
- 7点: 完全に自分でできる(道具なし、通常の時間で)
- 6点: 自分でできるが、道具が必要・時間がかかる
- 5点: 見守りや声かけが必要
- 4点: 少しだけ手助けが必要(75%以上は自分で)
- 3点: ある程度の手助けが必要(50〜75%は自分で)
- 2点: かなりの手助けが必要(25〜50%は自分で)
- 1点: ほぼ全面的な介助が必要
「6点」は道具を使えば自分でできるレベルなので、十分高い評価です。5点以上なら基本的に自分でできている、4点以下なら何らかの手助けが必要、と大まかに理解してください。
臨床でのFIMの活用
FIMの点数でわかること
リハビリスタッフから「FIMが10点上がりました」と言われたら、それは日常生活の自立度が具体的に改善したことを意味します。
大まかな目安として以下を参考にしてください。
- 90点以上: 自宅での生活がかなり自立してできるレベル
- 60〜89点: 自宅生活は可能だが、ご家族の手助けや環境の工夫が必要
- 60点未満: 日常的にかなりの介助が必要
ヒント
点数はあくまで目安です。同じ点数でも、ご家庭の環境やご家族のサポート体制によって、自宅での生活が可能かどうかは変わります。退院後の生活については、リハビリスタッフに遠慮なく相談してください。
採点時の注意点
家族が知っておくとよいこと
FIMは「テスト」ではなく、ふだんの生活の様子を評価するものです。
- リハビリの時間にできても、ふだんの生活でしていなければ点数には反映されません
- 逆に、ふだんの生活で自分でしていることが増えれば、点数は上がります
- ご家族が見ている「ふだんの様子」は、評価の参考になります
退院後の生活で気になることがあれば、担当の作業療法士(OT)に伝えてください。
ご家族の方へ ── 大切なポイントのまとめ
- FIMの点数は「日常生活をどれくらい自分でできているか」を表す数字です
- 点数が上がることはリハビリの成果。小さな変化も大切な進歩です
- 90点以上で自宅生活がかなり自立、60〜89点でサポートがあれば自宅生活可能が目安
- ご家庭での様子はリハビリスタッフにとって貴重な情報です。遠慮なく伝えてください
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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