この記事のポイント
- 訪問リハビリは作業療法士や理学療法士が自宅を訪問し、生活の場でリハビリを行うサービスです
- 介護保険または医療保険で利用でき、1回20分単位、週6回までが基本です
- 通院が難しい方だけでなく、自宅での生活動作を改善したい方にも適しています
- 訪問看護ステーションからのリハビリとは運営母体や指示系統が異なります
- 利用開始には主治医の指示書とケアマネジャーとの相談が必要です
はじめに──「家でどうすれば?」という不安
退院が決まったとき、「家に帰ってからどうすればいいの?」と不安になるご家族は多いです。入院中は毎日リハビリがあったのに、退院後はどうすればよいのでしょうか。
訪問リハビリを利用すれば、リハビリの専門家がご自宅に来て、実際の生活環境の中でリハビリを行ってくれます。この記事では、サービスの内容、費用、手続きの方法をお伝えします。
訪問リハビリとは
訪問リハビリとは、作業療法士や理学療法士がご自宅を訪問して、生活の場でリハビリを行うサービスです。
病院でのリハビリとの一番の違いは、実際の自宅環境で練習できることです。病院の訓練室で歩けるようになっても、自宅の段差や狭い廊下ではうまくいかないことがあります。訪問リハビリなら、そうした自宅ならではの課題に直接取り組めます。
訪問リハビリで作業療法士が行うこと
具体的にどんなことをしてくれるの?
生活動作の練習:入浴、トイレ、着替えなど、実際の自宅環境で日常の動作を練習します。
住環境のアドバイス:手すりの設置場所、家具の配置、段差の解消方法を提案してくれます。介護保険を使えば住宅改修に上限20万円の補助が出ます。
ご家族への介助指導:介助の方法や注意点を教えてもらえます。「腰を痛めない介助のコツ」や「見守りでいい場面と手伝うべき場面の判断」なども相談できます。
福祉用具の選定:歩行器やシャワーチェアなど、ご本人に合った用具を選んで使い方を教えてもらえます。
1回の訪問の流れ
1回の訪問はどんな感じ?
1回あたり40〜60分程度が一般的です。
まず血圧や体温を測って体調を確認し、次にリハビリの本題(動作練習、筋力トレーニングなど)を30〜40分行います。最後に次回の予定を確認して終了です。
体調が良くないときは、無理せずに内容を軽くしてもらえます。「今日は調子が悪い」と遠慮なく伝えてください。
訪問看護ステーションからのリハビリとの違い
「訪問看護のリハビリ」とは何が違うの?
自宅でリハビリを受けられるサービスには、「訪問リハビリ」と「訪問看護ステーションからのリハビリ」の2種類があります。
どちらもリハビリの内容は似ていますが、運営母体が異なります。どちらが合うかはご本人の状態によりますので、ケアマネジャーに相談して最適なほうを選びましょう。
利用条件と費用
費用はどのくらいかかるの?
介護保険を利用する場合、1割負担で月額5,000〜6,000円程度(週2回・1回40分の場合)が目安です。
利用には主治医の指示書が必要です。ケアマネジャーに「訪問リハビリを使いたい」と相談すると、手続きを進めてもらえます。
利用開始までの手続き
どうやって始めるの?
1. ケアマネジャーに相談する:「訪問リハビリを使いたい」と伝えましょう。ケアマネジャーがいない場合は地域包括支援センターに相談します。
2. 主治医に指示書をもらう:主治医に訪問リハビリが必要だと判断してもらい、指示書を出してもらいます。
3. 事業所を選ぶ:ケアマネジャーが地域の事業所を紹介してくれます。
4. サービス開始:契約後、リハビリの専門家が初回訪問で状態を確認し、目標と計画を一緒に立ててスタートします。
入院中の方は、退院前に手続きを始めておくと、退院後すぐにサービスを利用できます。
こんな方におすすめ
こんなとき、訪問リハビリが役立ちます
- 退院したばかりで自宅生活に不安があるとき
- 通院が難しくなった方のリハビリ
- 入浴やトイレなど自宅の中で困っている動作があるとき
- 手すりの設置場所や福祉用具の選び方を相談したいとき
- 介助の仕方を教えてもらいたいとき
まとめ
- 訪問リハビリは自宅の環境でリハビリが受けられるサービスです
- 介護保険を使えば月額5,000〜6,000円程度(1割負担の場合)で利用できます
- ケアマネジャーに「訪問リハビリを使いたい」と相談することが第一歩です
- ご家族への介助指導もしてもらえるので、介護の不安を減らすことにもつながります
- 退院前に訪問リハビリの手続きを始めましょう:入院中に病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談しておくと、退院後すぐにサービスを利用できます
- 「困っていること」をメモしておきましょう:日常生活で困っている場面をメモして訪問リハビリの担当者に伝えると、的確な支援が受けられます
- 介助方法の相談も遠慮なくしましょう:ご家族の腰痛や疲労の原因が、介助の方法を変えるだけで解決することもあります