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リンパ浮腫のセルフケア ── 圧迫・運動・日常の注意点

リンパ浮腫のむくみを悪化させないために、弾性着衣の使い方やマッサージの注意点、日常生活で気をつけることをわかりやすくまとめました。

📅 2026年10月18日 公開⏱ 読了目安 14分

この記事のポイント

  • リンパ浮腫は完治が難しいですが、適切なケアで進行を抑え症状を軽くできます
  • スキンケア・圧迫療法・用手的リンパドレナージ・圧迫下の運動療法が柱です
  • 「採血や血圧測定がリンパ浮腫の原因になる」という科学的根拠はありません
  • 腕や脚の太さを定期的に測ることが、早期発見の手がかりになります

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫とは、リンパ液の流れが悪くなることで、腕や脚がむくむ状態です。がんの手術でリンパ節を取った後に起きることが多く、乳がんや子宮がんの治療後にみられることがあります。

完全に治すことは難しいですが、毎日のセルフケアでむくみをコントロールすることができます。「付き合っていく病気」という意識を持ち、適切なケアを続けることが大切です。

ケアの4本柱

リンパ浮腫のケアには4つの柱があります。ご自宅で続けられるものと、医療者の指導が必要なものがあります。

1. お肌のケア

むくんでいる腕や脚は感染症にかかりやすくなっています。

  • 保湿クリームを毎日塗る
  • 虫刺されや傷をできるだけ防ぐ
  • 深爪に注意する

2. 圧迫する(弾性着衣)

弾性着衣は、むくみを抑えるための専用のサポーターのようなものです。

  • 日中に着用し、リンパ液がたまるのを防ぎます
  • サイズや圧迫の強さは医師の指示のもとで選んでもらうことが大切です
  • 使っているうちに弾力が弱くなるので定期的に買い替えます。買い替えの目安は主治医やセラピストに確認しましょう

3. リンパドレナージ(専門的なマッサージ)

リンパ浮腫のマッサージは、専門の教育を受けた医療者が医師の指示を受けて行う医療的なもので、エステなどの「リンパマッサージ」とは別のものです。

  • 自分で行う場合は、必ず先に医師やセラピストに教わってからにしてください
  • 皮膚に手のひらを密着させ、やさしく伸ばすように行います(強く揉んではいけません)
  • 皮膚が赤い・熱い・痛いときはマッサージをせず、早めに受診してください
  • 市販のマッサージ機で治療することはできません

4. 運動

  • 治療として行う運動は、弾性着衣や包帯で圧迫したうえで行います。やり方や強さは医師の指示に従ってください
  • リンパ浮腫があっても、筋力トレーニングや有酸素運動でむくみが軽くなることがわかってきています
  • 長く座り続けるときは、こまめに立ち上がったりストレッチしたりしましょう。首回し・肩回し・腹式呼吸も取り入れやすい方法です
ご家庭でできること

リンパ節郭清を受けた後にリンパ浮腫が起こり、医師の指示で弾性着衣や弾性包帯を購入した場合は、「療養費」を申請することで購入費用の一部が払い戻されることがあります。支給の要件や上限額は加入している医療保険によって異なりますので、買う前に主治医と保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村など)に確認してください。

日常生活で気をつけること

腕がむくんでいる方へ

  • むくんでいる腕での採血は控えましょう。不安があるときは、事前に看護師に相談してください
  • なお「採血や血圧測定がリンパ浮腫の原因になる」という説明を見かけますが、国立がん研究センターはそうした科学的根拠はないとしています。過度に怖がる必要はありません
  • 重い荷物は反対の手で持つか、カートを使う
  • 台所仕事ではゴム手袋をつけて、やけど・切り傷を防ぐ
  • 指輪や衣類は、締めつけの強いものを避けてゆとりのあるものを選ぶ

脚がむくんでいる方へ

  • 長く座り続けるときは、こまめに立ち上がったり伸びをしたりする
  • 寝るときはクッションで脚を10〜15cmほど高くする
  • 靴下のゴムや靴など、締めつけの強いものは避ける

季節の注意

  • 体重が増えるとリンパ浮腫が起こりやすくなります。バランスのよい食事と規則正しい生活を心がけましょう
  • 日焼け・虫刺され・やけどに注意し、外で作業するときは長袖や手袋、日焼け止めで皮膚を守りましょう
  • 暑い日やサウナ、飛行機の搭乗を避けるようにという話をよく聞きますが、これらがむくみを悪化させるという確かな根拠は見つかりませんでした。ご本人が「この日はつらい」と感じる場面を主治医に伝えて、個別に相談してみてください

注意

腕や脚の太さを定期的に測り、治療前と比べて1cm以上太くなっていたら担当医に相談してください。皮膚が赤くなって熱や痛みがあるときは蜂窩織炎の可能性があります。その部分を冷やしてなるべく動かさず、早めに受診してください。

リンパ浮腫とこころ

むくみによる見た目の変化は、ご本人の気持ちに大きく影響します。おしゃれが楽しめなくなったと感じたり、人目が気になったりすることもあります。

ご家族は「大変だね」と気持ちに寄り添う言葉をかけてください。日々のケアを一緒に行う(保湿を手伝う、弾性着衣を買いに行く、太さの測定に付き添うなど)ことも、大きな支えになります。なお、リンパドレナージを手伝う場合は、必ず先に医療者から一緒に指導を受けてください。

相談先

  • リンパ浮腫外来: がんの治療を受けた病院で相談できます
  • リンパ浮腫患者会: 同じ悩みを持つ方と情報交換ができます
  • 弾性着衣の費用: 健康保険の補助が受けられる場合があるので、主治医に聞いてみてください

ポイント

まとめ ── むくみと上手に付き合うために

  • リンパ浮腫のケアは「スキンケア・圧迫療法・用手的リンパドレナージ・圧迫下の運動療法」が柱です
  • 弾性着衣は医師の指示のもとでサイズと圧迫圧を選び、弾力が落ちたら買い替えます
  • リンパドレナージは医療者が行う医療的なマッサージです。自分で行うときは必ず先に指導を受けてください
  • 「採血や血圧測定がリンパ浮腫の原因になる」という科学的根拠はありません。ただし、すでにむくんでいる腕での採血は控えます
  • 腕や脚の太さを定期的に測り、治療前より1cm以上太くなったら担当医に相談してください
  • 弾性着衣の費用は療養費として一部払い戻される場合があります。購入前に主治医に確認しましょう

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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