この記事のポイント
- MMSEとHDS-Rは認知機能をスクリーニングする代表的な検査で、それぞれ30点満点
- MMSEはカットオフ23/24点、HDS-Rは20/21点で認知症の疑いを判定する目安
- スクリーニング検査であり、これだけで認知症の診断はできない。総合的な評価が必要
認知機能スクリーニングとは
「物忘れが気になる」「最近様子がおかしい」。そんなとき、病院で最初に行われるのが認知機能のスクリーニング検査です。
スクリーニングとは、「ふるい分け」のこと。認知機能に低下がありそうかどうかを、短時間で大まかに調べる検査です。
MMSE(ミニメンタルステート検査)
MMSEは世界中で使われている30点満点の認知機能検査です。
何を調べているか
- 今日の日付や場所がわかるか(見当識)
- 言葉を覚えて思い出せるか(記憶)
- 計算ができるか(注意力)
- 言葉を理解し使えるか(言語)
- 図形を写せるか(空間認知)
一般的に24点以上であれば正常範囲とされます。23点以下の場合、さらに詳しい検査が必要です。
HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
HDS-Rは日本で開発された認知機能検査で、MMSEと同じく30点満点です。
何を調べているか
- 自分の年齢や今日の日付がわかるか
- 言葉や物を覚えて思い出せるか(記憶に重点)
- 計算ができるか
- 数字を逆から言えるか
- 野菜の名前をたくさん言えるか
一般的に21点以上であれば正常範囲とされます。20点以下の場合、さらに詳しい検査が行われます。
両検査の比較と使い分け
2つの検査の違いを簡単にまとめると以下のとおりです。
- MMSE: 世界中で使われている。図形を写す課題がある。言葉の能力もよく見る
- HDS-R: 日本で作られた検査。記憶の能力を重点的に見る
両方を受けることで、より正確に認知機能の状態がわかります。
結果の解釈で気をつけること
検査結果を聞くときに知っておいてほしいこと
- 点数だけで認知症と決まるわけではありません。あくまで「もっと詳しく調べたほうがよいか」を判断するための検査です
- 体調や気分の影響を受けます。体調が悪い日や不安が強い日は、点数が低くなることがあります
- 耳が遠い方、目が悪い方は、聞こえにくさや見えにくさが影響することがあります
ヒント
検査の点数が低かったとしても、すぐに深刻な状態というわけではありません。医師やリハビリスタッフに、点数の意味と今後の方針を詳しく聞いてみてください。
ご家族の方へ ── 大切なポイントのまとめ
- MMSEもHDS-Rも「ふるい分け」の検査です。点数だけで認知症と診断されるわけではありません
- 体調や気分によって点数は変動します。1回の結果で一喜一憂しないでください
- 気になる症状がある場合は、早めに医師に相談することが大切です
- 検査結果の意味や今後の方針は、遠慮なく医療スタッフに質問してください
免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。
この記事の執筆者
ひろえもん作業療法士
作業療法士の国家資格を持ち、2012年から作業療法の普及・啓発を目的に当サイトを運営。 臨床経験に基づき、確認できる情報源にあたった上で執筆しています。
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