新卒OTスタートアップコラム「4月1日までに知っておきたいこと」── 第2回
この記事のポイント
- 報連相の中で新人が最も苦手なのは「相談」。しかし先輩が最も求めているのも「相談」です
- 相談の質を上げるカギは「タイミング」と「自分の考えを添えること」です
- 受け入れ側にとって一番怖いのは、黙って抱え込む新人です
「報告」と「連絡」はできるのに
「報連相が大事」── 学生時代から何度も聞いてきた言葉でしょう。
実習報告書は書けた。連絡事項の伝達もできた。しかし臨床で最も重要で、かつ最も難しいのが「相談」です。
なぜ相談が難しいのか。それは、相談には「自分がわからない」という事実を認める勇気が必要だからです。
「こんなことを聞いたら馬鹿だと思われるかも」「忙しそうだから後にしよう」「もう少し自分で考えてからにしよう」── こうした遠慮が、相談を先延ばしにさせます。
先輩が本当に困る3つのパターン
受け入れ側の先輩たちが口を揃えて言うのは、「黙って抱え込む新人が一番怖い」ということです。
具体的に困るパターンを3つ紹介します。
パターン1:問題が大きくなってから報告する「実は3日前から気になっていたのですが……」という報告。3日前に相談してくれていれば簡単に対処できたことが、放置されて大きな問題になるケースです。
パターン2:「大丈夫です」が口癖になる「わかった?」と聞かれて反射的に「大丈夫です」と答えてしまう。本当は半分もわかっていないのに、その場を切り抜けるために「大丈夫」と言ってしまうパターンです。
パターン3:自分で解決しようとして時間を使いすぎる調べること自体は素晴らしいことです。しかし、患者さんを待たせている状況で30分ひとりで調べ物をしているのは、時間の使い方として適切ではありません。
「いい相談」のコツ
相談にも上手い下手があります。以下の3つのポイントを意識するだけで、相談の質が大きく変わります。
コツ1:タイミングを見極める緊急度に応じて判断しましょう。患者さんの安全に関わることは、先輩が何をしていても即座に伝えてください。それ以外は、先輩の手が空いたタイミングを見計らいます。「今お時間よろしいですか?」の一言があるだけで、先輩の心構えが変わります。
コツ2:「自分の考え」を添える「どうすればいいですか?」だけでは、先輩はゼロから説明しなければなりません。
代わりに、こう伝えてみてください。「○○さんの上肢訓練について相談です。可動域は改善しているのですが、実際の食事動作につながっていません。課題指向型のアプローチに切り替えたほうがいいのではと考えているのですが、いかがでしょうか」
自分の考えが間違っていても構いません。「考えた過程」を見せることが大切です。先輩はそこから、あなたの臨床推論のどこを修正すればいいかを教えることができます。
コツ3:メモを取る同じことを2回聞くのは仕方がありません。しかし3回目になると、先輩は「前に教えたのに」と感じ始めます。相談した内容と先輩の回答は、必ずメモに残しましょう。小さなノートを白衣のポケットに入れておくだけで十分です。
受け入れ側へ── 「相談しやすい先輩」になる工夫
新人が相談しやすいかどうかは、先輩側の態度で決まります。
「いつでも聞いてね」だけでは不十分です。なぜなら、新人は「いつでも」のタイミングがわからないからです。
効果的な方法をいくつか紹介します。
- 定時の声かけ — 「午前の治療で困ったことはなかった?」と昼食前に聞く習慣をつけます。待つのではなく、こちらから聞きに行くことで、相談のハードルが下がります
- 相談専用の時間を設定する — 「毎日16時から15分間は質問タイム」と決めておくと、新人は安心して質問を溜めておけます
- 自分の失敗談を先に話す — 「自分も新人のとき、同じようなことで悩んだよ」という一言が、新人の緊張を解きます
相談されたとき、どんな内容でもまず「相談してくれてありがとう」と言ってみてください。それだけで、次の相談のハードルが確実に下がります。