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リハビリと栄養 ── 回復を支える食事の大切さ

リハビリの効果を高めるために大切な栄養について、ご本人・ご家族が知っておきたいポイントをわかりやすく紹介します。

📅 2026年10月15日 公開⏱ 読了目安 16分

この記事のポイント

  • 栄養不良の状態でリハビリを行っても効果は限定的。「リハビリ栄養」の視点が不可欠
  • サルコペニアの予防・改善には、適切なタンパク質摂取と運動の組み合わせが重要
  • アルブミンは「低栄養の指標」ではなく「炎症の代替指標」。単独で栄養状態を判断しない
  • OTは食事場面の評価を通じて栄養リスクを発見し、管理栄養士と連携する役割を担う

なぜOTが栄養を考えるのか

リハビリを頑張っていても、しっかり食べていなければ効果は出にくいのです。

筋力訓練をしても、筋肉をつくるための栄養(特にタンパク質)が足りなければ、筋肉はつきません。体力をつけたくても、カロリーが足りなければエネルギーが出ません。

「食べること」もリハビリの大切な一部です。

低栄養がリハビリに与える影響

栄養が足りていないと、リハビリの効果が出にくくなります。

  • 筋肉がつかない: いくら運動しても、材料(タンパク質)がなければ筋肉はつきません
  • 疲れやすい: エネルギー不足でリハビリに集中できません
  • 傷の治りが遅い: 床ずれや手術の傷の回復が遅れます
  • 病気にかかりやすい: 免疫力が下がります

注意

栄養が足りていない状態で激しいリハビリを行うと、逆に筋肉が減ってしまうことがあります。食事量が減っている場合は、リハビリの強度を調整する必要があります。

サルコペニアと栄養

サルコペニアは、筋肉が減って体の力が弱くなる状態です。高齢者に多く、立ち上がりや歩行が困難になる原因の一つです。

筋肉を守る食事のポイント

  • タンパク質を毎食とる: 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品を毎食1品は取り入れる
  • 3食きちんと食べる: 朝食を抜くと筋肉が減りやすくなります
  • ビタミンDを意識する: 魚(鮭、さんまなど)やきのこ類に含まれます
ご家庭でできること

目安は毎食、手のひらサイズのおかず1品。卵1個、納豆1パック、魚の切り身1切れ、肉60〜80g程度です。食が細い方は、牛乳やヨーグルトを間食に取り入れるのも効果的です。

OTが見るべき栄養指標

ご家族が注意すべきサインがあります。

  • 体重が減っている: 半年のあいだに体重の5%以上(体重60kgの方なら約3kg以上)減っていたら要注意です
  • 食事を残すことが増えた: 以前より食べる量が減った
  • 食事に時間がかかる: 30分以上かかるようになった
  • ベルトがゆるくなった: 知らないうちにやせている可能性
  • 疲れやすい・ぼーっとする: エネルギー不足のサイン

これらのサインに気づいたら、OTや主治医、管理栄養士に相談してください。

管理栄養士との連携

栄養について心配なことがあれば、管理栄養士に相談できます。

  • 入院中は病院の管理栄養士に相談
  • 在宅では訪問栄養指導というサービスがあります(医師の指示が必要)
  • ケアマネジャーに「栄養のことを相談したい」と伝えてください

OTと管理栄養士が連携することで、リハビリに合わせた最適な食事プランを立てることができます。

食事摂取量を増やす工夫

食欲がない方の食事量を増やす工夫です。

  • 少量・高カロリー: 量を減らしてカロリーを上げる(バター、オリーブオイル、チーズの活用)
  • 好きなものを優先: 完璧な栄養バランスより、まず食べることが大切
  • 間食の活用: ヨーグルト、プリン、栄養補助飲料を間食に
  • 食事の回数を増やす: 3食にこだわらず、5〜6回に分けて少量ずつ
  • 食事の環境: 一緒に食べる、食卓の雰囲気を整える
ご家庭でできること

食事量が少ない方には、市販の栄養補助飲料が便利です。少量でエネルギーとタンパク質を補えるように作られていますが、含まれる量は製品によって異なります。パッケージの栄養成分表示を確認するか、管理栄養士に相談して選んでください。間食やおやつ代わりに取り入れるのが続けやすい方法です。


ポイント

まとめ ── リハビリと栄養のポイント

  • 栄養が足りない状態でリハビリをしても効果は限定的。食事とリハビリはセットです
  • タンパク質は1日の総量の確保が最優先。「運動後30分以内」というタイミング神話にとらわれる必要はありません
  • 半年で体重の5%以上減っていたら、低栄養を疑って評価を進めましょう
  • アルブミンは炎症の指標です。栄養状態は体重変化・摂取量・筋肉量と合わせて判断します
  • OTは食事場面を観察できる唯一のリハビリ職種。栄養リスクの発見に貢献できます

免責事項: 当サイトの情報は一般的な知識提供を目的としたものであり、医療上の助言を構成するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師やかかりつけの作業療法士等の専門家にご相談ください。

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